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小学生サッカー|大切なのはチームの勝利より全員が平等に試合に出ることでは?

小学2年生の次男が所属するサッカーチームは、地域の公式戦に出場した。
2年生で唯一の公式戦は、GW前半(4月末)の2日にわたって開催された。

この2日間では、チームスタッフを中心とした大人たちのエゴによって子供たちが悲しい目にあう、という惨劇を目の当たりにした。

勝ちを優先することで、子供たちの試合出場時間に大きな差が出ていることだ。
2日で全6試合の計120分フル出場した子5,6人(内2人は1年生)。うちの子はフィールドプレイヤーとしては12分の出場。同じような子が数人。中には試合に出られない子もいた。

▼大会形式
参加12チーム。7人制。1試合20分(前後半10分ハーフ)
1日目:3つのリーグに分かれての総当たり(計3試合)
2日目:リーグ戦の結果によるトーナメント戦(負けても順位決定戦あり。計3試合)
※トーナメント戦で上位へ行くと、数ヶ月後の大会出場権を獲得できる。

1日目
2試合連続敗退したチームは、3試合目で相手がかなり格下だったので前半で勝敗がついかせいか、後半10分間に控えの子たちを総出場させる。
2日目
トーナメント初戦の勝利が上にあがる絶対条件だったが、引き分けたことで次の大会出場権を逃したチーム。その後2試合は順位決定戦ではあるが消化試合みたいなもの。
しかし以後もスタメンを変えることはなく、控えで出場した子は3試合目(最終試合)の後半10分間に1名のみ

うちの子は2日目の2試合が終わった後「試合に出たい」と私に言った。
私は初日から憤っていたので「次の試合も出られなかったらチームを辞めよう」と、子供の前にもかかわらず興奮していた。
その父に戸惑った息子は1人で苦手なリフティングの練習を始めた。
この半年でサッカーが大好きになって色々前向きになったし、スキルもパワーも急成長してきたが、理由はわからないが試合に出られないし、父ちゃんは怒っている。きっと僕が頑張ってないからだ。とリフティングの練習をずっと続けている。
そんな息子を見て可哀想で涙が出てきた。

他には、まだまだサッカーがうまくなく怖がりな子が、初日3試合目に値千金のゴールをした。ものすごく喜んでいた。いつもはママしか来ないがこの日はパパも応援にきていたので両親も大喜び。だから本人もご両親も2日目を楽しみに来たに違いない。でもその日は1秒も出場することはなかった。

スタメンの中でもディフェンスをやらされている子は、「僕は後ろをやるスキルしかないんだ。攻撃側にいても苦手なんだよ」と言っている。それはコーチのエゴでそこばっかりやらされて、そのスキルだけが伸びたわけだし、そう思うようになってしまった。

スタメンの中でも上手い子は練習中も試合中も親から「それはダメだ」「何でこうしない」「それは意味がない」「どこどこのスペースへ行け」と星一徹みたいな扱きをうけ、試合終わるごとに親の元へ行って教えを乞うというロボットみたいな状態。

この子たちはサッカーで飯を食っているのか?
または、プロサッカー選手を輩出しなきゃいけないのか?

極端な表現をすると
「スタメンじゃないお前たち。お前たちが好きなサッカーを俺はやらせない!2年生で唯一の公式戦だが、来年も出られる1年生2人をスタメンに入れる。なぜならチームが勝つことが絶対だからだ。サッカーとはスポーツとは勝利至上主義だからだ!」
「スタメンのお前たち。俺のいうポジションでプレーしろ。好き勝手するな。勝つためにはこうするんだ!なぜならサッカーとはスポーツとは勝利至上主義だからだ!」
という教育である。
(これはチームだけでなく、大会運営側にも責任がある問題)

親の薦めでチームに入って、同じ時間練習して、同じ金額の会費払って、チームメイトと友達になって、テレビでもサッカーを見るようになって、久保建英の名前も憶えて、練習試合で無我夢中に走ったり蹴ったりして、サッカーが少しずつ楽しくなってきた子供たち。
公式戦?いつもの試合との違いがわからないけど、なぜか試合に出られない。でも円陣組んで「ぜったい勝つぞー」と叫ばされてる。
コーチは"ベンチから応援しよう"とか言ってる。
「???????」

試合に出られない子供には
『スキルが足りないから』『運動量が足りないから』『気持ちが足りないから』『だから、普段がんばって練習しよう!』
と激励するありさま。じゃあお前はその子につきっきりでダントツ巧くしてくれるのか?

そもそもプロサッカー選手にするつもりでサッカーを始めさせてない。
序列をつくって、上に上がるハートを身につけさせるためにサッカーをやらせていないし、子供のうちに序列で態度を変えるような子になるようなマネしないでほしい。

サッカーは創造性もあって、戦略もあって、チームプレイもあって、個人技もあって、全てが楽しくて、プレイしている間はずっと笑顔でいられるし、サッカー観戦を友人や家族とすることも盛り上がる。
サッカーに限らず、スポーツって人生をめちゃくちゃ豊かにしてくれるんだ。
それを子供たちにも体験してもらいたいと思っている。
サッカーが好きになったら自らサッカーへの向き合い方が形成され、それぞれの楽しみ方やプロになるなど自分で選んで自分でどう取り組むか考えればいい。ダメだったら別のことをやればいい、サッカーでの経験が次のことにも生きればなおいい。
大人は子供たちの自主性を育むことを前提にうまくサポートすればいい。

しかし私が目の当たりにした2日間は、
サッカーは勝ってなんぼ。勝つためなら不幸な子が出てもいい。
試合に出る子は、控えにいるのは君たちより下手だから、上から目線でいい。
試合に出られない子は、上の子を見習って努力しろ。家でゲームしてないで自主練しろ。
みんな、おれたち大人の言うことをしっかり聞いて言う通りにやれ。
そうだ!立派な指示待ち人間になるんだぞ!!

これから何十年も生きる子供たちに、
小中学生の公式戦での勝ち負けが将来にどれだけの影響を及ぼすんだろう?それよりも大事なことを失ったような気がする2日間だった。

大人のエゴを子供にぶつけていないか?
立派な大人になってほしいなら、健全に育ってほしいなら、前向きに生きてほしいなら、勝つことよりも大事なことがあるはず。


ちなみに次男は、
5/5こどもの日に、通っているリバプールのサッカースクールが開催したGWイベントに参加。1チーム5人の計8チーム総当たりリーグ戦で、本人は中心選手の1人として活躍し、チームは6勝1敗で見事に優勝!
大好きなリバプールがデザインされた優勝メダルをもらってご満悦。良かった良かった。
ちなみに参加メンバーは全試合出場です。その日は人数がちょうどだったので全試合全時間出場ですが、以前、参加人数が多かった時は均等に交代させて同じ時間プレイさせてました。
詳細は次回。

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