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楽器の発達は職業の発達 ピアノ弾きのお仕事 器楽コレペティトール

こんにちは。
ドイツ在住ピアノ弾き
管楽器コレペティトールのきもらです。

前回は
コレペティトール
とはそもそも
オペラ業界で生まれたもの
というお話をさせていただきました
詳しくは前回の記事をご覧ください↓

今回は私の職業でもある

器楽コレペティトール

のお話です。

器楽コレペティトール(以降コレペティ)
という職業の歴史は
実はそんなに古くありません。
器楽コレペティは
現在、主にヨーロッパの大学機関で
浸透し始めていますが、
それもここ30年前後のお話です。

さていったい
器楽コレペティは何なのか。
ここからは詳しい資料が
ほとんど見当たらないため、
ほぼ私の推測になってしまいますが、
実は考え方は
オペラと同じだと思います。

そして、
この職業の裏側には
楽器の発達も
一役買っていると思われます。

古楽に関しては
専門外なので、
あまり詳しくは書けませんが、
バロック•クラシックの頃の楽器
いわゆる古楽器と、
現代楽器が
多かれ少なかれ
違うものであるというのは
ご存知の方も多いかと思います。

機械と同じで
白黒テレビから
カラーテレビになり
ブラウン管から
デジタルになったように
楽器も発達を遂げてきました。

もちろん白黒テレビの良さ
ブラウン管のテレビの良さ
というのがあるように、
古楽器の良さというのもあります。
だから今日でも
古楽器を扱う演奏家も
多くいらっしゃいますし、
大学でも古楽科があります。
が、今回はそこは割愛。

端的に

楽器は時代と共に発達した


ということです。

演奏場所も、
部屋→教会→宮廷など→ホールへ
と時代とともにどんどん拡張され、
観客を満足させるために、
大ホールの後ろまで音が届くような、
大きなよく通る音の出る楽器へと
改良する必要性が出てきたのも
大きな一因でしょう。

さて、
便利なものが出てくると、
それを使いたくなってくるのが人間。
楽器が発達すると、
それに合わせて曲を書くのが作曲家。

そう、どんどん曲が増えるのです。

それまでは
オーケストラでしか
活躍出来なかった楽器も
楽器が発達すると、
どんどんコンチェルトや
ソナタなどが作曲され始めます。
さて、そうなってくると
オペラと同じ問題が起こり始めます。

コンチェルトって

オーケストラ+ソリスト

なんですよね。
オペラでもありましたね。
オーケストラとソリストは
別々に土台を作って、
最終段階として
一緒にリハーサルをします。
なので、ソリストの人が
コンチェルトを練習するときは

ピアノ

と一緒に練習します。
コレペティトール 登場です。
役割はほぼ
オペラのコレペティと変わりません。
ただオペラと違うのは
テキストがないので、
発音指導がない点でしょうか。
その代わりと言ってはなんですが、
より音程や和声感に
かなり敏感になります。

•伴奏をしつつ
•楽曲分析
•音楽的指導
•ソリストの意見と音楽をすり合わせる
•音程•和声指導
•息遣いに口を出すことも  
•楽器の知識*     etc...

※楽器の知識については、ピアノ弾きは基本ど素人なので、各楽器の方々に教えてもらうことも多いです。

前回も書きましたが
ティーチング
コーチング
コンサルティング

を一緒くたにしてしまうのが
コレペティなのです。

そしてコレペティは
コンチェルトだけではなく、
ソナタや、室内楽でも
同じように使えます。

なので、多くの大学で、

器楽コレペティトール

という専門家を置いて、
より優れた音楽家を育てよう
という動きがあり、
ここ30年ほどで
一気にヨーロッパで
広がり始めたのです。

私は管楽器全般(+打楽器)
のコレペティを勉強して
現在勤めている大学では
金管楽器を専門に見ていますが、
人によっては
バイオリンとオーボエ
弦楽器と木管楽器
ホルン一択!!!

など専門分野は様々です。
自分に向いてる楽器を
コンビネーションできるのも
魅力の一つかもしれません。
また、大学によって
募集されている
楽器の組み合わせも様々です。

•アンサンブル大好き
•実は楽曲分析が好きだ
•あの楽器好き!
•もっと楽器について知りたい!
•知識をつけるのが好き!
•演奏しつつ教育に携わりたい
•誰かのお手伝いをしたい縁の下力持ち

という人におすすめです。

ヨーロッパでも
まだまだ発展途中のお仕事。
多くの器楽コレペティさんは
専門教育機関がない時代からの
叩き上げです。

私は幸い
専門機関で勉強する機会に
恵まれましたが、
それでも、師匠から学ぶこと以上に、
楽器の方々から学ぶことが多く、
各楽器の教授、学生全員が
私の師匠でした。

なので、

え!日本じゃ勉強できないじゃん!

ということはありません。
あなたのやる気次第で、
師匠はどこにでもいます。
気になる方は明日にでも
気になってた楽器の人に
こう声をかけてみては?

“あなたの楽器について教えてください”

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自分のお仕事を紹介するって
難しいですね…
今回はざっくりご紹介だけ。
実際に私がどういうことを
コレペティとしてやっているのか
何を大切にしているのか
などは、追い追い書いていけたらと
思いますが、かけるかな…

ピアノ弾きのお仕事シリーズ、ようやく終わりが見えてきました。
次回は、バレエコレペティトール
をちょっとだけ
ご紹介しようと思います。

それではまた次回♪



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