カフェで引越し先に至る
そろそろ、今のところも一年。かなり狭いのでどこかに移りたい熱が高まっている。といって特に探してもいないけど。
以前、Instagramで書いた、カフェで引越し先に至った話を、加筆・修正してみた。
昔、転職が決まった会社は本社が大阪にあった。わたしは当時、東京に住んでいたけど内定後しばらく配属先の連絡がなかった。あまりにも連絡がないので、失業手当とかの関係もあってこちらから電話したら、やっと折り返してきて「本社大阪勤務。担当部署の上長はなるべく早く来て欲しいと言っている」という。オイオイ、なんやって？そういう体質の会社…ということは入社後にわかるのだけどそれは別の話。
急きょ、その週末の予定すべてキャンセルして土地勘のない大阪に部屋探しに行った。関西に住んだことはあるけど西宮・甲子園だし、住んでいたのは小学生の頃。そのときの付き合いは一切続いていなかった。
新しい勤務先の近くに、以前大阪に旅行に行った時に知り合った、大阪の唯一の友人が住んでいた。といっても出身は北摂で、結婚にあたって市内に引っ越した際にお世話になったという不動産屋さんを教えてもらった。
おすすめの担当者は不在か退職してその日はいなかったけれど。
東京から大阪に着いて、堀江にあったその不動産屋さんで担当してもらう営業マンと会う。そして何件か候補をクルマで案内してもらった。
まずは勤務先に近いエリアから。堀江のマンション2軒、ひとつは10階だったか、高さにびっくりしてしまった。次に阿波座方面の物件。某国領事館近くだったと思う、なんとなく微妙な空気感、変な地形と警官がウロウロ。営業マンは「お巡りさん居るから逆に治安いいと思いますよー」。…な訳ないやん！自分の中でツッコむ。
最後は九条の新地エリアすぐ近くだった。営業マンと全然センスが合わないことに気づいて初日終了。
「大阪住めないー」夜、大阪勤務経験がある関東の友人に電話した。友人は玉造というところに住んでいたそうだ。
二日目「ちょっと東の方ですけど、前にいた会社の時よく紹介してた物件があるんです。そこ見に行きますか？」
場所はなんと、昨日友人にきいた地名、玉造だという。長堀通り（心斎橋を東西に走る通り）を東へ、空堀の交差点を北に入ったとこにあるマンションで、向かいのローカルな不動産屋さんに鍵を借りて内見した。ベランダから見えた隣の建物は二階建てで、屋上で洗濯物が干しあるのが気になった。今まで見た中では一番マシな物件だったけど、それでもそことも思えなかった。
「また連絡します」クルマで堀江まで戻る途中、テキトーな交差点で下ろしてもらって営業マンと別れた。少し絶望。
当時わたしが東京で住んでいたのは世田谷・経堂。
「大阪部屋探し旅」の前日、よく行くカフェappel（すでに閉店）ではなく、なぜか普段行かないロバロバカフェに寄った（今は山口・長門市でロバの本屋というのをされている）。カウンターに座って、明日から大阪に部屋探しに行くとオーナーに話すと、お友達だといって大阪にある豆本がテーマのカフェを教えてくれた。
営業マンのクルマを降りて歩いているとふと、その豆本カフェにでも行ってみようと思い出した。
堀江の通称・鳥かごビルディングの何階だったか、店に入って飲み物を注文した位のタイミングで、常連らしい男性が入ってきて「今、部屋見てきてーん」と店主に話しかけた。
「あの、わたしも部屋探しているんです」図々しく声かけて、話をきかせてもらった。
なんでも雑誌クウネルに出てきそうな素敵な物件だそうで紹介制でやっているらしい。急遽知り合いということで連絡先を交換して物件の場所と不動産屋さんを教えてもらう。
あれ？もしかしてさっき営業マンに連れて行ってもらった不動産屋さん？
また来た道を東へ戻り、さっきの不動産屋さんに寄る。
クウネル物件は住み込みの管理人常駐している寮のような物件だったが、ちょうど鍵を持っている管理人が不在だった。
予算もう少しあるなら別の物件も見ていく？と並木道の緩い坂を上ったところにある、一階がケーキ屋さんでエレベーターのない小さなマンションへ。３階と最上階の５階の部屋を見せてもらった。東京よりも少し安い家賃で倍以上、広い！キッチンの窓からはすぐ側にあるカトリック教会が見えた。祖母がカトリックなので親近感。ここがいいかもなぁ。
先ほどのクウネル物件に戻ると管理人さんがいたので内見させてもらった。長い廊下の両側に各部屋の扉が並ぶ。修道院か、知らんけど。室内は陰影がある感じでなんか違ったので、さっき見せてもらったマンションに決めて大阪暮らしが始まった。
カフェで出会った人が教えてくれた物件ズバリではなかったものの、そこからまた、次につながっていった。
「なんか気になる」や「ふと」から始まることってやっぱりある。わたしたちの仲間ではそれを「フラートする、される」（誘惑する、される）というのだけど。その感覚を大事にしたい。
※見出し写真は信州・木崎湖畔にあるYショップニシにて、チャイとおやき。
答えはすでに自分の内にある。
わたしができるのはそのお手伝い、だけ。
「ハートでつながる、ほんとのコミュニケーション」
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