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むずかるムスカリ

6歳の息子はスーパーに行くたびに鉢物の花を欲しがる。ハボタン、プリムラ、シクラメン…The 園芸種なラインナップは、いまいち私の好みに合わず、「あ、苺が安いよ!?」などと店内に誘導してはぐらかしてきた。しかし昨日という昨日は、何を思ったかどうしても欲しいらしい。798円のヒヤシンス3個入りの鉢の前で動かない。

ヒヤシンスは、私も大好きな花だ。水栽培も楽しいし、もちろん鉢でも構わない。ただ昨年咲き終わりかけたヒヤシンスの鉢を100円で買って、その球根を今年はもう庭に植えてある。うちにはすでにヒヤシンスがいるのである。何人いたっていいじゃない(擬人化したいくらいには好き)とは思うけれど、昨年の値段がちらついて踏み切れない。花屋さんなら、もう少し安く売っているかも、と思い、息子に「別のお店で買わない?」と提案してみる。

しぶしぶ了承した息子と、近くの花屋さんへ。770円。ちょっと安い。
でも、息子の視線は別の鉢に注がれている。
ムスカリ。
青くてつぶつぶした、小さな花。
黄味がかった葉の間から、すでに小さな花のつぼみが顔を出している。いいじゃない!良いチョイス!それならお母さんもほしいわと、ホクホク買って帰る。

乾燥に強いが日当たりを好み、表土が乾いたらたっぷり水をあげてよいそうだ。キッチンの窓辺に置いてみると、空気がふっと春めいた。
たまには息子の駄々につきあうのもいいかもしれない。


1週間後、あっという間につぼみがほころんだ

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