ご挨拶

 はじめまして、本日よりブログを書かせていただきます。以満川呉服店の5代目店主 櫟木智統と申します。

 簡単に自己紹介をさせていただきますと、1995年に生まれ、2018年に同志社大学 商学部を卒業。同年にサイバーエージェントへ入社しました。その後、地元である名古屋に戻り現在に至ります。

 昔でこそ、着物は日本人の皆様の生活に根強く身近なものでしたが、現在では着方は疎か着物のたたみ方を知らない方も多いのではないでしょうか。古き良き日本の文化といえば聞こえはいいですが、業界の現状は皆様もご存知の通り、あまり芳しくありません。

 職人は減り、小売店もシャッターを閉め、跡取りもおらずと、課題は山積しています。お客様がいなければ職人に仕事はないですし、職人がいなければ、いい商品をお客様にお届けすることはできません。そういった環境の中で我々、小売店の役割はより良い商品をお客様にお届けし、お着物を着る機会を提供させていただくことです。

 ユーザビリティでは洋服に圧倒的に劣る着物ですが、その絢爛さや奥ゆかしさは着物に軍配が上がります。今から、もう一度、着物を日本人の普段着にするつもりはさらさらありません。ただ洋服には洋服の、着物には着物の良し悪しがあり、互いの存在は必ずしも排他的ではないとも考えています。

 着物の仕事に従事して1年ほどで、まだまだ浅学な中、お客様と会話していて思うことがあります。それは着物には「ストーリー」があることです。よく耳にするのは「母が成人式に着た振袖を娘さんが着られる。」これは七五三やお宮参りにも当てはまりますね。そうすると、着物には家族の物語が宿ります。

 その他にも、演歌歌手のお客様からは「デビューした時に作ったお着物なの」「アルバムを出した時の…」などなど、着物は自分の歴史を振り返る際に、その光景をより鮮明に思い出させてくれる品物にもなります。

 こうして親から子へ、そして次の世代へと繋がれた着物はやがてご家族にとって宝物になっていくのです。

 しかし、実際はどうお手入れしていいか分からない!そもそもこれいつどうやって着るの!中には、誰の着物かわかんないけど、なんか家にある!等々、お着物に関して頭を悩ませている方が多いかと思います。近所の小売店に相談してみようかな、百貨店に聞いてみようかなと考える方もいらっしゃると思いますが、押し売りされそう…と心配している方もいるのではないでしょうか?

 そんな時は是非、以満川呉服店にご連絡ください。電話でもメールでも相談を承っておりますし、愛知県内であれば直接伺うことも可能です。今、着物を着る人口が少なくなっている中で少しでも着物を着ようと思ってくださる方々は我々にとって貴重な存在です。

 跡をとってから1年が経過しようとしていますが、今のフェーズは「啓蒙期」と考えています。家にある着物、すでにお持ちのもので構わないので、まずは着物を着るという文化を作っていく。これが小売店としての責任の一つだと思っています。

 挨拶が長くなりましたが、定期的にブログを更新していきたいと考えておりますので、拙文ですが何卒宜しくお願いいたします。

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