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脚本『私たちは反対側の道を歩む』

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記事一覧

23.

○教室 (夜)
映画の脚本のクラス。イタリア人の先生が、ジェスチャー多めで情熱的に脚本の書き方を教えてる。ホワイトボードに”キャラクターがストーリーをつくる”と大きく書いてある。
ニナも生徒の中にいる。ノートをとっている。

○学校の外(夜)
リュックをからった、ニナが歩いて車へ向かう。車の鍵をあけて乗り込む。車が走り出す。
-カメラは走っていく車の後ろからだんだん上に上がって、ロサンゼルスの夜を

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22.

○出張先の寮の外 (夜)
星がたくさん綺麗な田舎の夜空。
携帯を見ながらふてる一平。
一平「なんやあいつ」
一人、缶ビールを片手に、酔っ払ってフラフラしながら夜空に向かって叫ぶ。
一平「まだラブでおれよーーー」
-カメラは一平からだんだん上に上がっていき、星満面の夜空をうつす。

○一平/あやめの宅(昼)
チッチッチッチッチッチッぼっ🔥っとコンロに火の火おつけるあやめ。
-カメラは火に焦点を置い

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ニナ📞「てかね、中学校んときニナ、一平のこと好きやったよ」

(13 年前)
○ 体育館・会場(昼)
太鼓、応援団の音が響き渡る、熱気のある会場。バスケットボールの試合が行われている。
コートでは中二のバスケットボールスーパースター、一平がボールを持ち巧みなドリブルで相手をかわしていき、シュートを決める。
ボールがネットに入ると同時に歓声がわく。
観客「レッツゴー!一平」

そんな一平の活躍を2

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Act 2

○宿 (夜)
男ばっかりの部屋。
一平と出張先の仲間たちが飲んでる。
ベロベロに酔っ払ってる一平。
誰かに電話しだす一平。
一平📞「ニナ!来年まで待てん俺」
ニナ📞「酔っ払っとーと?」
一平📞「早く帰ってこい!」
ニナ📞「ハハハ!どーした?」
一平📞「いいけん、早く帰ってこんと許さんよ」
ニナ📞「はいはいはい。」(眠そうに)
一平📞「まだ寝たらいかんけん!」
ニナ📞「はいはい!もう

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19.

○ニナの部屋(夜)
キャンドルの光と、安室奈美恵の昔の曲がかかる部屋。日記を書いてるニナ。
LINEの着信音が鳴る。
一平からだ。
一平📧”まだ起きとーと?”
ニナ📧”起きとーよ”
一平📧”アメリカ生活はどおと?
ニナ📧”楽しいよ!まあー人生悩むけどね”
一平📧”日本が恋しっちゃない”
ニナ📧”てか、中学のときから知っとるけど遊んだこともないのに急に連絡してきてどーしたと?”
一平📧

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18.

○一平のアパート・玄関(朝)
あやめとまだ眠そうな杏が一平を見送ってる。
一平「いってきます」
あやめ/杏「いってらっしゃい」
一平、杏のおでこにキスして歩き出す。

○ビーチ(夕方)
家族連れ、子供たちがビーチで遊んでたり、地元のおじいちゃんおばあちゃんたちがたそがれてたり、恋人とのたちがいたり。
その中に1人ノートを開いて座っているニナ、ビーチにいる人たちを微笑ましそうに眺めている。

-カメ

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17.

○ニナの部屋(朝)
ニナ起きてカーテンを開け朝日を浴びる。携帯をみる暇もなく、バタバタとラーメン屋のバイトの用意して部屋を出るニナ。

○一平のアパート(夜)
リビングで杏と遊ぶ一平。
あやめ「ご飯できたよ」
妊婦のあやめがキッチンからテーブルにごはんを並べている。
杏と一平、一緒に手を洗いに行く。
美味しそうなご飯が並ぶ。
みんなテーブルにつく。
一平、杏、あやめ「いただきます」
幸せな家族の時

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16.

○工場のオフィス(昼)
一平がパソコンで仕事をしてる。そこに先輩がニタニタしながら入ってくる。
先輩「最近一平ばり気合い入っとーやん!なんかいいことあったと?」
一平「そーっすか!別に変わらんっすけどね」
先輩「出張!また横浜の工場の手伝い行ってほしい」
一平パソコンの仕事をささっと終わらせて。
一平「いいっすよ」
先輩「本当一平おって助かる」
一平「ありがとうございます」
先輩「あっ!出張明日か

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15.

○ニナの部屋 (夜)
ベッドでチルってるニナ。
携帯の着信音がなる。
日本に住んでる仲良しの友人のまこからLINEだ。
(LINEのやりとり📧)
まこ📧「元気ー?」
ニナ📧「元気よ!最近どーと?」
まこ📧「いい感じよ!てか来年の春結婚式することなったけど帰ってこれる?」
ニナ📧「おー!おめでとう!来れるよーにしとく」
まこ📧「ニナは最近どーと?」
ニナ📧「なんか最近ちょっとやる気が低

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14.

○ニナの部屋(夜)
-カメラはキャンドルを🕯アップで撮してだんだんさがっていって、ニナが勉強してるのが窓見える。
-カメラはニナに焦点をおく。
机に向かって、気が散りながら宿題をしてるニナ。
携帯が鳴る
ニナが画面を見ると一平からのフェイスブックメッセンジャーが着てる、”一平”から
一平(メッセージ📧)
「What’s up?」
ニナ(📧)
「いつ出てきたと?」
一平📧
「人聞きわりーね、

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13.

○ 工場のオフィス(昼)
一平は仕事の休憩中。携帯を見ながら、嫁が作ってくれたお弁当を食べてる。
すると携帯の画面にフェイスブックから
“ニナさんに誕生日のメッセージを送信しよう”とのお知らせがうつる。
時計を見ると仕事に戻る時間、メッセージは送らないまま仕事へ戻っていく。

○車内・中学校の横の道(夕方)
一平が仕事を終え、家へと帰ってる。
タバコを吸いながら、窓を開ける。
通り過ぎた中学校の体

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12.

○車内 (夜)
サムが運転、キヨは助手席、会話のない2人でも気まづくない雰囲気。団地の前に着く。
キヨ「ここでいいよ」
サム「敬語覚えたがいいねお前、バイバイ」
団地へ帰るキヨ。ちゃんと部屋まで入っていくのを見守るサム。キヨがちゃんと家に入っていったのを見届けて、1人自分のアパートへ車を走らすサム。

(フラッシュバック)
○コンビニ (昼)
コンビニの前に立つ中学生の頃のサム。
コンビニの中では

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11

○ コンビニ(夜)
数人の小学生がキョロキョロしながらいかにも怪しい行動をとっている。
その中にいる他の子より頭一個分以上背の高い男の子がいる、キヨ(10)だ。キヨは見張りをしてるだけだ。その小学生たちの様子を警戒しながらレジ打ちをする店員。
-コンビニの前に一台の車が停まる、サムが降りてくる。
店内から子供たちがダッシュで出てきた、早すぎてもうどこにいるか見えない。
その後から店員に1人だけ捕ま

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10.

○ コミュニティーカレッジ(昼)
リュックをしょって、手にはバインダーと教科書を持っているニナがキャンパスを歩いてる。
思い出したかのように携帯を取り出す。
誰かに電話をかけてる。真っ直ぐ留守電になる。携帯の電源を切って教室へ入っていく。

○車(昼)
学校を終えて車にそそくさと乗るニナ。
車の中で”ひまわり教室”とかかれた黄色いTシャツに着替える。
-携帯が鳴る
ニナ📞
(明るく)
「ハイ、ダ

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