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私の趣味を語りたい:800m編

社内交流活性化(?)の一環として、社内向けサイトに趣味を語るコーナーがあり、担当者の方とプロジェクトをご一緒したご縁で寄稿する機会をいただいた。「あ、これはもう800mについて書かねば!」と思い、僭越ながら800mの魅力を語る記事を書いたので(どっちかというと800mや駅伝の話をよくしていたので、声をかけてもらった感じだけど)、一部アップデートした上でnoteにも投稿することにする。1年以上前に投稿した800mのnoteを読み返したら思った以上にライトだったので、わりとしっかり目に書いたものを投稿しない手はない笑

さて、これ以降の本文では文体が変わるが、3500字以上ある文章の文末を修正するのは大変&頑張って直しても漏れが出そうだったので、原文そのままにしている。
また、寄稿した文章は「あまり陸上競技を観たことがない人向け」に「ライトなファン」が書いたものである。経験者の方が読んだら「?」と思う部分もあるかもしれないが、目をつむっていただければ幸いだ。

1. 初めに

私のTwitterアカウントをご存知ない/初めて私のnoteを読んでくださった方もいらっしゃるかもしれないので前提を書いておくと、私は陸上競技を観るのが好きです。先日まで開催されていた東京オリンピックの際には、テレビ/Web配信で観戦したのはもちろん、「もしかすると様々な競技が並行して行われているオリンピックでは陸上競技はあまり視聴されないかもしれない……」という一陸上ファンとしての謎の危惧のもと、連日「ライトなファン的注目競技」としてnoteを書いたり、社内のコミュニケーションツールで「個人的注目種目」をお知らせしてきました(連日リアクションをくれた弊社メンバーは本当に優しい……)。

一言で「陸上競技」といっても、

・「花形」といって過言ではない100mや4×100mリレー(メディアでは4×100mリレーに注目が集まることが多いですが、4×400mリレーも激アツで本当に面白い!)
・田中希実選手がオリンピックで8位入賞したことも記憶に新しい、欧米で人気のある1500m
・市民ランナーが多く、もしかすると大人になってからは一番身近かもしれないマラソン
・生身の体で人間ってそんなに跳べるの……?と毎回驚きを覚えてしまう跳躍種目(戸邉さんのフォーム、本当に大好き……)
・2日間で走って跳んで投げてを一人でこなす、まさにキング/クイーン・オブ・アスリートな混成種目(十種競技、七種競技)

などいろいろあります。その中でも今回は、私が常々「こんなに面白いのに見ないなんて、というかそもそもテレビでやらないなんてもったいない……」と思っている800mの魅力を語らせていただきます!

2. 800mとは?

「800m」とだけ書いてきましたが、正式には「800m競走」といいます。陸上部に所属されていた方以外にも、学生時代に体育祭などで走ったことのある方もいらっしゃるかもしれませんね(私も小学生のとき郡市陸上大会に強制参加させられて走ったことがあります。観るのは大好きだけど、あまりにもきついのでもう2度と走らない……笑)。

競技ルール

出典:日本陸上競技連盟公式サイト 陸上競技ガイド ルール解説
(このルール説明は陸上未経験者にも分かりやすくまとめられているので、気になる種目があったらぜひ見てみてください!)

※Wikipedia「800メートル競走」より引用
陸上トラックを2周する。スタート直後はセパレートゾーンを走り[1]、1周目第2コーナーを抜けるとオープンレーンになる。

近年では世界のトップレベルが100m当たり13秒を切るなどスピード化の傾向が著しい。その様な短距離走に近いスピードで疾走する上、オープンレーン区間に入ってからのポジション争いや駆け引きなどが激しく、接触・転倒などのアクシデントも多いため、「陸上の格闘技」という異名があり、欧州などでは注目度と人気が高い。競技会や関係者の間では800m(800メートル)や800と略される場合がほとんどである。

実は私が考える800mの魅力は上述のWikipediaの概要にわりと詰まっているので、ここから先はそれがどう面白いのか、私なりの考えを書いてみます。

日本で「800m」というと、短距離と長距離の2つの大国に挟まれ、ちょっとマイナーな印象があるかもしれませんが、個人的には「陸上ってあんまり観たことないな~~~」という方でも楽しみやすい種目だとかなり真剣に思っています。

3. ライトなファン的800mの魅力(ライト編)

ここまで知ったようなことを書いてきてしまいましたが、私は一切陸上競技経験がありません。小学生のとき陸上大会に出たのは学校行事の一環でしたし、「観る」と「読む(※)」が高じて2年前にハーフマラソンを2回走ったことがあるくらいです。
※作家の角田光代さん、村上春樹さんが走ることについて書かれた文章を読んで、「私も走れるかな……」と触発されました笑

正真正銘観る専門のため技術的なことはまったく詳しくないのですが、800mって観るには本当に絶妙な距離だと思います。ライトなファンがどのように800mを観て楽しんでいるのか、その魅力と合わせてお伝えできれば嬉しいです。

①競技時間が短いけど短すぎない
800mの競技時間(つまりタイムですね)は男子のトップ選手だと1分50秒弱、女子でも2分10秒ほどと短いけど、短すぎない。
これはあくまで私の問題ですが、100mだとあまりにも速すぎて、誰が誰なのか把握できないうちに終わってしまうんです……。2分あれば落ち着いて選手を把握できるので、選手をよりじっくり観たい!という方には大変おすすめです。長距離ほど長くないので、あまり陸上に馴染みのない方でも観やすいのではないでしょうか(ちなみに私は駅伝から長距離→中距離→……と陸上が好きになっていったタイプで、記録会に足を運んでは「足音がいい……」とか「足の回転が揃っているのが最高……」とか言いながら10000mのレースを何組も観ています笑)。

※今年の日本選手権決勝(1:50~)

② 順位が見た通りでライトなファンにもやさしい
800mは1周目の第2コーナーを抜けるとオープンレーンになります。早々に順位が見た通りになるので展開が掴みやすいです。
経験者からすると200mや400mの順位も「見た通り」だと思いますが、スタート位置がずれているので、コツを掴むまではホームストレートに突入するまで順位が分かりにくいです(私はいまだに分かりません笑)。その点、スタートから100mちょっとで合流してくれる800mはライトなファンにやさしい設計だなと思います(誤解のないように書いておくと、200mも400mも好きです。カーブ走や最後まで振り絞ってる感が大好きです)。

③ レース展開から目を離せない
2周しかないので、一時もレースから目を離す隙がありません。ちょっと目を離したときに誰かが仕掛けていたり、「陸上の格闘技らしく」というのもなんですが、接触や転倒などで大きく順位が変わったりします。
レース展開はその組にどのような選手(瞬発力があるのか、持久力に優れているのか、バランス型なのか)が集まっているかによっても変わりますが、あくまでライトなファンとして私は特にこのあたりに注目して観ています。

a. オープンレーンになってからのポジション争い
ブレイクラインを越えてから全選手がインコースに入ってきます。この時点ではほとんど差がつかないので、ポジション争いは必然的に激しくなります。第3コーナーと第4コーナーの間くらいまでは接触、転倒が多い印象です。
※レース前にテレビ画面に表示される選手のPB、SBを見て有力選手の見当をつけて、その選手がどの位置につけているのか把握しておくと、「次の1周でどう走るのか……?」とさらにわくわくできるかもしれません。

b. 鐘が鳴った後に誰が出るか(あるいは出ないか)
2周しかないですが、800mも先頭が400mを通過するとラスト1周を知らせる鐘が鳴ります。早いとここで仕掛けて前に出る選手が出てきます。ただ、ここで前に出てもあと400m弱あるので、まあ長いですよね。好きな選手がここで前に出るとハラハラします笑

c. 2周目のバックストレートから第3コーナーにかけて誰が仕掛けるか
このタイミングでスパートする選手が出てくるレースが多いような気がします。要注目!

d. 最後の直線のスパート
頭抜けた選手が最後のホームストレートで悠々と逆転してゴールすることもありますし、瞬発力のある選手が多い組だとスパート合戦になることもあります。早めにスパートをかけた選手がいたら最後まで粘れるかも見どころです。

このように観ていると目が離せるタイミングがない、本当に忙しい種目だなあと思います……。

④ 圧倒的スピード感
トップ選手は100m12~13秒台で走り続けるので、観れば観るほど意味が分からなくなってきます。自転車に乗るより速い。

この動画は室内なのでより顕著ですが、いかにすさまじいスピードで走っているのか感じていただけるのではないでしょうか。

⑤ 絶対目の前を2回通ってくれる
現地観戦する場合の話ですが、競技場のどこで観ていても、絶対に目の前を2回通ってくれる。現地観戦したい派には非常に魅力的なポイントです!!笑

本当はフォームが云々とかもいろいろ書きたいのですが、なかなか伝わりにくいと思うので「ライト編」としてはこのくらいで。「深みにはまった編」は気が向いたら書きます(いつになることやら……)。

4. ちょっとした下心と宣伝

ここまで読んでくださった皆さま、本当にありがとうございます!

オリンピックが終わってしまったので、次にテレビ放送があるであろう大きな大会は来年7月の世界陸上だと思います(日本選手権の800mはYouTubeでの配信はあっても、おそらくテレビ放送がない……)。そのころに「そういえば800mについてごりごり書いてた記事があったな……」とちらっとでも思い出して、「観てみるかあ」と思ってくださる方がいたらそれ以上に嬉しいことはありません。

ちなみに、東京オリンピックで陸上競技の日本新記録が4種目から出ましたが、この種目でも今年の7/17に環太平洋大の源裕貴選手が日本タイ記録を叩き出しています。今年の4月から毎月1秒ずつタイムを縮めている選手で、その驚異的な伸び率が陸上界隈を騒がせました。彼の他にも調子を上げて前半シーズンにいいタイムを出している選手もいるので、800mの日本記録更新も近い日にあるかも……? ぜひご注目ください!

※日本タイ記録が出たレース(ホクレンディスタンス千歳大会)

5. おまけ:東京オリンピックの800m決勝

男子(2:11:00~):1周目はゆっくりめ。2周目のスピードアップに注目! 
女子(2:30:00~):オリンピックの決勝でこの展開で勝つのは最高に格好いいですね……。

「どうせならオリンピック前にやれよ」って内容すぎる笑 まあでも、オリンピック前はオリンピック前で30days song challenge noteを書いていたので余力がなかったのだ(完全なる言い訳笑)。30days song challengeもまだ何日分か残っているから書かないと……。

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