西里亜

職人としての和裁士になる日々の徒然

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職人としての和裁士になる日々の徒然

最近の記事

職人の世界

今日は革職人の仕事に関する記事を紹介したい。 文章がとてもお上手でするすると頭に入ってくると同時に、本当にどこの業界も”職人”として生きる難しさが同じで涙してしまった。 誰もが夢を抱いて、厳しさも覚悟でその世界に飛び込む。 でもそこで待っているのは、修行の厳しさや才能の無さよりもその前段階の絶望的な金銭的事情なのだ。 手取りは3万 フルタイムでこの金額 目を疑いますよね。 ただ、和裁という他業種だけど、手取り3万円も越えないこともある現実を知っているだけに、この方が修

    • 実家の箪笥の整理

      先日実家の箪笥の整理を重い重い重い腰をやっと上げて、姉と2人で1日使って整理してきました。 実家の箪笥は私が幼いころには3棹だったと思うのですが、気が付けば7棹に増殖していました。他界した祖母の物(中身付き)や、増えた着物に合わせ新たに購入したものだったり。 近頃断捨離、終活にはまっている母が「着物はあなたたちが一番着るのだから、整理もあなたたちでしてね」と。 増やしたのは母なのに、おかしいなと思いつつも親孝行だと思って。 1棹目は楽しいんです。 こんな着物あったんだっ

      • 砂漠の中で針を1本探すような

        和裁を生業にするようになって数年。 実はまだ和裁だけでは食べていけていない。 本業だけで食べていけていないだなんて、悲しすぎて周囲の人にも詳しいことは伝えられていない。四十の手習いならぬ三十後半の大きな転職。 元々は外国資本の職場でで事務員として働いていた。 その国を始めとした一帯の文化に惚れこみ語学を始め、留学をし、縁あって勤務することに。ある意味とんとん拍子ともいえる人生。和裁に転職した時には少々レアな職であったため、多くの知人から『もったいない、なんで辞めちゃったの?

        • 久々が鬼門

          着物は季節ものです。 春夏秋冬着るものがちょっとずつ違う。 そのため仕立て屋に回ってくるものも季節によってちょっとずつ違うのです。 今の季節ですと既に袷の仕立てが増え始めているけど、夏の絽や麻物なんかは急ぎの仕事が多い。夏物の単衣の襦袢なんかもちらほら。 先月は単衣の着物と長襦袢をおおくやって、先々月も単衣の長襦袢と着物がほぼ。無双袖の長襦袢を作ったので、それが珍しいくらい。 私がやった袷の着物は3月くらいが最後だったかもしれない。 上述のように単衣仕立て関連が多かった

          焦りと順調の関係

          毎朝職場に行くと今日はここまで終わらせようとか、午前中までにここまで終わるはずという目標あるいは野望を立てている。 それも、ちょっと無理かもというギリギリを狙った目標にしています。 調子のいい時にはちょうどそれ通りに終わったり、ちょっと越せたりしているけど、調子の悪い時には・・・少しの遅れを巻き返そうと思って急いで急いでやるせいか、結果目標よりもだいぶ前のステップで終わってしまうこともしばしば。 今日はまさにそんな日でした。 朝の時点でここまで昼前に終わらせれば今日中に

          焦りと順調の関係

          ほどよい寸法考 身丈Ver.

          繰り越しVer.に続き今回は身丈のお話です。 皆様身丈はどのように決めていますか。 私は着付け法が古いのか、158cmで4尺1寸でもちょっと長いなと着付けるときに思っています。だいたい身長=身丈なので、腰ひもが低い&アンティーク好きなため短い着物に慣れすぎてしまっているんでしょうね。 そして、最近お仕立てに来るお客様の寸法を拝見していると総じて身長よりも長い身丈をご希望の方が増えている気がします。 皆さんどのように着ているのでしょうか。腰ひもをウェストよりも上で締めているの

          ほどよい寸法考 身丈Ver.

          ほどよい寸法考 くりこしVer.

          最近繰り越しについてよく考えます。 和裁のお師匠さんからは「たくさん繰り越したからといって別に衿が抜けるわけではない」と聞きました。 ではどんな時に繰り越しを多くするのか。 私の手元にある平成初期の資料によると、背が低くやせ型の人は5分の繰り越しで背が高く体格が良くなるにつれ7分・8分と大きくするとよいと書かれていました。 ということは首の太さや肩回りのお肉状況によって変化するという事でしょうか。これまで私は自分用をずっと7分で作っていて他を試したこと無かったので、興味津

          ほどよい寸法考 くりこしVer.

          初心者に縫いやすい物

          和裁所に入ったころによく任された物は『長襦袢』でした。 単衣の長襦袢、無双袖の長襦袢、男物の長襦袢 実際に縫っている時は、お客様の品物といえど下に着るものなので、幾分かは気を楽にして仕立てに入れる。 でも今長襦袢が来ると、「長襦袢か…」と思ってしまう。 けして長襦袢が嫌いなわけではない。ないのだけど、ほとんどの長襦袢の記事は薄く柔らかい。そのため変なところを針で引っ掛けると布にぴっと糸を引いたような傷になってしまうこともある。  それにおおむねの長襦袢地はとっても柔らかいか

          初心者に縫いやすい物

          着物好きが和裁を始めるとどうなる?

          自他ともに認める着物好き それが私です。周りからは着物以外の衣服で会うと驚かれることもしばしば。友人から先日13年ぶりに洋服姿を見たと言われました。 オフィスワーカーだった頃にも、さすがに毎日ではありませんが着物で仕事に行ったり。1回目は驚かれましたがそのうち何の反応も示さなくなる人間の順応力に感謝でした。 そんな隙あらば着物な着物好きが和裁を始めるとどうなるか。 反物が加速度的に増えます。これはいつか作るのと言ってどんどん貯めていきます。我が家ではそれを反物ハムスターと命

          着物好きが和裁を始めるとどうなる?

          和裁の得意な箇所

          先日、着物を着るけど和裁素人の友人から「和裁」していて一番好きな箇所ってどこ?という質問をうけました。 いままでどこの作業が一番好きというのを考えたことなかったなと思って、この質問を深堀して記事にしてみようと思います。 私が一番好きな箇所それはずばり衿付けです。 ある意味苦手なところでもあるんですけど、衿と見頃をすっと待ち針を打てた時、まっすぐ綺麗に自然に縫い付けられた時の気持ちよさはぴか一! なので衿付けが大好き。 更にとも衿をかけるのも好きです。 思ったと売りに綺麗に

          和裁の得意な箇所

          嫌だと思ったことに驚いた事

          先日自分用の浴衣を友人たちと作るために集まりました。 着る予定日が先に決まっていて、急かされるように作る私たち。 結果、ミシンで縦縫いを全部やってしまうことに!   いわゆるハイテクミシン仕立て手縫い併用です。 サクサクと印を付けてミシンが得意な子にがーっとやってもらいました。 背縫い 脇縫い 衽縫い 袖 その時は切る日も迫っているし、全く気にしてなかったんです。 とにかく出来上がればの一心で没頭。 家に帰ってきてふと我に返ると、いや、自分の分だけなら普通に手縫

          嫌だと思ったことに驚いた事

          自己紹介してみる

          気が付いたら細々とNoteを書き始めて4か月経っていました!月に1・2本と少ないながらもフォローして下さる優しい方もいたりして、有難い。きっと和裁に携わっている方だったり、着物や和文化がお好きな方だったり、裁縫好きだったり?と多少なりとも共通点がある方が読んでくださっているのだと思います。そんな方々に少しでも読んで楽しかった・良かったと思える記事を書けるようになっていきたいと思います! なので改めてここで自己紹介をさせて頂きます。 プロフィール 西里亜(にしりあ)と申し

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          続和裁士の就職活動

          1月ほど前に書いた就職活動 ありがたいことに沢山の方に見て頂けたようで嬉しいです。 せっかくなので追加の情報を。 私の時は職業訓練校のクラスメイトも複数人和裁所に入所しました。 その入るときの面接?手続き?等もせっかくなので書いてみようと思います。 ケース1 私の和裁所は見学後に電話をして修行したい旨を伝えるとすんなりOKをもらえました。でもその後履歴書と職務経歴書が欲しいということなので郵送しました。 誰に対してもすんなりOKなのか、見学の時に毎月のお手当に関して

          続和裁士の就職活動

          和裁士の1日

          ここ数日とても暖かくて春らしい日が続き、嬉しくなっていたら明日はがくっと気温が下がるのだとか。体調に気をつけて皆様お過ごしください。 さて今日は私の和裁所にいる時の1日の一例を書こうと思います。 が、正直縫っているだけなので一行で終わらないように頑張ります。 9時前 出勤 出勤したらまず運針を2尺ほどして指慣らし その後その日の作業を確認して作業に入ります。 前日からの続きがある場合は前日の物を、無い場合には先生に確認し新しく頂きます。 12時頃 ランチ 基本はお弁当を

          和裁士の1日

          和裁士見習いの就職活動

          先日ありがたいことに、卒業した職業訓練校に在籍されている方からコメントをいただきました。 同じように和裁士を目指されているのだとか!    せっかくなので、私の就職活動を記録しておこうと思います。もう遅いかもしれないけど…    就職活動の方法職業訓練校では年の終わりが近づいてきた確か11月後半ごろ、学校が選んだ就業場所に見学に行く機会が設けられました。 見学場所は和裁所が3ヶ所と悉皆業、その他和関連2ヶ所くらいだったと記憶してます。 生徒がそれぞれ見学したい場所を第二

          和裁士見習いの就職活動

          背筋が凍ったミスの話

          こんにちは。 今日は和裁中のミスについてのお話。 どんなに気を付けていても、丁寧に進めていてもミスは起こりえます。 だって人間だもの・・・ これは私がした&見てきた背筋が凍ったミスの話です。 一番多いのは単純に印の付け間違え これは物差しを見間違えたり、寸法を勘違いしてしまったりで起こりえます。比較的すぐに直せるが、めんどくささとがっくりはぴか一。 せっかく縫ったのにとがっくり来ます。 反物によっては縫い直すことによって痛むものもあるので、印をつける前・縫う前は要チェッ

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