見出し画像

映画「キンキーブーツ」松竹ブロードウェイシネマ

3月5日から全国の映画館で上映が始まったミュージカル「キンキーブーツ」。松竹ブロードウェイシネマの企画です。

2013年のトニー賞6部門受賞、ブロードウェイ生まれのミュージカルですが今作は2018年に上演されたロンドン・ウエストエンド公演を収録したものだそう。

原作は、実話をもとにしたイギリス映画(2005年)なんですね。

初めて知りました。

日本版「キンキーブーツ」は三浦春馬さんと小池徹平さん主演で2016年と2019年に上演されています。三浦さんが亡くなった時に映像も繰り返し流れたから海外ミュージカルとしては作品の知名度が特別高くなったんじゃないかな。

私は数年前、ロンドン旅行の時に上演中の看板を見て入ろうかどうしようかと迷ったんだけど私の英語力ではまったくの初見は無理そうだなと思って断念した記憶が。

日本版上演は東京大阪のみだったので結局機会がなく、今回の字幕版でようやくしっかり見ることができました。

結果、すごく良かった!!

コロナの影響も色々ある昨今ですがミュージカルや演劇、ショーが好きな方、絶対にハッピーエンドで盛り上がれるから観に行ってほしい!

私が観に行った日、Tジョイ博多では夜1回のみの上映でしたが、客席は予想に反して半分くらい埋まっていました。

公式サイトを見ると東京では満席続出で劇場も追加されてるし、上映期間そのものも延長されてるスマッシュヒットらしいです。

さて内容について。
物語の舞台はイギリスの田舎町。

靴工場の跡継ぎを期待されたものの重圧に耐えきれず、婚約者とロンドンに引っ越してきたチャーリー。

しかし、父の急死で故郷に戻った彼を待っていたのは、品質は良くても値段が高い売れ残りの紳士靴の山。

会社がつぶれるのは時間の問題かと悩むチャーリーですが偶然ドラァグクイーンのローラと出会い「女装する男性のための特別なブーツ」を作ろうと思い立ちます。

ローラにデザインを頼み、ミラノ見本市での起死回生をはかりますが従業員のトラブルに婚約者とのすれちがい、しまいにはローラとも喧嘩してしまい。

さて無事にミラノ見本市に行けるのか・・・というストーリー。

こういうサクセス映画の定番展開でビックリするようなどんでん返しがあるわけではないし、多様性が重視される昨今らしくちょっぴり説教臭い面もありますがとにかくショー場面の楽しさ、歌とダンスのレベルの高さでもう大満足。

女装した男性たち、エンジェルズとローラが歌い踊るショーのシーンはきわどい衣装をものともせず、男性のダンサーさん達が細くて高いピンヒールで踊ってバック転まで見せてくれます。

足が長くて細くて、また綺麗なんだこれが☆

性別や女装、恋愛に関する辛辣なジョークも満載だし、観客もノリがいいので(キラキラする特別製ブーツが出来た時は一緒にヒューヒュー騒ぐとかね)キャストも観客も、皆楽しそう。

チャーリーにひそかに恋をする従業員ローレンには、

「いつも恋に傷ついてきた。第1章片思い、第2章浮気、第3章不安にさせる男・・」

みたいな自虐的だけど演技力と歌唱力勝負のすごく面白い曲があるので、日本版のローレン役・ソニンさんはぜひ見てみたかったなあ。

また、チャーリーとローラがそれぞれ父親との関係で苦悩した経験があり「父の期待通りの息子じゃない自分」を歌うシーンは、観客の共感を呼び、しっとりと深みを与えてくれてます。

それにしても2組の家族が出てくるのに「父と息子」に徹底フォーカス、母親の存在がほとんど皆無なのが潔いというかなんというか(笑)。

ローラという繊細で難しい役を演じた三浦春馬さんのことを思うとしんみりしてしまうけど、ミュージカル向きの題材で歌とダンスのパワーを心から楽しめる作品だと思います。

私が行った日は夜1回の上映でしたが、12日以降は昼1回になるようです。

海外版を大スクリーンで楽しめる機会は貴重なので、この機会にぜひ(^^♪

【主要キャスト】

ローラ :マット・ヘンリー 
チャーリー :キリアン・ドネリー 
ローレン :ナタリー・マックイーン 
ドン :ショーン・ニーダム 
ニコラ :コーデリア・ファーンワース 
ジョージ: アントニー・リード 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?