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実は、、、


こんなパンダを被ってますが、実は私、新潟の小学校で教員をしています。
あ、このパンダはあとで出てくる大学の講義の時の様子。

多分、この記事が1番最初に書いておくべきだったんだろうけど、3本目?くらいでやっと身分を明かしていくスタイル。

というのも、今後イベントの告知をするときに、一体お前は誰なのかと思う方に向けて、先打ちの自己紹介をしておいた方がよいだろうと思い、綴っています。


生まれも新潟、育ちも新潟、大学では上京し、その後新潟にUターン。生粋の?新潟県民。

よくある普通の家庭で育ち、ちょっと特殊な環境ゆえに、自己肯定感、自己効力感マシマシで育ちました。

夢はでっかく、理想と野望をおっきく語る。上げまくったハードルを超えていくのが、ライフスタイルでした。

そんなこんなで、自己肯定感はさらに爆上がり。
なんとまあ、めんどくさいメンタルで育ちました。


とはいえ、自己肯定感高男もずっとは続かず、大学受験でやらかし、行きたくもなかった東京の私大へ進学。

偏差値では測れないと噂の?悪名高い?大学へ。

と、渋々進学したものの、おっきな転機がたくさんあって、今の自分を形成しているほとんどが大学。と言うと、少し過言かもしれないけど笑



大学では寮に入りました。めちゃめちゃ緩い寮。だって、ルールは「紳士たれ」だけ。なんだ紳士って。とはいえ、2人部屋の自炊寮。結構ハードル高かった。

掃除はあるし、勉強の時間もあるし、週に一回は寮の集会もある。割と忙しい。

でも、寮で過ごす中で、必然的に多くの人と話す機会があり、打ち解けていくと夢や野望を語り始め、一生涯の友情を築けた。これは過言ではない。

このときに、対話を通して、それぞれの価値観を深めるすごさに気づいた。「対話しようぜ!」とグイグイくる先輩はあんまり好きではなかったけど、でも話してみるとめっちゃ面白い。いい奴多い。

対話を通して、その相手を知り、思いを知る。そいつの行動原理がなんなのか理解することで、一つ一つの行動を尊重することができる。めっちゃ好循環。

寮ってめっちゃいいやん!っていうのが本当は1年しかいられない寮に、3年間しがみついていた人間の感想。しまいには、俺たちの寮を世界一の寮にってめっちゃ言ってたな笑

と寮で対話の素地を身につけ、よさを実感。


ところ変わって、学生の本分、勉強面。

もともと教員志望ではあったため、教育学部に進学。いざ入ってみると、めんどくさい座学が多いし、種類も多すぎる。その上、テストがありえないほどあって、正直しんどかった。教職を辞めなかった俺、偉い。きっと過言。

勝手に語学にも力を入れて勉強してたこともあって、学部の授業との両立は結構厳しかった。

その中でも、心惹かれる授業はいくつかあり、それがのちのゼミの先生にもなる教授の授業。初等教育原理。

毎時間、教科書と課題文が出る。それを読んだ上で、グループで集まり、1枚の紙にポスターっぽくまとめたジャーナルをつくる。

すげーめんどくさい。ジャーナルを全員でつくるわけにもいかないから、グループで話し合ってなんとなくの方向性を決めたら、あとは担当1人がジャーナルにまとめる。超大変。

しかも、つくったジャーナルを授業中に発表することはなく、提出。その授業のうちにPDF化され、返却される。

ただ授業がまじでおもしろい。いまだに覚えているのが2つ。教育とお金の話、そしていじめの話。

教育とお金の話は、昨今話題になっているインクルーシブ教育について。メリットデメリットが様々議論されているため書かないが、お金という観点から見たときに、コスパがいいのはインクルーシブ教育という話。

通常学級の子どもたちは30人前後を1人の教員が受け持つ。特別支援学級では多くても10人弱の子どもを1人の教員が担当する。同じ教師を雇うと考えると、1人に払う給料で世話できる子どもが多いのは通常学級。つまり、インクルーシブ教育と銘打って、特別支援学級の子どもたちをどうにか混ぜてしまえば、教員が1人減る。つまり、コスパがいい、

一概にそれだけが、インクルーシブ教育の良し悪しを決めるわけではないのはもちろんだが、当時の自分には激震。まさに脳が震えた。と、同時に日本の教育制度への不信感はめっちゃ募った。

いじめの話は、いじめは結局逃げるしかないってこと。いじめた側が100%悪いのは事実で、いじめられた側にはなんの非もないんだけど、いじめは、ごめんなさいでは解決しない。結局、物理的に距離を置くのがいいって話。もちろん起こさせない体制づくりは大事だが、ずっと子どもを見張るのなんて無理。担任として、その子の幸せを願うなら、申し訳ないが転校するってのが割と必要かもねってこと。

これまた激震。だって、教育について教える、いわば専門家が、いじめは逃げるしかないって言うんだよ。ビビったよね。そんなん当たり前だけど、いじめって難しいんだなって思ったよね。

なんてこともあり、レポートもテストもえぐかったけど、なんとか前期後期とこの授業を修了。うちの大学は3年生からゼミだったけど、この時点で2年後、この先生のもとで学びたいと思った。


そして、2年後。
もう一度この先生のもとでの学びがスタート。

最初の面談で、「留学はどこ行くの?」から始まったゼミ。もはやいくことは決定していて、あとはどこいくかだけの意志選択を迫られた笑

こんなロケットスタート?あっていいのだろうか笑

とはいえ、じゃあ留学しようかなって、その面談から2ヶ月ちょっとで留学を決めてくる私も、たぶん相当ちょろい笑

留学も含むと3年間その先生のもとで学んだ。
毎回のゼミが本当に学びの連続。何回怒られたかも分からないけど、間違いなくあの人からしか学べない学びをした。

特に今に繋がっていることは「子どものための哲学(P4C: Philosophy for Children)」を学んだこと。

子どものための哲学とは、アメリカで生まれた教育運動の一つで、子どもに推論方法や議論のスキルを教えることを通して、ひいては、民主主義社会を実現することを目的としている。

もっと具体的にいうと、子どもがその時間で話し合いたい問いを考え、その後、その問いへの応答を思い思いにしていく。

その時間では、「読む書く」ではなく、「聞く話す」の活動を行う。子どもには話す権利もあれば沈黙する権利もある。共通することは、その時間は自分なりの方法で、その問いに向き合うこと。

ちょっと難しそうに聞こえるけど、やってみるとすごく楽しい。問いだって、「愛ってなんだろう?」とか「生きるってどういうこと?」とかでいい。

学校教育という枠の中で失った自由で柔軟な発想を取り戻すために、大人だってできる。

思ったことを思ったままに。本や何かで得た知識ではなく、自分の言葉で表現する。

他の人の話を聞いて、さらに問いを深め、頭の中がぐちゃぐちゃになっていく。「こういう場合は?」「え、さっきと矛盾してない?」「てことは、結局どういうこと!?」と終わる頃には、もっと分からなくなっていく。

オープンエンドどころか、迷宮エンド。白黒つけないどころか、疑問ばっかにして終わる。今の学校教育にはない新しいもの。

そんな子どものための哲学を学び、別に書かないけどデンマークにも留学し、地元に戻って、教員に。

そして今、子どものための哲学が現場で生きている気がする。


教壇に立って3年目。これまでの子どもたちにも少しだけ子どものための哲学を実践してきたけど、今年はがっつり道徳で実践。

教科書の題材を予習として読ませ、話し合いたいことを事前アンケートで提出。その後、授業内でもう一度教科書を読み、どんなことについて話し合いか全体で問いを決め、時間までひたすら話し合い、最後に振り返る。

これまでのテーマは、
「友情とは何か」
「せいいっぱい生きるとは?」
「色が決まっていないのはカメレオンだけ?」
「どうして昔の人は病気だけで差別やひどいことができるのか」
「人が人を苦手になるのはどんなとき?」
「大人と子どもは分かり合えるのか」
「みとめられるってどういうこと?」
「しょうがいってなんだろう」
「人の態度や気持ちはいつ変わるのか」

羅列してみると、いろんなことについて話し合ってきたなーと改めて実感。

この子どものための哲学を通して、普段は話さない子が自分の考えを伝えたり、授業内での発言はないけれど、振り返りの中で誰よりも深く考える子がいたり。本当に面白い。

しかも、何がいいって、このあと彼らの行動に多かれ少なかれ変容が現れる。「そういえば、この前の道徳でこんな話だったから、、、」とか「それはこの間話したじゃん!だめだよ!」とか。

別に何をしろって言ってるわけでもないのに、やっぱり自分たちで深めて、納得してるからこそ、行動に変化が生まれる。これもまた面白い。

子どもたちと話し合う中で、自分も気付かされることがたくさんあるし、一人一人の意外な側面も発見できる。

子どものための哲学めっちゃいい。



そんでもって、ここからはこれからの話。

子どものための哲学。もっとざっくりいうと「哲学対話」という手法。子どもでも楽しいし、大人でも実はできる。そして、大人の方が難しい。

だけど、この哲学対話をすることで、その人のことをよく知り、尊重することができる。


私は、哲学対話を通して、すべての人たちが互いを尊重し、それぞれの幸せを応援し合える社会をつくりたい。

そのために、今は哲学対話の実践の積み重ねをしつつ、哲学対話ができる場所やイベントを虎視眈々と狙っている笑

長くなりましたが、実は、、、私、小学校教員なんです。そして、哲学対話を通して、社会を幸せにしたいんです。

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