噂の⁉YCP独自の360度評価制度について~評価を全社員に公開することのメリット~
こんにちは。YCP人事の岩田です。
明けましておめでとうございます(遅い)。本年も頑張って月1ペースをノルマに執筆続けていきますので引き続き読んで頂けますと幸いです。
先週末オンラインベースで一同集まり、年に2回のreviewを実施致しました。
よく面接でも評価制度に関して知りたいという声が多数ありますので、今回は360度評価についてお伝えしたいと思います。
360度評価の仕組みについて
事前に自分がreviewをしてもらいたい、PJ等で深く関わったメンバー5名~8名程度(上長に限らず同僚、部下含めて)を選びます。
reviewを求められた者は職位によってそれぞれ設定されているcriteriaに沿って点数をつけ、加えて評価点だけでなく、良いところ、悪いところに関する定性コメントを記載します。
複数人から集まったreviewを最後、そのメンバーの上長にあたるパートナー/ディレクターがより伝わりやすい言葉に変換したり、内容を取捨選択したり・・・編集をして1枚のPPTスライドにまとめます。
フィードバックの強弱は、受け手側の視点から判断されるべきものだと考えているので、受け手のことを考えて、あえてそのまま共有するケースもありますし、表現が強すぎることで本来のメッセージが伝わりにくくなっている場合は、内容は変更せずに表現を緩めるケースもあります。
このスライドは全社員の目に触れるため編集者は非常に神経を使います。
よって、事前のコメントの記入に数時間、さらに編集者は人数によっては数日かけて準備し、当日の発表はコンサルタントで総勢50名弱※のメンバーがいますので毎回およそ半日かけてじっくり行われ、非常に長い時間を使って運営しています。
※バックオフィスは360度評価を導入しておりますが、全体公開ではなく一人一人にフィードバックされます。
360度評価のもたらす効果とは?
弊社の評価制度を機能させる上で、「評価するメンバーは、評価されるメンバーの3倍その人のことを考える」ということを徹底させており、このポイントが非常に大事だと考えています。
「どうやったらその人が変われるか、成長できるか」を考え抜き、時に厳しい言葉になろうとも根底に「愛」を持つようにしています。
悪いところを晒して公開処刑にしたい訳では決してなく、逆に活躍した一部のメンバーだけ取り上げて成功体験をもてはやす訳でもない。
アナリストやアソシエイトなどジュニアに限らず、マネージャーもパートナーも皆平等に、「この半期は○○が良かった、前回より○○の部分が成長していた。一方で△△は課題が残るから一緒に頑張ろうね」といった非常に建設的な議論を行っています。
上長も自分のことに精一杯になってしまっているとメンバーから突かれます。笑。
こういった仕組みは権力が集中することがなく、パワハラが起きづらい環境になってるかなと思います。
評価を全社員に公開する理由
なぜレビューを全プロフェッショナルに公開しているのか。単に運営上の理由で流しているわけではなく、公開処刑したい訳では決してございません。全員の「Strive for Growth」に繋がると確信しているからです。
キャリアを歩む中で、他メンバーが経験するシチュエーションは、いつか自分にも降り掛かってくるものです。「このポジションになると、こういうことが起きるのか」「こういう状況になるとこうなるのか」という経験値や、「そういう時はこういう対処したよ」「それはこうすると良かったね」という対処法を全員でシェアできるのは、将来の学びを先取りできるという意味でも、非常に意義があります。
同じタイトルの同僚であれば、彼ら/彼女らがどんな強みを有していて、逆にどんな課題を抱え、それをどう乗り越えようとしているのか、こういった他人の成長からも自分の成長に繋がるヒントが見つかるはず。
ジュニアのレビューであっても、年次やバックグラウンドが近ければ、ヒントになることは多いはずです。また、そのジュニアの課題克服に、どう協力してあげられるかも考えるきっかけになります。日々のプロジェクト、コミュニケーションを通じて手を差し伸べることはできるはずですし、そういった経験がリーダーシップを磨いていく上で重要になると考えています。
オフィスマネージャーやメンター、リーダーには、このタイミングで必ずジュニアとの1on1をセットすることをお願いしています。「Engage the Team」の基本は、濃いコミュニケーションを頻繁にとること。
クールでドライなイメージを持たれがちな弊社ですが、非常に長い時間をかけてウェットな仕組みで能力開発に向き合っています。
メンバーの納得感はどうか?
この制度がきついなと思う方もいらっしゃると思います。
罵倒される訳でも叱責される訳でもないのですが、誰でも自分の出来ない部分を人に晒すのは勇気が要るものです。比較的早期に退職してしまったメンバーは評価に耐えられなかったことも一因としてあるかもしれません。
YCPが厳しい会社と言われる所以もそこにあると思っています。
一方でreviewを受けた後のメンバーの日報に触れてみると、総じて受け容れてくれてるのかなと思っています。
2020年アナリスト入社
「レビュー中に○○さんがコメントくださった、以下2点を気を付けて上期で挽回したいと思います。
・自信がない時に態度に出てしまう結果、クライアントの不安も高めてしまう
⇒もっと毅然とした態度で、クライアントと会話するように意識する
・使えない分析、分析が甘い
⇒数字をただ整理することをゴールとするのではなく、その数字の意味や数字の組み合わせから新たな示唆を提示する
今回のレビューを受けて目線を下げることなく、上を向いて仕事に励んでいきたいと思います。改めて貴重なレビューを頂き、大変有難うございました。」
2018年アソシエイト入社
「入社して○回目のレビューを受けましたが、スキル面が今回も課題として挙げられました。
進歩している部分や自分自身で自信を持てている部分も出てきていますが、まだまだ総合的には足りていないということと真摯に向き合うようにしていきます。
具体的な話では、スライド作成やファイナンシャルモデリングについては一応自分の中では時間をかければ一定のクォリティが出せるとは思っているのですが、時間をかけることが出来ないシーンでクォリティが下がってしまっていることが問題の真因かと思っております。
引き続きスキルアップに励むと同時に、ワークプランをしっかりと立てて時間を捻出すること、そもそもの作業スピードを上げることにも注力してまいります。」
新卒入社
「レビューコメントでもご指摘頂きましたが、私は”何も出来ないことを自覚しているからこそ、がむしゃらに努力できる”ことが、これまで成長の源泉となってきていると思いますので、今後も謙虚な心、周囲への感謝を決して忘れず、愚直に努力して参りたいと思います。」
新卒入社
「今回のレビューで私は○回目になり、少しずつコメント内容は変わってはいるものの、入社以降一貫してDetail-orientedが要改善点になっている事実は深刻に受け止めなければならないと考えております。
主に”最終アウトプットの精度・クオリティを上げる余地があった。全体ストーリーや資料構成、プレゼンの流れを意識して、資料作成・仕上げをするべき”ということだと理解しております。これは明確に思い当たる節があり、○×案件で英語の150ページ以上にもなる最終報告資料を作成した際に、膨大な資料をまとめ上げることで精一杯でその後の最終報告でのプレゼンの流れまで気を配ることができなかった結果、プレゼンテーターである上司に最後チューニングして頂くことになったという経験があります。このケースでは、細部に拘る意識が低かったこともあるかと思いますが、それ以上に細部に拘るための精神的・時間的な余裕がなかったことが大きな要因となっているかと考えております。
この経験からも今回指摘頂いたコメントに対する改善の打ち手としては、そもそもワークプランニングの段階で余裕のあるスケジューリングを設計し、特に資料のアウトプット直前の最終確認・修正には、自身の想定の1.5-2倍の工数を投下できるように設計するようにしたいと思います。」
マネージャーもこのように振り返っています。
「特にジュニアとの接し方に関するコメントについては、本当にジュニアに対して敬意を払っているのか?ということを問われている気がしています。
ピグマリオン効果というものがあります。
とあるアメリカの心理学者が「将来学力が伸びる児童を予測するテスト」を小学校で実施し、テスト結果から「この子は伸びる」と判定された児童リストが小学校へ送られてきました。
約1年後に知能検査を実施すると、「この子は伸びる」と言われた児童は、実際に他の児童よりも良い成績とっていたそうです。しかし、この心理学者が行った「将来学力が伸びる児童を予測するテスト」は全く根拠のないもので、「この子は伸びる」と判定された児童リストは、ただ無作為に児童を選び出して作成されたものでした。
つまり、教師が「この子は伸びる」と大きな期待を持って接し続けていると、実際に能力が伸びることが実証された、ということです。
このように、他者に対する期待・願望が現実となることをピグマリオン効果と呼びます。自分が「こいつは絶対伸びるはずだ」と本気で信じていると、自然と相手への言葉遣いも変わってきます。
相手も「自分を信じてくれている」ことを実感しながら日々仕事に向き合うことで、実際に成長スピードが速くなるのだと思います。
つまり、ジュニアの可能性を信じるか否かで、ジュニアの行動や成果が変わる、ということかと思います。
ジュニアの成長にはジュニア自身の努力は当然ながら必要であるものの、マネジメントとジュニアとの関わり方も、ジュニアの成長を大きく左右することを肝に銘じて、プロジェクトに相対します。」
最後にCEOの石田もこのようにメッセージを残しています。
「○×前後のスコアだった人は、下期のパフォーマンスが非常に高かったということだと思いますし、昇進されたプロフェッショナルも多いです。YCPSの場合、ジュニア(AS/AN)、マネージャー(D/M)、リーダーシップ(MP/P)で、求められる能力が大きく変わります。昇進した結果としてスコアが大幅に下がるケースも少なくありません。下期のモメンタムを活かして、新しいチャレンジにも積極的に取り組んでいってください。
逆に○×前後のレートだった人。YCPSに入る前はそんな評価を目にしたこともなく、ショックを受ける人も多いかと思います。YCPSはほぼ全員が高学歴・高キャリア・高チベーションという極めて異質な(怪しい)集団です。平均スコアを獲得するのがどれだけ大変か、MP陣への評価を見ればお分かりいただけるかと思います。また、今のパートナーの中にも、ジュニアやマネージャーだった頃に○×前後のスコアがついた人がたくさんいます。(むしろ、そういった経験をしている人がほとんどかと。)だからこそ、あなたの課題には解決策があるし、それを経験しているシニアがたくさんいます。「Strive for Growth」の気持ちを強く持ち、貪欲に周りから手を差し伸べてもらってください。」
評価の納得感のなさは不満につながり、会社のロイヤリティやパフォーマンスを落とします。
一方的に上長から評価され、納得感のないままそれが大事なプロモートや賞与額に影響することがないよう、これからもYCPの大事な文化として継続していきたいと思っております!
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