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①倉橋惣三が書いた「幼稚園雑草」とは何か?

A. 幼児教育における倉橋惣三の心持ちを記した本。

以下、引用☟

1.前半生の思想と心もちの表れとしての「幼稚園雑草」

倉橋惣三の処女出版となる「幼稚園雑草」は、大正15年に、妻トクの実家である内田老鶴画から出版されました。この「幼稚園雑草」には、明治44年から大正15年まで、倉橋が28歳から43歳の16年間に、「婦人と子ども」(後の「幼児の教育」)に掲載した文章が集められています。・・・また、「その時々の心持ちの伴うものを採って、一般的な知識的なものを捨てることにした。」と本書の性格にもふれ、さらに後書き『「幼稚園雑草」の後に』の中でも、「幼児教育の理論的著述や、実際的著述も、いつかは書かねばならぬ義務があると思っている。しかし、此の書ほど、幼児教育に関する私の心持ちのあらわれたものは、更めて筆を執っても、おそらく書けまい。」と記しています。「幼稚園雑草」は、倉橋の前半生の思想、そして幼児教育や子どもに寄せる心持ちを知る上で格好の本であると言えます。

幼稚園雑草(下)p200~201

幼稚園雑草を買ったのは、2014年の大学2年生の時だったように思います。教育学部で行われた幼稚園関係の講義で倉橋惣三のことを知って、「日本の幼児教育の祖」、「日本のフレーベル」って言われてる彼への理解をもう少し深めたいなと思いました。それで、書店に行ってたまたま見つけたのがこの「幼稚園雑草」。それ以来、ずっと自分にとってのバイブル的存在として、何度も何度も読み返しています。

初めて幼稚園雑草を読み終えた時は、「この人、俺が思ってることそのまんま書いてるわ!笑」って思ったほど、物凄く共感しました!日本の幼児教育の祖とまで呼ばれる人の思考に近い考え方をしていることが分かって嬉しかったですし、自分の教育的センスや子ども達への感性というのは間違ってないのかもと自信を持つことができました。その自信があったからこそ、ドイツでの1年間の実習にて素敵な評価を頂けたのかなと思います。

倉橋惣三の本で言うと「育ての心」が有名みたいで、多くの(幼児)教育関係者が読んでると思いますが、僕は一度も読んでないですね。まぁ、多くの人が読んでる本を読むっていうのはなんか嫌ですし(センスオブワンダーと同じ感じ。笑 「花男」の方が自分の性に合ってる!)、幼稚園雑草の事を知っている人達が周りに全くいなかったのでそれでいいかなと。そもそも論、倉橋惣三の教育哲学に興味があったので、偶然ですが「此の書ほど、幼児教育に関する私の心持ちのあらわれたものは、更めて筆を執っても、おそらく書けまい。」と彼が書くほど、彼の教育哲学が詰まった本を読んだので満足してますね。

やっぱり、魅力という点では、教育理論よりも”教育哲学”に魅かれますよね。理論なんて誰が言っても同じ内容にしかならないけど、教育哲学はその人その人によって内容が千差万別で、どんどん違いが生まれてきますからね。それを読み手のフィルターにかけることで読み手の血となり骨となるのが良いなと思います。知識としての教育理論はこれからドイツでみっちり学ぶので、今の自分がやるべきこととしては、その知識を付けるための”骨格”作りをすることかと。

これからは「幼稚園雑草」を読んで見つけた素敵な教育哲学を書きまとめていきたいと思います。

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