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またいつか会いましょう〜札幌遠征に寄せて〜

私は今、飛行機に乗っている。


目的地は、北海道。
まさか1年後にまた来るとは思わなかった。

1年で人間は色々なことが変わっていく。
家族のこと、仕事のこと、友人のこと。
それでも推し(便宜上)という存在だけは変わらなかった。今回は旅行も兼ねて現場へ向かう。



行きの飛行機。生憎の天気。
雲間から見えた空は澄んでいた。
きれいだと思った。この景色を忘れたくない。

外を見ながら、涙が出た。
太陽が眩しすぎたからだ。高度が高すぎるせいだ。

飛行機は大体LCCを利用する。
飲み物も別にいらないし、静かに眠れて好きだ。

しかし、今回は違った。
「七咲様!七咲様いらっしゃいますか!?」
私の座席番号を目がけて来るCAさん。
完全睡眠モードから一気に覚醒した。
なんかやらかした……?
いや、でも、変なものは持っていない。
トランクは預けた。それだって検査にひっかかっていない。じゃあなんだ!?
「はい!!」
恐る恐る返事を、しようとした。
出来なかった。いつも通りに大きな声が出た。体育祭の声量。

「本日500円分のミールクーポンが出ておりますが、いかがいたしますか?」

はて?
頭にはたくさんのはてなマーク。
身に覚えがない。
「人違いじゃないですか?」
と聞こうか迷った。
然しながら、私をめがけてやってくるのだ。私しかいない。なので、ご相伴に預かることにした。

そんなこんなで1時間半はあっという間だ。
着陸態勢に入る。
室内の電気は消え、外もほんのり暗くなっている。寝てしまいたい。

でも、お茶を持ちながら寝ることは不可能。
我慢して曇天の外を眺めていた。

ふわっと浮いた。手に持った紅茶も。
私には世界一苦手な乗り物がある。タワーオブテラー。完全にそれだった。

それ以外はあまりにも快適な空の旅だった。機長、ありがとう。機長、操縦があまりにも上手い。ありがとう。



1日目
到着して、ご飯を食べたり、フラフラしたり、セコマを探したりした。
セコマのカツ丼は美味しい。葬送のフリーレンを見ながらモリモリ食べた。夕飯も食べたのに。
個人的におすすめはホットシェフのポテトとすじこおにぎり。



2日目
現場の前に観光へ。
藻岩山へ向かった。強風でロープウェイは止まっていた。とりあえずある程度まで登ってみた。結構激しい坂だった。すすきのへ戻る。ノルベサの観覧車に乗った。
去年は「乗るぞ!乗るぞ!乗るぞ!」と言って結局乗らなかった。上から見る札幌。さっきまで歩いていた場所。ジオラマみたい。少し不思議だ。少し遠くに見えた山。「藻岩山〜!俺だ〜!」と呼んでいた。これが外に聞こえてたら少し恥ずかしい。アニメ版波よ聞いてくれが好きなのだ。藻岩山は、ラジオ局がある設定だ。気持ちが溢れてしまった。

今回はsuage+チャレンジも成功した。本店で食べられたのは嬉しい。飾ってある中にBiSHとかゆるめるモ!とか本間選手がいた。さすがにこれは盛り上がった。suage+の辛口らしっかり辛くて美味しいですよね。次はラムにしようか。やっぱりベジタブルかな。

ここからが本番。
現場は終わるのがさみしかった。
本当にこのイベント今年で終わるの?何でも終わりってくるんだな。言いたいことを言えてよかった。まだもう少し推し(便宜上)のことが好きかもしれない。
ねえ、謝らないでほしい。あなたが一番最高だから。

夜中、観覧車にどうしてもまた乗りたくなった。一周だけ。ひんやりとした空気。静かな建物内。観覧車から見た街は光っていた。寂しさなんて少しもなかった。



3日目
歩いて駅まで向かう。
普通に迷った。倍の時間をかけて駅についた。でも、道庁や知らない景色が見られて新鮮だった。
歩いていると初雪に遭遇した。チラチラ降る。まんまるの雪を初めて見た。

私の頭について溶けなかった雪の画像を父にLINEすると「フケ?」と返ってきた。なんて奴だ。

空港について、お土産を買ったり、ゆったりしていたらあっという間に搭乗時間。帰り道の太陽はずっとずっと眩しかった。
旋回しながらの高度上昇。地味に気持ち悪くなっていた。普段は平気なのに。気を紛らわせようと紅茶を頼もうとしたら「七咲様ですか?」と声をかけられる。

帰り道もミールクーポンが出ていた。
今回はそれに助けられた。パンフレットを捲りながら、また来れるかなあと思い耽る。

推し(便宜上)の顔が好きすぎて、パンフレットや雑誌を読むのも一苦労する。
空の上、シートベルト着用、周りには知らない人。奇行を働けない状態だからこそ。この時しか読めない。

余談だが、クーポンはオプションに含まれているものだった。知らなかった。次もオプションをつけよう。


快適な空の旅を終え、家へ向かう。
帰るまでが遠征だ。
家についたら荷解きをして、届いているグッズを開封しよう。忙しい。私の遠征はまだ終わらない。


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