朝の憂鬱







雲はいくらか不安げで、その重たい頭を垂れていた。
草や木も大人しく、絵みたいに静かだった。
あぁ、まだ微睡んでいるんだね。
緑の館で眠ってる。
あたりには静寂が満ち、河のせせらぎだけが言葉を交わしている。
一匹の妖精が、泉のほとりにやってきて、角笛をひと吹きしたら、
小鳥や小鹿、ほかの生き物たちもいっせいに集まってきて、
妙なる音楽を奏で始めた。                                                             by 宮島春
               
                                                


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