見出し画像

和裁士を志した日の受難

和裁に興味を持ったのはもう10年以上前のこと。
その時は着物好きとして自分が着たい着物を縫えて、購入した古着物の裄出しやお直しができれば良いなという気持ちだった。

その後何年も経ってオフィスワーカーとして働いていた時、体調を崩して3週間ほど入院した。
仕事のストレスや忙しさが一つの要因になった病気で、『ここから離れよう』と思うきっかけでした。

とにかく在籍している会社と人間関係から解放されたかったのかもしれない。

そこで、元々興味があった和裁を仕事にすることを考えて、主にインターネットでいろいろ調査。

しかし、すぐに壁が立ちはだかってきました。

  1. 給料が低い、むしろ無い

  2. 修行先を見つけるのが至難

  3. 年齢の壁

年齢と壁は調べる前から気がついてました。
一人前の職人になるために修行が必要で、その時アラフォーに足掛けしていた私はどう考えても遅い。

でもらその他が思っていたよりも深刻。
お給料はほぼ無いのが当たり前、むしろちょこっと貰えるだけでもありがたい。

それは生きていけないのでは?

修行先を見つけるのも伝手が無く、職人に向いているかもわからない状態。
専門学校は初期投資が必要なうえ、卒業したからといって仕事があるわけでは無くそこからまた修行しなければならない。

やっぱり会社員を続けながら、趣味で和裁をするのが正解かもしれないと思った時、見つけたのがこの学校。
 
東京都がやっている和裁の職業訓練校です。
その名も和装技術科

期間は1年間
夏休み冬休みを除く平日5日学べて
学費は約11万円
和裁の基礎を身につけられ、和装関連のその他知識も勉強できる

ここを卒業したとて仕事が見つかるわけでは無いのですが、

  1. 毎日裁縫をするという仕事が自分に向いているかどうかチェックできること

  2. 基礎知識を身につけられること

  3. 初期投資が低いこと

に魅力を感じて、この学校に入学することを決めました!
お金にならない期間が数年単位であること、適性があるかわからないこと、年齢と不安は山盛りでしたが、今より若い時は無いし、やってみて駄目なら戻れば良いからと、思い切って仕事にも辞めることを伝え、和裁士の道へと舵をきりました。

この後に職業訓練校の入学の関門が立ち塞がるのですが、その話はまた次回


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?