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YCP評価制度の中身~4つのリーダーシップEngageManagementについて~

こんにちは。YCP人事の岩田です。
前回の記事で360度評価(https://note.com/kimmy822947/n/nadf844062500)に関して記載させて頂きましたが、今回はその評価の中身、リーダーシップに特化してCEO石田の月報を抜粋してお伝えします。

YCP Solidianceではリーダーシップを4つのEで示しています。Enable、Engage、Energize、Envisionの4つです。元ネタはP&Gの5E Leadership Modelで、そちらにはExecuteが含まれるのですが、YCPはExecuteが得意な人が多いので敢えて入れていません。

YCPにおける4Eでも、Enableについて悩む人は少ないように思います。自分ができることをジュニアが出来るように教える、そんなに複雑ではありませんね。一方で、Engage・Energize・Envisionは、各領域をどう伸ばしたら良いか悩む人や、そもそもその領域を伸ばす必要性に気づいてすらいない人も多いです。今回はまずEngageについて掘り下げたいと思います。

Engageとは

Engageとは、言葉の定義は様々ありますが、一言でいうと「ジュニアがそのシニアに対して働くことを幸せに思っている」ということだと思います。逆に言うと、「シニアが、ジュニアの幸せを理解し、その方向に仕事を組み立てている」ということになります。

「ジュニアの幸せ」への理解

このEngageでありがちな失敗は、「ジュニアの幸せ」=「自分が幸せと思う環境の実現」と、自分の価値観をあてはめることです。年齢も違えば育ってきた環境も違うわけで、自分が思う幸せのイメージが、対峙するジュニアにとっても幸せであるわけがありません。昨今、ファームがグローバル化し、また各オフィスが大きくなるにつれ、国籍・年齢・経験はどんどん多様化しており、自分と違うことを受け入れることが非常に重要になっています。YCPで長く働きたい人もいれば、3年程度で起業したいと思っている人もいます。より複雑なプロジェクトに挑戦したい人もいれば、自分が得意とするプロジェクトに集中して取り組みたい人もいます。営業を頑張りたいという人もいれば、デリバリーに専念したい人もいます。こういった多様性のもとに、YCPという組織が成立しています。

1on1の重要性

この「ジュニアの幸せ」をきちんと理解するためには、1対1で対話を重ねる以外に方法がありません。YCPではここまでファームが大きくなっても未だに石田は1on1をやり続けてますし、また全オフィスマネージャーに1on1を強く要請しております。私も半年に1度の1on1で組織や採用課題を相談し、出来る限りJapanでの状況を生々しく伝える努力をしています。

 1on1の基本は「聞く技術」です。プロアクティブリスニングともに言われますが、目的は「ジュニアの幸せ」を理解するためなので、ジュニアが話しやすいように誘導する、環境を整えることが重要です。また、人はその時々での課題感・テンション・やりたいことが微妙にずれるので、1on1で話した内容は簡単なメモにとり、定点観測する必要があります。

そして問題がややこしくなるのが、1on1をやり切れないくらいまで組織が大きくなったときです。Googleで、Project Aristotle(プロジェクト・アリストテレス)というチームの生産性を高める研究がされており、たくさん本がでているので1冊くらい読んでみてください。その中で、ひとりのマネージャーがEngageできる部下の数は8人までとされており、業務を抱えながら1on1を週に1度実施する人数の限界だそうです。YCPは基本的に極めてモチベーションの高い特殊な人間が集まった組織ですので、1on1は月に1度とか半期に1度で良いと思いますが、そうだったとしても目を行き届かせる人数の限界は15人くらいだと思います。

この悩みを解決するため、過去にはメンター制度を導入したり、シニアによる日報への返信を義務化したりしました。メンター制度においては「年齢もキャリアもそう変わらないので、自然とプロジェクトの話になりがち」「仕事内容を深く理解していないとアドバイスできない」「ジュニアの言い分を聞くしかなく、そうすると上司の愚痴にただただ頷くだけになる」「単に会社のお金で飲み食いしているだけ」といった不満が噴出しました。

今の仮説としては、15人を超えたくらいのタイミングで、アサイメントと日報提出、それから1on1をセットで行う「メンターグループ/日報グループ」を15人以下で組成していくこと。こういった背景から日本オフィスでは今年からグループを大きく二つに分け、グループ内でのジュニアとの距離を密にすることでコミュニケーションを活発にさせることにしました。

ジュニアの幸せを正しく理解した上での次のチャレンジは

そしてEngageにおけるもう一つのチャレンジが、「ジュニアの幸せ」を正しく理解できたとして、「その方向に仕事を組み立て」られるかどうかです。みんなの幸せを一気に具現化するクライアント・プロジェクトのプールを実現できるわけがなく、自分たちがソーシング出来ているビジネス機会やクライアントニーズが大前提となります。また、一定の収益性がないと組織を持続的に成長させることができないため、どう儲けるのかというのも重要な観点になります。

ひとつは、グループ全体の戦略・計画と「ジュニアの幸せ」とを兼ね備えた、将来像を描くこと。これはEnvisionの話になるので次のブログにてご紹介したいと思います。

もうひとつは、描いた将来像(≒「ジュニアの幸せ」)と現状との差分を理解し、差分を埋めるプロセスを打ち立て、そして一人一人のジュニアにそのプロセスを正直に共有することだと思います。つまりここでも1on1の話になります。大変有難いことに、YCPの多くのジュニアは自分の幸せが実現されるまでに時間がかかることを理解してくれています。ただ恥ずかしながらそのコミュニケーションが丁寧になされていないこともあり、、現状の課題でもあるのですが・・・Global Update等の場で発信したつもりでいても、組織が大きくなるにつれて基本的な情報を理解されていないケースが多いです。したがって、まずは1on1を通じてオフィスマネージャーがきちんと理解してくれていることを確認し、またオフィスマネージャーから1on1でその理解を再発信してもらう。このプロセスが重要だと思っています。

創業10年に満たないまだまだ成長過程のファームですので試行錯誤中ですが、優秀な人材を預かる責任が多分にあり、人事としても社内コミュニケーションのインフラ構築に向けてテコ入れしていきたいと思っています。

ありのままの姿をお見せしましたので、YCPの考えるマネージメントの在り方を少しでもお伝え出来たのであれば幸いです。


最後にメンバー募集のお知らせです。
先日Liigaというハイキャリア層向けメディアにてコラムが掲載されました。
これまでHP経由でしか直接アプローチ頂けず面倒だったかと思いますが、ぜひコラム下の応募フォームからご応募くださいませ。

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