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【本要約・書評】『予想どおりに不合理』行動経済学5つのポイント【1分で理解】

【今回のテーマ】
行動経済学のポイントをおさえる

【ご紹介する本】
『予想どおりに不合理』ダン・アリエリー

【この収録で学べること】
あーなんでこんな決断
日常生活で使える行動経済学5つのポイントが学べます

【こんな方にオススメ】
・自分のこれまでの失敗がなぜ起こったか振り返りたい
・売り上げをアップさせたい

『予想どおりに不合理』はどんな本か?

人はなぜわかっているのに同じ過ちを繰り返してしまうのか、不合理な選択をしてしまうのかがわかる本。

たとえば、ダイエットをする、と心に決めたはずなのにコンビニスイーツ、ファミチキ食べちゃう、テスト前早起きして勉強すると決心したはずなのに、二度寝。

この不思議を行動経済学の実験で15テーマ扱っているのが本書。

すべてを紹介するのはきついてので今回は、日常生活でも使える5つのテーマ「あなたの選択に影響を与える、そして間違う力」について紹介。

あなたの選択に影響を与える5つの力

①無料が持つ力


私たちは無料にめちゃくちゃ弱い。1円と無料の差はものすごく大きい。

本書の実験だと公共の建物でテーブルを出し、リンツのトリュフ(高級)とハーシーのキスチョコ(普通)を用意し、「おひとりさま、ひとつまで」と書いて販売しました。

トリュフを定価の半額15セント、キスチョコを1セントに設定したとき、73パーセントのお客はトリュフを手に取ったんです。

ここでいよいよ、無料!の実験。今度はトリュフを14セント、キスチョコを無料で提供。すると、キスチョコは一躍大人気に。

69パーセントのお客が、無料のキスチョコを選び、格安でトリュフを手に入れる機会を棒に振った。

なぜ無料でこんなに違うのか?人間が失うことを本質的に恐れるからではないか。ふつう物事にはメリット、デメリットがある。買い物にはコストがある。

しかし、無料のものを選べば、目に見えて何かを失う心配はない。

→何かを売りたければ、どこか一部を無料にするよう価格設定しなさい。

②高価格が持つ力


私たちは値段が高いほど良い商品で効果があると思っている。

たとえば、黒真珠は1970年代の発売当初まったく売れなかった。

しかし、一等地にある店舗のショーウィンドウに、法外な値札をつけた黒真珠を陳列。あと高級雑誌に、ダイヤモンド、ルビー、エメラルドと黒真珠を並べた全面広告を掲載したら黒真珠は高価なものだと認識され、売れるように。

→ 高級な製品として、高い価格で売り出したいなら、市場で「高級な」競合相手と肩を並べる。権威をもちブランディングにこだわるとよい。

ちなみに、こんな実験も。

ただのビタミン剤を片方のグループでは2.5ドルする痛み止めと、もう片方では10セントの痛み止めと偽って電気刺激を与える実験をしたら2.5ドルにしたほうが、痛みが和らいだという参加者が多かった。

→商売するには、実際に効果が高い商品を高価格でうるのが最強。エルメスのバックとか。グルメでも高いけど美味しい千疋屋のフルーツとか。

また自分で選択する場合は、プラシボがあるから効果を信じてやった方が良い。モチベーション上げたいときは高価なものを選択した方が良い。

③決意表明が持つ力


私たちは自分でこれからやることを公に決意表明すると、その通りに行動する確率が上がる。

本書の実験だと、学生に最初に自分で締め切りを決めさせて、その締め切りに合わせてレポートを提出させた場合と、先生が一方的に最後の授業が締め切りと決めた場合は自分で締め切りを決めた方がレポート提出する確率が高く成績が良かった。

『影響力の武器』一貫性とコミットメントにあるように、人間は自分の言ったことは守りたい生き物だから。特に公の前で宣言させると効果が大きい。

→先延ばしを回避させるためには決意表明させる。目標を紙に書いてはる、TwitterなどSNSてまつぶやくも有効。

④おとり選択肢が持つ力


人は1つの選択肢だと判断がつきづらいが2つから選ぶ、とくに明らかにこちらの方が得だとわかるように見せるとそれに飛びつく傾向がある。

たとえば、お祭りで超おまけフランクフルト1パック3本入り380と出しても、ほんとに安いかどうかよくわからない。

しかし、1本200円の単品価格が提示してあったら、明らかに3本で380円は安いとわかってパックで買う人が続出。

→この場合、単品200円はおとり選択肢。店側はセットが売れれば元がとれると考えている。 判断がつきやすくするおとり選択肢を入れると売れる。

⑤予測の力


人はこれからとる行動の結果を予測するが、結果はその予測にひきづられる傾向がある。

バーでバルサミコ酢を入れた特製ビール(あんまり美味しそうじゃない)と普通のビールと最初に説明して試飲してもらい、どちらが美味しいか尋ねた場合と、何も説明せずに美味しい方を選んでもらった場合、何も説明しなかった方が、特製ビールを美味しいという人が多かった。

バルサミコ入りはまずそうという予測が働き、どちらがバルサミコ入りか試飲でわかったからではないか。

→これを応用すると、店の雰囲気が高級そうだと、味も高級そうに感じる。デザイン、見た目が優れていると美味しく感じる。

“美味しいチーズ”というよりも、“那須高原で育った牛のその日採れたて牛乳を原料に町1番のチーズ職人が作ったブッラータチーズ”といった方が美味しそうに感じる。

ホームページなどで背景やストーリーを語るのも有効。

まとめ

『予想どおりに不合理』、いかがでしたでしょうか。振り返ってみましょう。

★あなたの選択に影響を与える5つの力 行動経済学のポイント
①無料が持つ力
②高価格が持つ力
③決意表明が持つ力
④おとり選択肢が持つ力
⑤予測の力

行動経済学を学んでいる人はこのあたりのテクを駆使して私たちに行動させている。あなたは操られているかもしれない。騙されないためには学ぶ必要がある。

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『影響力の武器』も似た内容でセットで読むのがオススメです!

じつはこのほか性的興奮しているときはリスクの高い行動をとりやすいなど面白い実験も紹介されているので気になる方はぜひ読んでみてほしい。

※この記事は「【書評・本要約・音声配信ラジオ】聴きながすだけで学べるキクホン」(standfmYoutube)の台本となります。本編が気になる方、実際の収録を聴きたい方は、下記のラジオをお聞きください。

>>>聴き流すだけで学べるキクホン

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