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わたし、東京に恋してます

わたしは東京が好きだ。

初めてこの街を訪れたのはやっと物心がついた頃。

記憶にあるのは青緑がかったビル群と海。

高いビルの窓には青空が反射され、海の上には高速道路や線路が通る。

まるで海と空と建物が一体化しているようで、未来の世界に来たみたいだった。

その時は川崎の母の友人を訪ねたため、私が見たのは品川とか天王洲アイルとかその辺りだったのかなと思う。

周りには山と田んぼしかない栃木の田舎に住んでいたわたしは、東京のその光景にときめいた。目に焼き付けて忘れたくなかった。

中学生になると年に1~2回くらいのペースで東京に来る機会があった。

東京にいる親戚を訪ねながら、母は社会勉強として原宿や渋谷など、私と姉の行きたい場所へ連れて行ってくれた。

わたしはその時持っていたものの中から一番お気に入りの服を着て、とびきりおしゃれをして出かけた。

竹下通り、ラフォーレ、渋谷109…。雑誌やテレビで見て憧れていた場所。

人の多さに圧倒されつつも、その場所を歩いていることが、ただただ誇らしかった。

そこで買った服は、今後友達と遊ぶ時に必ず着ていこう。

「それ可愛いね!どこで買ったの?」

「渋谷のマルキューで買ったんだよ」

すました顔でそんな会話をする妄想をしていた。

店員さんはみんなモデルさんみたいに細い脚でカツカツヒールをならしながら、愛想よく話しかけてくれた。

目の周りを黒く囲み、明るい髪の毛を毛先まで綺麗に巻いたギャルたちは、可愛くも少し怖かった。

今思うとわたしは全然あの場所に馴染めていなかったと思う。

暗くなり、父の運転する車で栃木へ帰る。

首都高から見える東京の夜景。

言葉にできないくらい胸がいっぱいになる。

あぁ、もうこれは恋かもしれない。

絶対にまた来る、この街に住む。

これといった将来の夢がなかったわたし。

「高校を卒業して東京に住む」ことが唯一の夢だった。

夢は叶った。

わたしは大学入学と共に晴れて上京し、東京へ来て7年目となった。

授業終わりに表参道でパンケーキを食べたり、アフ6でディズニーへ行ったり、晴海でバーベキューをしたり、恵比寿のビアガーデンでアルバイトをしたり…。

そんな大学生活を謳歌した後、今は丸の内周辺のwebメディアの会社に勤務している。(ギリギリ丸の内OLとは呼べない…)

悔しいことや辛いことがあったら、ぼーっと東京駅の夜景を見る。

その時のわたしはまるでドラマの主人公になった気分で、そんな自分に酔いしれている部分もある。

東京はそんな場所。

わたしは東京に恋している。

そんなわたしの東京ライフと頭の中を、このブログでは綴っていこうと思う。

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