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脚本『私たちは反対側の道を歩む』

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#映画脚本

22.

○出張先の寮の外 (夜)
星がたくさん綺麗な田舎の夜空。
携帯を見ながらふてる一平。
一平「なんやあいつ」
一人、缶ビールを片手に、酔っ払ってフラフラしながら夜空に向かって叫ぶ。
一平「まだラブでおれよーーー」
-カメラは一平からだんだん上に上がっていき、星満面の夜空をうつす。

○一平/あやめの宅(昼)
チッチッチッチッチッチッぼっ🔥っとコンロに火の火おつけるあやめ。
-カメラは火に焦点を置い

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Act 2

○宿 (夜)
男ばっかりの部屋。
一平と出張先の仲間たちが飲んでる。
ベロベロに酔っ払ってる一平。
誰かに電話しだす一平。
一平📞「ニナ!来年まで待てん俺」
ニナ📞「酔っ払っとーと?」
一平📞「早く帰ってこい!」
ニナ📞「ハハハ!どーした?」
一平📞「いいけん、早く帰ってこんと許さんよ」
ニナ📞「はいはいはい。」(眠そうに)
一平📞「まだ寝たらいかんけん!」
ニナ📞「はいはい!もう

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19.

○ニナの部屋(夜)
キャンドルの光と、安室奈美恵の昔の曲がかかる部屋。日記を書いてるニナ。
LINEの着信音が鳴る。
一平からだ。
一平📧”まだ起きとーと?”
ニナ📧”起きとーよ”
一平📧”アメリカ生活はどおと?
ニナ📧”楽しいよ!まあー人生悩むけどね”
一平📧”日本が恋しっちゃない”
ニナ📧”てか、中学のときから知っとるけど遊んだこともないのに急に連絡してきてどーしたと?”
一平📧

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18.

○一平のアパート・玄関(朝)
あやめとまだ眠そうな杏が一平を見送ってる。
一平「いってきます」
あやめ/杏「いってらっしゃい」
一平、杏のおでこにキスして歩き出す。

○ビーチ(夕方)
家族連れ、子供たちがビーチで遊んでたり、地元のおじいちゃんおばあちゃんたちがたそがれてたり、恋人とのたちがいたり。
その中に1人ノートを開いて座っているニナ、ビーチにいる人たちを微笑ましそうに眺めている。

-カメ

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17.

○ニナの部屋(朝)
ニナ起きてカーテンを開け朝日を浴びる。携帯をみる暇もなく、バタバタとラーメン屋のバイトの用意して部屋を出るニナ。

○一平のアパート(夜)
リビングで杏と遊ぶ一平。
あやめ「ご飯できたよ」
妊婦のあやめがキッチンからテーブルにごはんを並べている。
杏と一平、一緒に手を洗いに行く。
美味しそうなご飯が並ぶ。
みんなテーブルにつく。
一平、杏、あやめ「いただきます」
幸せな家族の時

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16.

○工場のオフィス(昼)
一平がパソコンで仕事をしてる。そこに先輩がニタニタしながら入ってくる。
先輩「最近一平ばり気合い入っとーやん!なんかいいことあったと?」
一平「そーっすか!別に変わらんっすけどね」
先輩「出張!また横浜の工場の手伝い行ってほしい」
一平パソコンの仕事をささっと終わらせて。
一平「いいっすよ」
先輩「本当一平おって助かる」
一平「ありがとうございます」
先輩「あっ!出張明日か

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15.

○ニナの部屋 (夜)
ベッドでチルってるニナ。
携帯の着信音がなる。
日本に住んでる仲良しの友人のまこからLINEだ。
(LINEのやりとり📧)
まこ📧「元気ー?」
ニナ📧「元気よ!最近どーと?」
まこ📧「いい感じよ!てか来年の春結婚式することなったけど帰ってこれる?」
ニナ📧「おー!おめでとう!来れるよーにしとく」
まこ📧「ニナは最近どーと?」
ニナ📧「なんか最近ちょっとやる気が低

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14.

○ニナの部屋(夜)
-カメラはキャンドルを🕯アップで撮してだんだんさがっていって、ニナが勉強してるのが窓見える。
-カメラはニナに焦点をおく。
机に向かって、気が散りながら宿題をしてるニナ。
携帯が鳴る
ニナが画面を見ると一平からのフェイスブックメッセンジャーが着てる、”一平”から
一平(メッセージ📧)
「What’s up?」
ニナ(📧)
「いつ出てきたと?」
一平📧
「人聞きわりーね、

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12.

○車内 (夜)
サムが運転、キヨは助手席、会話のない2人でも気まづくない雰囲気。団地の前に着く。
キヨ「ここでいいよ」
サム「敬語覚えたがいいねお前、バイバイ」
団地へ帰るキヨ。ちゃんと部屋まで入っていくのを見守るサム。キヨがちゃんと家に入っていったのを見届けて、1人自分のアパートへ車を走らすサム。

(フラッシュバック)
○コンビニ (昼)
コンビニの前に立つ中学生の頃のサム。
コンビニの中では

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10.

○ コミュニティーカレッジ(昼)
リュックをしょって、手にはバインダーと教科書を持っているニナがキャンパスを歩いてる。
思い出したかのように携帯を取り出す。
誰かに電話をかけてる。真っ直ぐ留守電になる。携帯の電源を切って教室へ入っていく。

○車(昼)
学校を終えて車にそそくさと乗るニナ。
車の中で”ひまわり教室”とかかれた黄色いTシャツに着替える。
-携帯が鳴る
ニナ📞
(明るく)
「ハイ、ダ

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9.

○一平の実家・庭(昼)
杏(一平の一歳半の娘)が無邪気に走り回る。それを優しさそうな目で見守る一平。
典子(一平の母、日本人)、穏やかな顔をして静かに一平の横に座る。
典子「杏ちゃーん、おやつ食べよっか?」
杏がニコニコしながら一平と典子のとこに走ってくる。

○一平の実家・ダイニング(昼)
ダイニングには一平の歳の離れた、日本人の妹がソファーでくつろいでいる。
一平「杏、お手洗っておいで」
杏、

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8.

○ニナの部屋 (夜)
ニナ、机に向かい宿題をしてる。
-LINEの音
(通話中)
ニナ📞「もしもし」
きこ(ニナの母)📞「元気ね?なんしよったとね?」
ニナ📞「元気よ。宿題しよった」
きこ📞「そーね、早くカレッジ卒業してね。ちゃんと食べよるね?」
ニナ「わかったわかった。(めんどくさそうに)うん。ちゃんと食べよーよ!今日はラーメン屋やったけんまかないで麻婆豆腐食べたよ」
きこ📞「そーね。

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7.

○ラーメン屋 (夜)
地元の人に長く愛される、日本人、日系人のお客さんが多いお店。キッチンには1人の70代の日本人男性が大きな中華鍋を手慣れたように回している。そのまりでせかせか働く若いラテン系の男の子たち。
フロアではニナがせかせかとラーメンをテーブルへと運んでる。
-チリン!
お客さんが入ってくる。
ニナとお店の全部「いらっしゃいませー」
それぞれのテーブルでそれぞれの時間を楽しむお客さんたち

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5.

続き
ニナ「みんなそろったね、行こっか」
何人かの男の子たちが走り出す。
ニナ「走らんよー!ちゃんと右、左見てわたるよ」
ニナも早歩きで子供たちの後を追う。

○車内・道路 (昼)
子供たちとニナ全員白いバンへ乗り込む。
ニナが運転するバンが動き出す。
-カメラはバンを追いながらだんだん青い空へと上がっていく。

○工場(夕方)
仕事中の一平、バインダーを片手に、耳にペンをかけて、部下に指示を出し

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