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三年ぶりの春祭りがやってきた!!

 南あわじ市の春は祭りとともにやってくる。
春祭りは淡路島の人にとって、春の訪れそのものなのです。太鼓の音が夜風に乗って聞こえてくるこの季節になると、朝起きた時から祭りへの期待で気持ちがワクワク、そわそわと高揚して来る。

 この南あわじ市の南部を中心とした地域では「淡路人形浄瑠璃」を起源に持つ「だんじり唄」という唄を神社で奉納する風習があります。
春祭りが近づくと、各地区の公会堂から、「だんじり唄」が風の方向によって大きく小さく聞こえてくると、そうなのです血が騒ぐのです。

 昼間は何も聞こえてくるはずもないのに、太鼓のリズムが聞こえてきて、勝手に体が動いてくるような錯覚を覚えます。大人も子供も、高齢者もが気持ちを昂ぶらせます。祭りまでの約2ケ月は、楽しみを膨らませながら待ちわびるのです。
 布団檀尻と言われる赤い布にくるまれた四角い布団が5段積まれている。
その下に水引という幕がぐるりと四方を囲っています。この水引幕には、豪華な刺繍が施されています。浄瑠璃の名場面や歴史上の有名な見せ場の一場面を切り取った豪華絢爛な刺繍!その幕を張り巡らせた中には、4人の小学生が4方向に座り大太鼓を打ち鳴らす。「ドンデンドン」のリズムで太鼓を打ちます。そのリズムに合わせてだんじりが進んで行きます。

阿万亀岡八幡宮から御旅所の浜宮までの道中

そのリズムに合わせて、祭りの当日朝から「伊勢音頭をモチーフに道中唄」を歌いながら「だんじり」を神社まで引いて行きます。そして、神社で祭りの神事などを行います。その後、神社から御旅所と言われている所まで「だんじり」を多勢の引手で引いて行きます。この、お旅が始まると若い女性や土地の祭り好きの方々が自分の地域の「だんじり」の後ろをぞろぞろと歩いて御旅所まで行列をします。

 その頃までに、朝早くからご馳走作りにおおわらわだった主婦たちも行列が通る通りに出て見物をします。隣近所の女性たちがワイワイガヤガヤと、井戸端会議のように自分たちの地域の「だんじり」自慢などを声高に話します。どこそこの子供が、太鼓打ちで乗っている等の情報も飛び交います。昔と違って、男の子だけに限っていた太鼓打ちも最近は女の子が乗っている地区もあるとうるさいくらいの大声!!「だんじり」がお旅で通ってくるまで楽しくおしゃべりです。
 この時間が、主婦たちにとって春祭りという行事の中で唯一の癒し時間なのです。さあ、いよいよ「だんじり」のお通りです。「道中唄」を引手の人たちが声も力強く進んできました。

知人からの写真です。 浜宮で勢ぞろいする各地区のだんじり
知人からの写真です。 浜宮から帰ってきた各地区のだんじり
知人からの写真です。これが布団だんじりです。水引の刺繍が見事です。

 ここ近年の私は、祭りの騒音を心地よく聞きながらゆっくりとコーヒータイムを味わいます。子供の世話もなく、お客様のためにご馳走を用意する等という雑用に煩わされることもなく自由に過ごすことが出来る。
本当に、人生を楽しむ余裕が出来てきたことが素直に嬉しいです。
これからは、毎年このように祭りであれ、日常生活であれ、優雅に楽しく過ごしていけたらいいのですが・・・。


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