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学校と家庭のチームで子育てをしたらなんだか全力で忙しい。グリーンスクール日記1ヶ月と1週間目

バリ島のグリーンスクールという学校に子どもを通わせたくて、赤ちゃん連れでバリに移住をした。

グリーンスクールとはどんな学校なのか?
英語の話せない小学1年生の息子にどんな変化が起きるのか?
赤ちゃん連れの母子移住はどんな生活なのか?

この冒険をいつか老後にゆっくり振り返れるよう、日記を綴ることにする。でも、欲を言えば、いつか海外でこどもを、と考えてるママさんパパさんの背中を少しでも押すものになれば、とも思っている。

これは、わたしのサスティナブルな仲間探しの冒険の始まりでもあるのだ。

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学校が始まって1ヶ月と1週目。今週は、担任の先生と面談をした。先週、副校長先生から呼び出しをくらった件だ。

副校長から呼び出されたいきさつは前の記事を参考にして欲しい。

英語を話せないことでミスコミュニケーションがおきている状況や、息子が先生の言うことを聞かずに自由に行動してしまう状況をうけて、担任の先生が対策を考えてくれていた。

対策は3つだ。
1.ルールを教える
2.リオ専用カード
3.砂糖を抜く

それぞれ詳しく説明する。でも、細かい内容に興味のない人はぜひ読み飛ばして欲しい。

対策1.ルールを教える
一番わたしがサボっていたのがこの1つ目だ。自由な環境にこそ、守らなくてはいけないルールがある。この認識こそが、自由な学校での遊びと学びの基盤になる。

先生が一番恐れているのは、息子が目の届かない場所に行ってしまって、事故や怪我をしてしまったり、他の子どもに悪い影響が出てしまうことだ。

小学校1年生の息子には、そのルールに自分で気付くのは難しい。なので、息子と話し合いながら、守るべき3つのルールを決めた。

●先生から逃げない
●一人で遊びに行かない
●急に寝ない

1つ目の「先生から逃げない」は、息子にとって一番難しいルールだと思う。

なぜなら、逃げている認識が息子にないからだ。逃げるという言葉の概念がまだちゃんと理解できていないのかもしれない。でも敢えて逃げる、という言葉を使った。それは、担任の先生が「run away」という言葉をたくさん使うからだ。

しつこく、担任の先生の言う「run away」をやめないと、あなたは危険な目にあうかもしれないんだよ。あなたは逃げたと思われているんだよ、と息子にひたすら伝えている。

どういう行動を取ったら逃げたと思われるのか、実際に息子の行動に当てはめて説明もしてみた。

親が呼んでも来ない。ニヤリと笑って離れていく。「ほら、今君は逃げてるんだよ」と教えると、息子は、そうか、という顔をする。やってはいけないことを行動レベルにおとしこんで、擦り合わせていく。

そして、「誰かに逃げられたらあなたならどう思う?」と息子に投げかける。

「友達や先生に逃げられたら、嫌な気持ちになる。嫌いになる。」と答えた息子は、やっと「わかった。逃げない。」と約束してくれた。

2つ目のルール、「一人で遊びに行かない」というのは、息子がなにをするべき時間なのかを万が一理解していなくても、他の子と行動していたら大丈夫だろう、と思って旦那くんが息子に提案したルールだ。息子にとってわかりやすかったのだろう、すぐにわかった!と理解をしてくれた。

3つ目は、寝ても良いと言われている今だからこそ、息子にわかって欲しいルールだ。学校は学ぶところであって寝るところではない。お父さんからもそう説明があって、息子はじゃあこれを3つ目のルールにする、と言い出した。


対策2.りお専用カード

先生は、息子の行動を理解するのに苦しんでいた。急に授業中にゴロンと横になってしまったり、急に全てを拒否しだしたり。

「リオは、クラスで一人英語のわからない状況なので、疲れてしまったり、一人で遊びたくなるのはしょうがないと思う。そういう時は、りおの気持ちを尊重して、クラスから離して別の場所を用意するから、事前に教えて欲しいの。今、そういうことをしてもいい時なのか、してはいけない時なのか、ちゃんと説明するから。」

そして、先生が作ってくれた息子用のカードがこれだ。

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先生が、息子が今どんな気持ちなのかを把握できるように。あと、息子が、今何をするべき時間なのかを把握できるように。カードは全部で3枚だ。

●リオタイム
今はちょっと授業がしんどいので、一人で遊びたいとき

●アイドンノー
先生や友達の言ってることを理解ができないとき

●スリーピー
とにかく眠たいとき

これらを先生に見せて、先生のジャッジを仰ぐことでコミュニケーションをとろう、というのが狙いだ。


対策3.スナックタイムのスナックは砂糖抜き
グリーンスクールには、午前中にスナックタイム
という45分間の休み時間がある。そのときに食べるのがスナックだ。

スナックタイムだし、と、ずっとポッキーやクッキーなどのお菓子を持たせていたわたしだが、担任の先生から、「興奮して、集中力が散漫になって眠くなるのは、砂糖の影響かもしれない。砂糖の使ってないフルーツやパンなどをスナックにするのはどうか?」とアドバイスがあった。

たしかに丁寧に周りを見渡せば、スナックタイムにとうもろこしやフルーツをかじる生徒は多い。息子の口にするものに対して、無責任過ぎたなぁ、アンテナが少なすぎたなぁ、と反省した。


この3つの対策を早速次の日からやっていくことにした。


で、実際、この3つの対策をやってみてどうか??

まず、1つ目の対策については、すぐに見事に穴が見つかる。


なんと、早速この週の金曜日にまた息子が先生から逃げて行方不明になる、という事件が起きた。

授業終わってすぐに、先生が止まるのを聞かず、友達二人と生徒だけで行ってはいけない池に行って、カエルを捕まえて遊んでいたらしい。

りおとその友達が見当たらない!と大騒ぎになり、校長や副校長までもが2人を探してくれたそうだ。

そう、そもそものルール「一人で遊びに行かない」が間違っていたのだ。息子は、だって友達いたもん、とひらきなおっている。

そこで、先生と息子と話し合って、ルールを変えた。「どこかに行きたいときは、まず先生に聞く。」そして改めて、先生のOKがないのに行くことも、逃げるということなんだと、息子に説明した。

対策2つ目のカードは、うまく運用されているようだ。息子は「僕、緑の紐が良かったなぁ。もう一個、予備を作ろうかなぁ。」なんて言いながら、毎日お守りのようにこのカードを首にかけている。


対策3つ目のスナックだが、息子はご機嫌にフルーツを食べてくれている。硬いリンゴをかじって、乳歯も抜けて一石二鳥だ。


さて、そんな今週も終わりに近づいて思ったのは、教育をチームでやるととても忙しいしエネルギーが必要、ということだ。

思えば、わたしは子どものことをチームでがっつりコミットしてこなかったんだと思う。保育園や幼稚園ではあまりマイナスのフィードバックはなかった。息子に今日は何したの?とさらりと聞いて、もらってくる連絡帳を微笑ましく読んで、今日も楽しく過ごせて良かったね、今日もありがとうね、と当たり障りのない声がけをしてきた。

今まで、仕事でたくさんPDCAは回してきた。PLAN、DO、CHECK、ACT。でも、そのどの仕事よりも、今、息子の学校生活のPDCAにエネルギーを使っている。

なぜなら、子どもは丸一日かけて、全力でDOをしてくれるならだ。なんなら、え!そんなことする?!という想定外のDOも多い。

息子の様子を事細かに包み隠さず先生から教えてもらって、なんでリオはこんなことをしたの?リオはなんて言っていた?あなたはリオになんて言ったの?と先生から質問攻めに合う。まったくウカウカしてられない。先生もわたしも、毎日全力でCHECKをしてPLANをしているのだ。

具体的には、放課後に、先生からフィードバックがある。そして、同時に息子から今日の様子を必死で聞きだす。そして、その内容が本当かどうかをまた先生に確認し、では今日は家でこういう声がけをしてみる、と報告。

この地味ながら、瞬発力とアイデア力を要する振り返りとチューニングの繰り返しこそ、あるべき学校と家庭の連携の姿なのではないだろうか。

わたしがいかに、学校任せの教育をしてきていたか。いかにサボってきたか。それがよくわかる。

もうすぐ放課後だ。さぁ、今日も全力のPDCAを先生と子どもとしようではないか。と、気合いを入れて今日も学校に向かう。