西里亜

職人としての和裁士になる日々の徒然

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最近の記事

着物好きが和裁を始めるとどうなる?

自他ともに認める着物好き それが私です。周りからは着物以外の衣服で会うと驚かれることもしばしば。友人から先日13年ぶりに洋服姿を見たと言われました。 オフィスワーカーだった頃にも、さすがに毎日ではありませんが着物で仕事に行ったり。1回目は驚かれましたがそのうち何の反応も示さなくなる人間の順応力に感謝でした。 そんな隙あらば着物な着物好きが和裁を始めるとどうなるか。 反物が加速度的に増えます。これはいつか作るのと言ってどんどん貯めていきます。我が家ではそれを反物ハムスターと命

    • 和裁の得意な箇所

      先日、着物を着るけど和裁素人の友人から「和裁」していて一番好きな箇所ってどこ?という質問をうけました。 いままでどこの作業が一番好きというのを考えたことなかったなと思って、この質問を深堀して記事にしてみようと思います。 私が一番好きな箇所それはずばり衿付けです。 ある意味苦手なところでもあるんですけど、衿と見頃をすっと待ち針を打てた時、まっすぐ綺麗に自然に縫い付けられた時の気持ちよさはぴか一! なので衿付けが大好き。 更にとも衿をかけるのも好きです。 思ったと売りに綺麗に

      • 嫌だと思ったことに驚いた事

        先日自分用の浴衣を友人たちと作るために集まりました。 着る予定日が先に決まっていて、急かされるように作る私たち。 結果、ミシンで縦縫いを全部やってしまうことに!   いわゆるハイテクミシン仕立て手縫い併用です。 サクサクと印を付けてミシンが得意な子にがーっとやってもらいました。 背縫い 脇縫い 衽縫い 袖 その時は切る日も迫っているし、全く気にしてなかったんです。 とにかく出来上がればの一心で没頭。 家に帰ってきてふと我に返ると、いや、自分の分だけなら普通に手縫

        • 自己紹介してみる

          気が付いたら細々とNoteを書き始めて4か月経っていました!月に1・2本と少ないながらもフォローして下さる優しい方もいたりして、有難い。きっと和裁に携わっている方だったり、着物や和文化がお好きな方だったり、裁縫好きだったり?と多少なりとも共通点がある方が読んでくださっているのだと思います。そんな方々に少しでも読んで楽しかった・良かったと思える記事を書けるようになっていきたいと思います! なので改めてここで自己紹介をさせて頂きます。 プロフィール 西里亜(にしりあ)と申し

        着物好きが和裁を始めるとどうなる?

          続和裁士の就職活動

          1月ほど前に書いた就職活動 ありがたいことに沢山の方に見て頂けたようで嬉しいです。 せっかくなので追加の情報を。 私の時は職業訓練校のクラスメイトも複数人和裁所に入所しました。 その入るときの面接?手続き?等もせっかくなので書いてみようと思います。 ケース1 私の和裁所は見学後に電話をして修行したい旨を伝えるとすんなりOKをもらえました。でもその後履歴書と職務経歴書が欲しいということなので郵送しました。 誰に対してもすんなりOKなのか、見学の時に毎月のお手当に関して

          続和裁士の就職活動

          和裁士の1日

          ここ数日とても暖かくて春らしい日が続き、嬉しくなっていたら明日はがくっと気温が下がるのだとか。体調に気をつけて皆様お過ごしください。 さて今日は私の和裁所にいる時の1日の一例を書こうと思います。 が、正直縫っているだけなので一行で終わらないように頑張ります。 9時前 出勤 出勤したらまず運針を2尺ほどして指慣らし その後その日の作業を確認して作業に入ります。 前日からの続きがある場合は前日の物を、無い場合には先生に確認し新しく頂きます。 12時頃 ランチ 基本はお弁当を

          和裁士の1日

          和裁士見習いの就職活動

          先日ありがたいことに、卒業した職業訓練校に在籍されている方からコメントをいただきました。 同じように和裁士を目指されているのだとか!    せっかくなので、私の就職活動を記録しておこうと思います。もう遅いかもしれないけど…    就職活動の方法職業訓練校では年の終わりが近づいてきた確か11月後半ごろ、学校が選んだ就業場所に見学に行く機会が設けられました。 見学場所は和裁所が3ヶ所と悉皆業、その他和関連2ヶ所くらいだったと記憶してます。 生徒がそれぞれ見学したい場所を第二

          和裁士見習いの就職活動

          背筋が凍ったミスの話

          こんにちは。 今日は和裁中のミスについてのお話。 どんなに気を付けていても、丁寧に進めていてもミスは起こりえます。 だって人間だもの・・・ これは私がした&見てきた背筋が凍ったミスの話です。 一番多いのは単純に印の付け間違え これは物差しを見間違えたり、寸法を勘違いしてしまったりで起こりえます。比較的すぐに直せるが、めんどくささとがっくりはぴか一。 せっかく縫ったのにとがっくり来ます。 反物によっては縫い直すことによって痛むものもあるので、印をつける前・縫う前は要チェッ

          背筋が凍ったミスの話

          修行中の不思議

          あっという間に新年明けてから2週間経ちました。 元旦からいろいろなことがあり、心が忙しい日いですね。 さて今日は修行中に感じた・感じている不思議に関して書きたいと思います。 noteを始めようと思ったきっかけが、和裁修行を現在まさにしている方の発信が少ないと思ったからです。 10年前や20年前に修行された方の情報は拝見しましたが、呉服業界の変遷により和裁業界は目まぐるしく変わっている。 お金は?どんなふうに修行を進めていくの?教え方はどんな感じなの?時間は? よくわか

          修行中の不思議

          和裁技能検定3級 備忘録

          今日は和裁技能検定について語ろうと思います。 和裁技能検定3級は実技(長襦袢)と筆記試験があります。 ◆学科(真偽法:30題/1時間) 出題範囲:裁断・法制の手順、和服の材料に関して、和服全般の知識、色彩学、安全衛生 ◆実技(3時間30分) 表地は自由、芯地は自由(胴裏の付くものは、裏地自由)とし、見頃・立て衿(下えり)付けをし、右そでを事前に縫い上げたもの(衿先布の付く場合は、事前にえり先布をえり芯に付けておく)を持参し、試験場において、えり付け、まとめ等を行い、女子用

          和裁技能検定3級 備忘録

          浴衣の次のステップ

          無事に和裁検定4級で浴衣の試験が終わりました。 その前に色彩検定も取得しました。 が、クラスメートで受験する人しない人半々ほどだったので、職業訓練校としてはどちらでもよい位置づけだったのかなと思ったり。 授業では色彩検定に出る範囲も教えてくれるので、余力がある方は取るのもおススメです。 さて浴衣が終わった後、学校では緩やかに人への着物にやるものが移行しました。 まずは化繊の着物。 やはり浴衣ではない着物が出来るというのはテンションが上がりました。 たしか手持ちの浴衣が終

          浴衣の次のステップ

          和裁検定4級

          学校に入学して1つ目のミッションが夏休み明けの9月にきました。 そう、浴衣の検定、和裁検定4級です。 検定当日は時間内に以下を終わらせなければなりません。 ①左袖 ②衿付け~くけ ③袖付け ④仕上げ 合格率はかなり高め=頑張れば合格できる試験 先生も毎年ほぼ合格すると言ってました。 試験に持っていく浴衣の準備が夏に本格化します。 学校では柄合わせ・裁断までは試験準備の時間を作ってくれましたが、基本的には夏休みの宿題です。 夏休み後に不備がないか先生にチェックしてもら

          和裁検定4級

          職業訓練校での日々

          2月後半、無事に職業訓練校からめでたく合格通知を受け取りました。 当時かなりの倍率で、難関校。 和裁に限らず職業訓練校を受験された方のレポートを読みましたが、何が合格の基準になるかわからず、ドキドキする毎日からやっと解放されました。 仕事にはすでに退職の意向を伝えていたので、不合格だったならばここから就活スタートしなければならないという背水の陣だったので、本当に合格してほっとしました。 さて万感の思いで合格し、和裁の道が開けた学校の内容を簡単に紹介します。 和裁の縫う

          職業訓練校での日々

          職業訓練校に合格したい!

          職業訓練校に和裁の科目があることを知って、すぐにハローワークに話を聞きにいきました。 職業訓練校担当の方はとても親切な方で、 いつ申し込みが必要なのか、前年度の倍率、落ちてしまう可能性、必要書類等丁寧に教えてくれた。 それによると前年度の倍率はなんと約2倍! 2人に1人が落ちてしまう確率… そして合格のためには  数学と国語の試験 面接 を乗り越えなくてはならない。 範囲も広くて小学生から高校卒業までの範囲から出題されるとか。 急いで過去問を確認しましたが、わかるの

          職業訓練校に合格したい!

          和裁士を志した日の受難

          和裁に興味を持ったのはもう10年以上前のこと。 その時は着物好きとして自分が着たい着物を縫えて、購入した古着物の裄出しやお直しができれば良いなという気持ちだった。 その後何年も経ってオフィスワーカーとして働いていた時、体調を崩して3週間ほど入院した。 仕事のストレスや忙しさが一つの要因になった病気で、『ここから離れよう』と思うきっかけでした。 とにかく在籍している会社と人間関係から解放されたかったのかもしれない。 そこで、元々興味があった和裁を仕事にすることを考えて、主

          和裁士を志した日の受難