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大泣きの火曜日。グリーンスクール日記16日目。

バリ島のグリーンスクールという学校に子どもを通わせたくて、赤ちゃん連れでバリに移住をした。


グリーンスクールとはどんな学校なのか?

英語の話せない小学1年生の息子にどんな変化が起きるのか?

赤ちゃん連れの母子移住はどんな生活なのか?


この冒険をいつか老後にゆっくり振り返れるよう、日記を綴ることにする。

でも、欲を言えば、いつか海外の学校にこどもを、と考えてるママさんパパさんの背中を少しでも押すものになれば、とも思っている。


これは、わたしのサスティナブルな仲間探しの冒険の始まりでもあるのだ。

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学校が始まって2週間目の月火曜日の朝。担任の先生に呼び止められた。

「リオはよく寝れてる?疲れてるみたいなんだけど。」

8時半に寝て6時半に起きる。日本と変わらない生活。そんな寝不足ではないはずだ。

先生によくよく聞いてみると、息子が午後、授業中にゴロンと横になってしまい、他の子が真似をして困ったそうだ。

「リオは慣れない英語での授業に相当疲れているはずだから、おうちでもケアしてあげてね。もう少し早く寝てもいいかも。もし学校で疲れが見えたら、他の生徒と分けて授業をしてもいい?」と聞かれた。もちろんOKだ。

「寝ないで。」「起きなさい。」「保健室に行きなさい。」で終わらないのがいい。

とはいえ、ちょっと想定外だった。「学校、楽しい?」と聞くと「楽しい!」と答える息子。しかも、日本で公立小学校に通っていた息子は、授業中に寝てはいけないことはわかっているはずだ。

慣れない英語での授業は、それでも横になってしまうほど疲れることなのか、そうか、と思いながら、私は息子に声をかけた。

「英語わからなくて、疲れちゃうことあるよね。そういうとき、横になっちゃうんじゃなくて、先生に疲れたって言いなね。周りに迷惑かけちゃうからね。」

今から思うと、この声がけは良くなかった。その日の放課後、さらに驚くことが起こったのだ。

グリーンスクールには放課後のクラブが30個ほどある。生徒だけではなく、先生も保護者も参加ができるのが特徴だ。パーマカルチャーやガムラン、カポエラ、サッカー、ロボティクスなど、内容は多岐に渡る。

学校が始まって程なく、息子と話し合って、彼の興味がある「エンジニアリング」と「絵画」と「サイエンス」に申し込んだ。

この日は2週目のエンジニアリングの日だった。でも、クラブの直前に、「行きたくない!」と息子は大泣きをしたのだ。初めてのことだった。日本では、ずっと辞めたいと思っていたサッカークラブでさえ、ずっと歯を食いしばって通った息子だった。

もう英語はやだ。放課後まで英語なんて絶対やだ。僕は日本語を勉強する!

息子は泣きながら私に訴えた。

わたしは留学経験がない。でも、もっと子どもの気持ちによりそっていたら想定できたはずだ。

朝から、誰一人として言葉が通じない環境に置かれ、わからない言葉で授業を受け続けることがいかにしんどいことか。ましてや、授業が終わってホッとしているときに、自分が本当は興味があるものを、わからない言語で習い、作らないといけない時間。

それは、きっと相当なストレスのはずだ。

朝、疲れて寝てしまうことは迷惑なんだ、と私は彼に伝えてしまったのだが、それは間違っていた。「あなたは十分頑張ってる。先生にもお母さんにももっと甘えていんだよ。」こう伝えるべきだった。

「楽しい!」と答えるその心の中で、密かに積もっていた悲鳴に気づいてあげれなくてごめん。焦らず、ゆっくり、楽しく行こう。一歩一歩。