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映画#69『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』

『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』
("Avatar: The Way of Water")


監督:ジェームズ・キャメロン
脚本:ジェームズ・キャメロン、ジョシュ・フリードマン
出演:サム・ワーシントン、ゾーイ・サルダナ、シガニー・ウィーバー、スティーヴン・ラング、ケイト・ウィンスレット、他
配給:20世紀スタジオ(米国)ウォルト・ディズニー・ジャパン(日本)
公開:2022年12月16日
上映時間:192分
製作国:アメリカ合衆国

Wikipediaより引用

パンドラは待っていた。


全世界興行収入1位、ジェームズ・キャメロン監督作品『アバター』の正式な続編が遂に公開。

タイトルにある通り、舞台は前作の「森」から「海」へ。そこでは森のナヴィとは全く違った文化・風習を持つ海のナヴィがいて……彼らもまた、かけがえのない「家族」を持つ。

私が今作を鑑賞し、初めに感動した部分はここにある。前作にも言えたことだが、見た目は違えど彼らと我々人間にそこまで差はない。彼らは我々と同じように笑い、泣き、怒り、そして愛するのだ。


では今作における人間とは一体どういった存在なのか。一言で言い表すなら「ゴミクズ」と言ったところか。

前作でも森の民たちの故郷を焼き払ったりと非人道的なことをやらかしている。その結果ナヴィもといパンドラから返り討ちにされ、地球に逃げ帰ったはずなのだが今作でも彼らは全く反省していない。

(画像の真ん中の人間と、その他一部はいい奴。他はすべからずクズである。)

前作のラスボス的立ち位置だったマイルズ・クオリッチ大佐がアバターとして蘇り、かつての自分を殺したジェイクに復讐するために周辺の村を焼き払ったりと、やりたい放題。

極めつけは海の民と、家族のような共存関係を築いている鯨のような生物「トゥルクン」を狩猟するシーン……あそこで私の人間に対するヘイトは限界を超えたといっても過言ではない。トゥルクンの死体が映るシーンは、思わず顔を手で覆ってしまったほど……。


そしてアバターの魅力の一つでもある「現実味溢れるナヴィの存在感」「雄大なパンドラの景色」は今作でも失われていない……というより、むしろ13年前よりも大きく進化していると言えるだろう。

発達したモーションキャプチャーの技術によるナヴィとアバターの動きや表情の変化はより緻密なものとなり、そしてパンドラの景色は世界観の広がりにより更に壮大なものへと進化した。

どんな映画でも言えるのだが、私は続編や前日譚によって世界観が一気に広がる感覚を好む。そういう観点では、今作はそれだけで十分に観る価値のある作品だったと言える。


が、その一方で気になった部分もいくつか。その一つがサリー一家一人一人の背景だとか過去だとか、3時間も上映時間があったのにも関わらず少々拾い切れていない部分がある点についてだ。

特に気になったのは、前作に登場したグレイス博士の娘であるというキリの正体について。何故彼女だけ、パンドラの植物や生物を意のままに操れるのか。そして彼女の父親とは一体誰なのか……作中でも度々提示されていた謎だが、有耶無耶になったまま終わってしまったのが少々残念だ。


とは言え、だ。2022年を締めくくる実質最後の大作として、今作はそれに相応しい作品だったのではないかと個人的に思っている。3時間越えという凄まじいボリュームの今作だったが、全く気にならないほどパンドラの世界に没入することができた。

また私は家族物の物語にめっぽう弱い。普段映画では全然泣かない私だが、今作のラストに関しては不意に目から涙が溢れてしまった。何なら今思い返しても涙腺が緩みそうになる。

だがまだまだアバターの物語は終わりではない。ジェームズ・キャメロンは今後、上手くいけば第5作まで続編の制作を構想しているようだ。正直心配な部分はあるが次にパンドラへ足を踏み入れる時が来るのを待つとしよう。


リアルの事情ではあるが、私も冬休みに突入。今年の冬も来年も書きまくるぞ。

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