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遠征の朝

遠征先に向かう電車で書いている。


早起き。
明けそうで明けない空。
朝のツンと冴えた空気。
いつも全然来ないけど、もっと来ない電車。
空いてる車両。端だけ埋まる席。

全てが好きだ。愛おしいとさえ思う。
現場に行きたいのではなく、この瞬間を感じたいのかしれない。


日常が嫌いだ。 
朝、吐きそうになりながら乗る電車。
早く出てもサイレントにする遅延。
見合わない仕事。
頑張ってもどうにもならない。 

そんな日々を忘れられる朝。
この瞬間。
私の人生に足りない非日常。
すべてが詰まった一日。


こんなことばかりしているからと思う。
それでもやめられない。好きだから。
『それなら旅行でもいいじゃん』と言う人もいる。でも、何か違う。

好きを見に行く。それが伴っているから好きなのだ。旅行と過程は一緒。でも、何か違う。


好きも終わる時は来る。最後に後悔してもいい。何してたんだろうって思ってもいい。今『楽しかった。好きだな』と思えたらいい。大きな声で叫びたくなるほどの高揚感があればいい。

新幹線から見るいつもと違う外の景色。
もう少しで目的地に着く。
今日は楽しい日でありますように。








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