改訂【エッセイ】想像を絶するバカの話(800)
私の本名は「菊地」である。宛名は「菊池」とよく間違えられる。それにまつわる話。
前々職の会社はスーパースペースブラック企業。マジで質の低い人間しかいなかった。
わけのわからない専門学校を出た想像を絶するバカな娘が入社してきたのである。
そいつは私が出会った頭の悪い人(芸人のひろゆき風)の中でも空前絶後(サンシャイン池崎風)のバカだった。
誤解なきように私のバカの定義を説明しておこう。私の言うバカとは知識が少ないことやIQが低いことではない。
自分だけが正しいと思う人間がバカである。
そいつがどれくらいバカか?
私が日報の記名欄に「菊地」と記入した時である。それを見てバカはなんて言ったでしょうか??
正解は•••
「キクチさん、字間違ってます。キクチのチは「地」じゃなくて「池」です」
とほざきやがったのである。
まず、冷静になって考えてみよう。字を覚えたての小学一年生が自分の名前の字を間違えるならわかる。私はその頃すでに齢三十を過ぎていた。自分の名前を間違えるわけがない。
「俺のキクチは菊地やねん。菊池じゃない。名前を書く本人が間違うわけないやろ。(ド低脳が←心の声)」
それまでキクチのチを『池』と何度も間違えられてきたからそういう間違いをされるのは慣れていたが、まさか自分の記名した字を間違いだと指摘されるとは思わなかった。我が耳を疑った。はて?この娘はいったいどんな生き方をしてきたのだろう?と本気で心配した。
それでもバカは引き下がらない。
「キクチは菊池しかないんやけどなー」
こいつはどうしようもないバカだと思った。もうつける薬もなかった。クレイジーだ。
私はこれまでに数々のバカを見てきたがコイツはぶっちぎりで超越したバカだった。今頃のたれ死んでいなければいいのだが。
数ヶ月も保たずに辞めた。あんな会社即辞めたのは賢かった。ということは私よりはだいぶ賢い。もちろん、別の意味で。
私のジブリ作品で一番好きなものは「もののけ姫」だ。中でも最後のシーンで鼻の赤い高下駄のオッサン・ジコ坊が吐き捨てるセリフが大好きだ。
「バカには勝てん」
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