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子どもが欲しいと思った事がない。

幼い頃から子どもが欲しいとか子どもを産みたいと思った事がない。
そう思える程の相手に出逢った事がないからだと考えた事もあった。
人に言われることもあった。

それなりに学生時代も大人になってからも恋愛はしてきた。
どちらかというと多い方だと思う。
彼氏がいないと嫌だと思い、今思えばかなり適当にお付き合いをしていた事もあった。
これは反省点でもある。
でも、そういうお年頃を経験した事がある人も多いのでは…と思ったりもする。

私は自分に自信がない
これは病気になる前も後も変わらない。
いや、病気になってからはもっとなくなった。

だから自分の事を好きだと言ってくれる相手を拒否する事は殆どなかった。
だってこの先そんな事を言ってくれる人は現れないかもしれないといつも思っていたからだ。

でも、意外と現れてくれたりもするという事は
今だから分かるのだが
若かった頃はそんな事全然分からなかった。
そして、それが相手に失礼かもしれないという事も知らなかった。

もちろん、お付き合いをしている時はその人の事を好きになろうと思っている。
だが、それで好きになれたと思える記憶はあまりない…。
結果、好きになった気でいた事が多かったと思う。

その頃はお断りをする事より受け入れる方が
相手にとって失礼ではないと信じ込んでいた。
せっかくこんな私の事を好きだと言ってくれるのだから
私も好きになる努力をするべきだと。それで無理ならサヨナラするしかないと。
そんな考え方をしていた。
若さゆえなのか…それとも私が浅はか過ぎたのか。
でも、それは歳を重ね色々と経験してきたから分かる事であって欲しい。

子どもを欲しいと思った事がない最初の理由は
やはり出産は大変だからだ。
そもそも命がけだ。
それに経験はなくとも、もの凄く痛いことは知識としてみんな持っているだろう。
私は昔から痛い事が本当に嫌だった。
そんな思いまでして欲しいとは思わない。
しかも女性だけ大変なのだから。
そんな子どもみたいな理由だ。
私自身が子どもだったから親になるなんて考えられなかったのだと思う。

それは今も変わっていない。
今は私自身が子どもだと自分で分かっているつもりだ。
歳を重ねても中身が幼いと感じる事が多い。

年齢的に子どもを産めるリミットは女性として生まれたら必ずやってくる。
リミットが近づいてもやはり子どもが欲しいとは思えない自分がいる。

昔は痛いから嫌だなんて理由だったが
今はそんな事よりもこの世に生まれる事が幸せだとは思えないからだと最近気づいた。

病気になってよく考えた事がある。
どうして私は生まれてきてしまったのだろうと。
私はこの世に生まれる事を望んだのだろうか。

生まれる前の記憶は持っていないが
生きる事を私は選んだのだろうか
そんな事を一人でぼんやり考えるうちに
しまいには何故両親は私をこの世に産み落としたのだろうとまで思い
勝手に恨んでしまっていた事もあった。

私が幸せだと、いい人生だと、生まれて良かったと思えていないからだろう。
正直、生きることは大変だし辛い事ばかりだ。
それなのにこの世に私の判断で一人の人間の人生を始めさせるなんて、恐ろしくて出来ない。

生まれるという事は否応なく人生を歩まなければならない。

そこに拒否権はなく、年老いて死に至るまでの道をただひたすら進むのだ。

その道がどんなものか全く分からないのに…。

もし、私と同じような心の病気になったら?
いや、それ以上にもっと大きな病気になったら?

心と体が健康だったとしても
大人になる前に必ず迎える学生時代
誰かにいじめられたら?
学校に行きたくなくなってしまったら?

ある日突然、事故に遭うかもしれない。
体が不自由になるかもしれない。
生きていたくないと思うほど辛い事があるかもしれない。
大人になる事さえ出来ずに亡くなってしまうかもしれない。

何のために生まれてきたの?
そんな風に考えさせてしまうかもしれない。

そして、同時に責任の重さに自分が耐えられないと思う。
それは親になる覚悟とでも言うべきか。

生まれて成人するまでは親の責任だ。
約20年近くそれは発生する。

傷つく事を恐れていたがその逆もある。
傷つける者がいるから傷つく者がいる訳で
被害者になる事ばかりを恐れていても
加害者になってしまう可能性もある。
そんなのどう責任をとっていいのか分からない。

自分の子が誰かをいじめていたら。
もし自殺にまで追い込んでしまったら。
新聞に載るような事件を起こしてしまったら。
シリアルキラーを育ててしまったら。

償いたくても償えない。
そうなったら責任も現実も受け止めきれなくなってしまうだろう。

仮に何もなく元気に育ってくれたとしても
人生には辛い事はつきもので
それは避けて通ることは出来ない。

果たしてそんな事態を私は乗り越えられるのか。
無理だろう。

最悪な事ばかり考えているのかもしれない。
でもその可能性はゼロではない。
そう思うと怖いと思ってしまう。

だから兄達に子どもが生まれても
これからの人生大変なのになぁなんて
会った事もない、生まれて間もない血の繋がりのある子に
そんな風に思ってしまうのだ。
冷めているというのか、冷たいというのか…。

結局、最初に書いたように
そこまで思える相手に出逢っていないだけかもしれない。
でも、これから先の人生で又恋をするのだろうかというくらい
もう何年もそういう事からは離れてしまっている。
出来ればいいなと思う反面、駆け引きやら何やら面倒だと思ってしまっている自分もいる。

お母さんになっている友達に会うと
凄いなぁと思うことばかりだ。
友達は親の顔になっている。
その分、私より精神が成熟していると感じさせられる。

最初から親になれるわけじゃない。
だんだんと親になっていくのよ。

そんな風に言われた事がある。
それなら私も親になっていけるのかもしれないが
今、自分の事で手一杯だから
普通に考えて無理だろう。

精神はもう少し年齢に相応しいくらい成熟したいとは思う。
それは違う方法でなるしかないようだ。

ここまでこんなに子ども持たない理由を綴ってきたのに
子どもを持っている人達を羨ましいと思う。
きっと、生まれてきて幸せだと感じた事があるのだと思うし
私と真逆で、少なくとも少しは人生の良い面を経験しているのだろう。

少子化の問題は申し訳ないがそういう方達に任せよう。
いつか、生まれてきて良かったと思える事が
一度でもあってくれたなら
私はそれだけで満足だ。

仮にサポートを頂けましたら大変貴重ですので大事に宝箱にしまいます。そして宝箱を見て自分頑張ってるねと褒めてあげます(〃ω〃) ♪