ぼく1

詩集『ぼくはまなざしで自分を研いだ』第1章

詩集『ぼくはまなざしで自分を研いだ』の第1章です。
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  概要
『ぼくはまなざしで自分を研いだ』第1章
章題 生まれてくる前からぼくの顔があった
作品数 24編
原著 6~61ページ


  収録作品
・逆上がりのように
・まなざし
・に
・怪獣
・時ははやくすぎる 光る星は消える ぼくにもういちど顔を投げろ
・ヒーローああああの栄光
・ぼくたちごっこ
・プール開き
・昼
・ほんとうは
・児童のうた
・「いぬ」って知ってる?
・挨拶選手権
・ポポ
・強盗団参上!(商業主義における自己の不可能性をめぐる言説)
・冒険ごっこしているふりをしよう
・ぼくはまるで人間みたいだ
・こっそり中身だけぼくじゃなくなってみた
・神さまは喜劇しか好かない
・大変身
・ON
・特技
・顔の日
・ぼくは自分の体から2センチほどずれている。

  抜粋

逆上がりのように
人間ができなかった
下手くそな版画とおなじく
傷ついていびつにできあがった
〔中略〕
あれほど硬いものにつかまされなければ
僕は僕を歩けただろう
僕は僕を走れただろう
平たい一人分の道を
ただの足によって
(「逆上がりのように」)


とおい彼方を見たのと 
おなじまなざしで見られたら
つらぬかれてしまうかもしれない
名札をピンで刺すときと 
おなじまなざしで見られたら
刺さってしまうかもしれない
そのような目で人から見られ
そのような目で人を見てきた
(「まなざし」)

今日はどの体にしよう?
どんな足を履き
どんな胸を着て
どんな顔をかぶっていくのか。
今日も
ぼくは服に似合っている。
(「ぼくはまるで人間みたいだ」)


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