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人生最後の贅肉とコンプレックスを、取り除いていく

今月からウェイトトレーニング専門のジムに入会した。僕は筋トレが大嫌いだった。

僕が肥満体型が始まったのは小学校3年生。食事のときにコーラばかり飲むようになり、体重が増加。標準体型からコロコロ丸い「わんぱく相撲にでも出るの?」と銭湯で近所のおじさんにいわれるほどの体型になった。僕は「デブ」と言われるのが嫌だった。デブなんだけど、デブいじりをされるのが本当に嫌だった。デブと言ってきたクラスメートに喧嘩を売って殴って、先生によく怒られていた。

中学生になってコーラからウーロン茶ばかり飲むようになった。当時のウーロン茶は今と違ってメチャクチャ苦みが強かったけど、その苦みがクセになって好きだった。今でもキングオブウーロン茶はサントリーでなく伊藤園だと思う。

中学生だから体育の授業で身体は動かすし、成長期だったの身長はぐんぐんと伸びた。中学3年の身長は175センチ。見た目的にはデブではなかったけど、それでも僕を嫌いな奴が小学生の僕の見た目がずっと印象に残っているのか「デブ」と言ってくるやつは全力で嫌った。喧嘩したら負けそうだったので、喧嘩は売らなかった。一応、小心者なので。

高校に入ってから「デブ」と言ってくる奴はいなくなった。身長は180センチを超え、居酒屋ホールバイトとロックバンド活動でエネルギーを使っていたので、いくら食べても太らなかった。10代も20代もそうだけど、食べる量へのこだわりはすごかった。1個65円だった、マックのハンバーガーを5個単位で買って帰るのは当たり前。そんな時代だった。今の身長?184.5センチです。

フリーターしながらのバンドマン時代は、細身だった。体重は70キロ台前半。最も少ないときは68キロだった。上半身裸になればちょっとあばら骨も見える。いかにもロックなバンドマンの見た目。でも、特にダイエットはしてなかった。若さと消費エネルギーの多さが、いくら食べても太らない身体にしてくれた。

最も見た目が細いときでも、自分の身体にコンプレックスを持っていた。ポコッとお腹。姿勢が良くないのか、筋トレをしていないからなのか、腹周りとケツ回りがたるんでいた。

バイト先の先輩女性にケツをぷにぷにされて「お前、ケツたるんでるなー」と言われて、「豚みたいにコロコロしているあなたに言われたくないですよ」と言いかかったが、気の強い先輩だから間違いなくビンタされると思って、心にとどめた。そんな先輩なのに「恋の三角関係バイト先物語」で後輩女性バイトに勝利して、そのまま結婚した話を聞いたときはおったまげた。

僕もバイト先の医学生に惚れ、「たばこ吸っている人嫌い」の一言で当時のベストセラー本・禁煙セラピーを購入。たばこにまつわる様々な有害な事例やデータをせっせと読む。本に書かれた通り、2週間かけてじっくり読んでた。

「おわりに」に書かれていた「この1本が、あなたの最後のたばこです。ゆっくり味わって吸ってくださいね」に従い、セブンスターとお別れした。集めていたビンテージZippoともお別れした。Zippoのかっこいい火の付け方、まだきっと教えられるはず。その彼女とは結ばれなかったけど、たばこをやめられたのは人生の転換期。風の噂では「美浦の獣医」をしているらしい。わかる人にはわかる表現。

がしかし、たばこをやめてからご飯がさらに美味しくなり、暴食の日々に。当時はお酒は月に数日しか飲んでいなかった。飲み会は好きだったけど、人が飲んで酔っ払って行く様を見るのが見るのが楽しいひねくれ者のスピリッツ。今は、お酒が20年前と比べて美味しくなったんだよきっと。

結局、よしもとNSCに入ったことには80キロ近くになった。1年半くらいで10キロ増え、ぽっこりお腹もVer.2にアップデート。「年を取れば新陳代謝が下がって体重も増えるよな。しゃーない」と思って特に何もしなかった。というのは言い訳で、彼女がいたのでダイエットする必要がなかった。

放送作家になってしばらくった30代前半、「身体鍛えてどうするの?見た目良くして浮気でもするつもりですか?」と付き合って5年ほどの嫉妬深い彼女に言われ、「浮気をするつもりはないけど、ポコッとお腹が解消してもっと素敵な女性と付き合えればいいな」と思ってティップネスに通い始めた。

当時はYouTubeで筋トレチャンネルがほとんどなかった(はず)で、筋トレをしようにもやり方がわからない。レッグプレスなどやってはみたけど、本当に効いているのかよくわかんなくて、ジムに併設するお風呂とサウナに入り浸っていた。

入会したティップネスの最寄り駅が埼玉の自宅と現場で行くテレビ局の中間くらいの位置で、いちいちその駅に降りてジムに行くのがかったるくなった。で、退会した。「ほれみたことか。お金を無駄にして」と年上彼女が年上らしく僕に説教しているとき、彼女への愛はとっくになく、共依存状態だった。

さらに数年付き合い、別れた。この頃、もう一つのコンプレックスだったファッションが、ファッションブロガーのMBさんのSPA!連載によって解消されたのだ。当時の彼女の許可がないと服が買えない状態から脱却、足繁く通っているユニクロで、MBさん直伝オシャレコーディネートロジックをバンバン真似した。

それまでは穴の開いたショルダーバッグ、2シーズンは着ていた襟がくたくたのカージ色のポロシャツとカーゴパンツ。ダサファッションの鏡だった僕が「木村さん、だいぶオシャレになりましたね。何かあったんですか?」と現場のオシャレ後輩から褒められた。直後、新しい彼女ができた。かなりの年下。

見た目を変えると見える世界がこんなにも違うのか。ベストセラー本は「人は見た目が9割」ちゃんと読んでないけど、自分自身でそれを証明した。でも、ぽっこりお腹はまだ気になるまま。それを指摘する彼女ではなかったので甘えてそのままだった。

その彼女と別れてしばらくしてから、格闘技ジムに通い始めた。担当していた番組のコメンテーターさんが格闘技ジムのオーナーだったのがきっかけ。ボクシングやキックボクシング、総合格闘技コースなど様々あったので、せっかくだからやってみようと思った。

ここで腰を痛めた。椎間板ヘルニア持ちでブロック注射を受けて押さえていたけど、再発。あわせてぎっくり腰も出てしまい、2年ほど通ったジムから遠ざかった。20代は極端な立ち仕事、30代以降は極端な座り仕事なので、腰への負担が大きかった。爆弾とまではいかないが、駄菓子屋のかんしゃく玉くらいは腰に抱えている。

コロナ禍、毎日乗っていた体重計に「食べ過ぎているなぁ。怖いなぁ」とのらなくなる。自炊で炊いた米2合とおかず2人前、1食は翌日用に保存するつもりが、自炊の味付けは自分好みだからガンガン食べてしまう。殆ど人に会わない環境になっていたので、見た目に完全に甘えが出た。

「きむさん、太りましたね」。コロナ禍になって2ヶ月ほど、友人が主催するイベントに参加するため、久々の移動。イベント会場で友人と再会。久々に言われてしまった。僕の心をチクッと刺激する一言。デブコンプレックスを抱えてきた小学3年生から言われたくない言葉。イベント後、家に帰って計った体重は、恥ずかしくてかけない。言えるけど、書けない。

そこから始まったダイエット。選んだのはケトジェニック。糖質を徹底的に抑え、脂とタンパク質を取って体質を変えていくやり方。家にある調味料を殆ど捨てた。醤油、砂糖、サラダ油、ポン酢。代わりにオリーブオイルと沖縄の塩ぬちまーすを買った。

肉、卵、サバ缶。ダイエットの戦友。8ヶ月で20キロ落とした。30代前半の体重まで落とした。でも、この半年でいろいろあって、暴飲暴食が過ぎて、少しリバウンドした。

体重は落とせる。今年からインナーマッスル鍛えたくて始めたピラティスは、順調に成果が出ている。でもインナーマッスルだから、ポコッとお腹はポコッたまま35年近くの付き合い。

筋トレどうしよう。ピラティスの先生に相談した。「今ならインナーも鍛えられてるので、アウターの筋トレも効果的ですよ」。そうか。じゃあやろう。どこのジムにしよう、そもそも正しい筋トレがわからない。さすがにライザップは費用的にキツい。探した。福岡にあったウエイトトレーニング専門のジム。インストラクターも常駐して正しい器具の使い方も指導してくれる。え、これでエニタイムと費用ほぼ変わらないのは、神やん。

今月からウェイトトレーニング専門のジムに入会した。僕は筋トレが大嫌いだった。ポコッとお腹が嫌いだった。特典入会でジムは半年縛りの契約。それまでに、せめて筋トレが好きな自分になりたい。ファッション嫌いで服を選ぶのが苦痛だったけど、服選びが好きになった。

きのうも山笠を見て、仮眠を取ってジムに行った。トレーニング回数も記録している。ちょっとずつ積み上がっていくキログラム。小学3年生からへばりついている最後のコンプレックスを、自らの手で解消していく。

僕を知っている人なら、「え、そんなコンプレックス抱えてたの?気にする必要はないよ」と言ってくれるだろう。でもこれ、自分自身の心の問題。とりあえずやれるだけやってみて、体型が変わって見える世界を覗かないと納得ができない。

「面倒くせぇ」と思いながらジムに行く。自分を「よし!」と奮い立たせるけど、身体も心も変えるのは面倒くせぇ。インストラクターさんは「筋トレはハマると面白いですよ」と言っていたので、早く僕もそうなりたい。

ダウンタウンの松ちゃんが本格的に筋トレを始めたのは40代後半から。あそこまで、ムキムキになるつもりはないけど、プニプニした体型とはおさらばする。

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新年になって抱負や夢だけ語って、「あれ、新年の抱負って何だったっけ?忘れちゃったけど、まあいいや。(・ω<) テヘペロ」って、刺激のない生活に不満を持ちながらも行動しない人がきっとたくさんいるので、自分を生け贄にしたnoteを綴った。

さあ、下半期もきばっていきましょー。






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