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【イベント補足】エンジニアを見極める4つの要素と方程式

8/27にLAPRASさんとHERPさんの共催オンラインイベントでエンジニア採用のスキル見極めについてお話をさせていただく機会がありました。

『エンジニアを見極める4つの要素と方程式』というタイトルでお話したのですが時間が足りなく伝えきれてないところもあり、また資料も要点のみ書いているので、補足するnoteを残しておきます。

イベントでのプレゼン資料はこちらです。
このnote単独で読んでも分からない内容なのでプレゼン資料と照らし合わせながらお読みください。

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この発表の内容は新卒・中途採用、エンジニアかどうかは問いません。
「エンジニア」の定義についてはWebやAppなどのソフトウェア開発やITサービス開発に関わる職能を指しています。

ページ「エンジニア採用が難しい理由」

②選考における見極めの難しさ
例としてWebにおけるサーバーアーキテクトを出しましたが、職能的にはフロントエンドエンジニアなんかは時代の変化の波が大きいように思います。
過去はHTML、CSSが書ければ良かったのが、Javascriptのスキルを求められるようになり、HTML5や非同期などのリッチ化で動的技術を必要とされ、サーバーサイドでのコーディングも担当範囲になり、Javascriptを取り巻く技術も絶え間なく流行や変化があります。

ページ「エンジニアの見極めの本質とは」

イベントタイトルにもある「見極め」ですが、当然なんですが「見極める」というのは現実的には不可能で、一緒に仕事をしない限りは推測でしかありません。この点は十分に理解し謙虚に考えることは何より大事だと思います。

ページ「見極めの4つの要素」

スキル有無とスキルレベルについて、これは求人要件としている具体的な技術に応用可能な(横展開が比較的容易な)別の技術について考えるべきだと思います。
例えばScalaを採用しているチームの採用だとして、Scalaとの親和性を考慮してのJavaや、C#での関数型プログラミングでの開発経験など、具体的に応用が効きそうなスキルや経験をピックアップしておくと良さそうです。

ページ「見極め要素の重要度」

発揮力については、もしも経験の少なさが理由でまだ低いということであればそれは経験値が増える中で解決できる可能性はあります。個別にこれまでの経歴や経験からこれぐらいはあってほしいという水準を予め持っておくと良さそうです。
ちなみに技術が分からないとやってしまいがちなアンチパターンとしてあるのは、「専門用語や技術的なワードが頻出するのでスキルが高い(高そう)」と判断しがちなことかもしれません。
人は知らないことに関しては盲目的に信じてしまい勝ちなものなので、やはり発揮力が伴っているかは大事なポイントです。

もう一点、発表では選択肢として「トータルコスト」の良さを持つことをお話しましたが、ここで言う「コスト」は採用する人材に対する採用費や人件費ではなく、企業側の採用活動時間や費用を指しています。

ページ「選考フェーズと見極め要素の関係性」

カジュアル面談で分かる発揮力は正確にはコミュニケーション力のみだと思って割り切った方がよいです。面談実施までのメッセージのやり取りや面談内でのやり取りからコミュニケーションの傾向や性格・性質が推測できそうですね。
また、言うまでもないですが、カジュアル面談ですので事前承諾がない中での合否出しは避けるべきです。

ページ「見極めるためのコミュニケーション」

実際の採用ではCTOやEMの方々に面接官をお願いすることが多いと思いますが、”ここからお話する観点で面接結果を導き出したか”、”そう判断した質問はどうゆうものか”、面接後のフィードバックタイムで人事採用担当が壁打ち役になることが見極めの質を高めます。
※面接官は面接のプロではないので経験値からの主観で評価することが多くなりがちです。理由の言語化を促すことが重要です。

① スキル有無
例えばこの例だとRubyができる、と真に判断できるか深堀りしています。
主要バージョンの違い、言語特性(他言語との比較)、その言語の個人的な好きな点、(業務で利用した場合)フレームワークの知識など、主に知識の量を深ぼる形で確認できると仕事で使えるレベルにあるかどうか判断できそうです。

② スキルレベル
実は一番大事なことは”統一”基準を策定することではなく、求人別でいいので基準を明確にし言語化することです。組織のフェーズによっては統一基準を策定する必要は必ずしもないと思います。統一基準は採用に関わるステークホルダーが多くなってきた場合有効になりそうです。

③ ポテンシャル
ポテンシャルを測るのは非常に難しいです。
これまでの私の経験上、エンジニアでポテンシャルが高いタイプは仕事とプライベートの境界線なく学ぶことに貪欲な方です。つまり趣味のようにのめり込める集中力や依存力、オタク性と表現できるかもしれません。
仕事として必要最低限学ぶことはできる方でも業務遂行はできますが、比べると天井はやはり低くなってしまうのではないでしょうか。
とはいえ、自身が考える将来像とその学習タイプが噛み合っていればポテンシャルは高いと言えると思います。

④ 発揮力
ポイントはコンピテンシー面接を実践していくことです。具体を掘り下げて掘り下げてを繰り返すことで真のファクトが見えてきます。
これまでの要素の項でも実は同じですが、選考では表面的な言葉や印象を安易に”信じないこと”は見極めでは大切なことなのかもしれません。
もっと言えば、採用を決めたら徹底的に”信じること”(信じてサポートすること)が大切ですね。
またこの時代で重要なのがオンラインにおける発揮力があると思います。
オフラインでの仕事で活躍できていた人がオンラインでもそうとは限らなくなるかもしれません。(逆もしかり)


企業にとってエンジニア採用冬の時代と言っても過言ではないと思いますが、見極めの技術と同じく大事なのが採用部門との協力体制です。

それについてもまとめてますのでよろしければこちらもご参考にどうぞ。
ジンジニアが話す理想の人事とエンジニアの協力体制