現場"主導"採用ではなく現場"連携"採用を実現するために
これまで自分は意識せず「現場"主導"採用」というワードで中途採用の組織スタイルを表現していたように思います。
カミナシで中途採用を進める中で、「主導」という表現では誤解を招く場面がしばしば見られるようになりました。
組織が小さい時期では言葉の細部にこだわらなくても阿吽の呼吸で問題ないものが、組織が大きくなっていくと少しずつ歪が出てくるものだと思います。
実際のカミナシの採用活動では、採用現場(=採用部署)がイニシアチブを持つ「主導」ではなく、HRリクルーターが採用活動全体をプロデュース・ディレクションしつつ進める、採用現場との「連携」であると感じ、自分が使う言葉としては表現を変えています。
では「現場”連携”採用」とはなんなのでしょうか?
現場"主導"採用の落とし穴
採用現場(のHiring Manager(以下HM))とセントラルのHRが手を組んで採用活動を実施するやり方がベンチャー・スタートアップ界隈での一般的な採用スタイルかと思います。
ですが、現場"主導"スタイルを地でいってしまうと以下のような落とし穴がありませんか?
お互いの役割分担が曖昧になり続け、気がつくと採用の動きがなくなっている(関与が薄すぎることで推進役が不在になりやすい)
候補者さまやパートナー会社さまとのコミュニケーションの主導権が採用現場にあることで、スピーディーかつスムーズ、きめ細やかなコミュニケーションの実現が難しい(本業を持っている方々なのでそれはそう)
場合によっては採用現場側に転職市場トレンドの情報や採用における一般的な知識を持ち合わせていない可能性もある。その結果、レピュテーションリスクを生んでしまったり、意図せず法やルールを逸脱してしまうこともありえる。
上記までのようなBadケースが増えていくと、採用現場側からHRリクルーターの介在価値を感じづらく信頼関係を持った仕事ができづらくなる
それらのデメリットをなくしていくには、やはりHR組織がイニシアチブを持ち、採用活動をしっかりと推進し、介在価値を発揮する必要を感じます。
HMとリクルーターはタッグパートナー
現場"連携"採用を推進する上で最重要なのは、HRのリクルーターと、採用現場のHMのパートナーシップだと思います。
カミナシにおいては、会社の歴史が進むにつれ、HMを担う方も自然と増えていく中で「HMって何をする役割なのか?」「どこまで責務があるのか?」という統一した理解が難しくなっていきました。HMを担う方が採用の情報に明るい方であるとは限らないのでこれは自然なことと思います。
そこで、VPoHRの松岡の力を借り、リクルーターとHMの定義や分担を言語化しています。(私は自分の頭の中を口頭でアウトプットしただけでドキュメント化したのは松岡の成果です。感謝🙏🙏🙏)
とはいえ、これでは初めてHMを実施した方が何をすべきか分からない、想像の域を出ない抽象的な定義です。
ただ、これを定義することで、HMがなんでもかんでも"主導"する必要がある役割ではないことも明らかになりました。
リクルーターが、HM(とその配下メンバー)の採用実務の実行を支援・設計することがカミナシのタッグパートナースタイルです。
横に逸れますが、リモートワーク主体の非同期スタイルでの業務において言語化は全てのコアであることを実感します。
(※カミナシはフルリモートではなくハイブリットワークの組織です)
それぞれの提供価値を明らかにする
役割定義ができたことでその結果の提供価値を定義できるようになりました。
提供価値を定義することで、ゴール設定の認識のブレを最小にすることができそうです。
リクルーター、HMそれぞれ以下のように記しています。
リクルーター
HM
これらの提供価値を採用活動で発揮いただくことで、自身やチームの成果に繋がると信じています。
プロセス毎の分担を整理する
最後に、その提供価値を発揮する各採用活動プロセスにそれぞれがどう関わるのか、より具体的にしています。
ここまで言語化することで、何をするべきか、誰が決めるべきか、どこに相談すべきかも理解しやすくなったのではないでしょうか。
現場"連携"採用を実行する上で
現場連携採用を実行するには、優先度が最上位である本業がある事業部の皆様の理解と協力が不可欠であることが分かると思います。
カミナシにおいては、等級要件と目標設定・評価に採用貢献が明確にあることも手伝い、全社全員で採用に臨むことが元よりカルチャーとして根付いています。
採用活動(採用貢献)が常に業務優先度の第一集団にいること、を毎週の全社MTGでも口を酸っぱくして発信していたりします。
それでもこの現場連携採用を強度高く維持し続けるのは至難の業であると身を持って実感しています。
採用は凡事徹底の繰り返しであり、それに勝る良薬はありません。凡事徹底の繰り返しの結果、はじめて採用が組織カルチャーになるのではないでしょうか。
そのためにカミナシでは凡事徹底のための採用スタンスや、リクルーターの活動スタンスも言語化しています。
それについてもいつか具体を発信できればと思いますが、
現場"連携"採用に変化させるのに必要なのは、言語化・ドキュメント化による共通理解だと実感しています。
スタンスや最適な方法には共通解はありませんので、自社の特徴や強みを活かしつつどう”連携”するべきかの言語化から始めてみるのはどうでしょうか?
ここまで読んでいただいてありがとうございました!
どなたかの参考になれば嬉しいです。
HRメンバーも採用募集しています!ぜひ!!