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現代の教養のための大学入試小論文

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現代を生きる視点が鋭くなるような知見や知識を、最新の大学入試の小論文の問題からご紹介していくマガジンです。
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2021年2月の記事一覧

現代の教養のための大学入試小論文 #15 ~〈若者〉の溶解~

現代の教養のための大学入試小論文 #15 ~〈若者〉の溶解~

ごきげんよう。小論ラボの菊池です。

今回は〈若者〉についてです。「最近の若者は~」という物言いは、しばしば憤慨や嘆きを伴います。ではその「若者」とは誰のことなのでしょうか。

キーワード〈若者〉の溶解

説明と要約 若者論が「今日の若者は○×化しつつある」という変化の語りであるのに対し、そのような語りをなす人々の足元こそが大きく変化している。その足元の変化とは、「若者」なるカテゴリーの輪郭が溶解

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現代の教養のための大学入試小論文 #14 ~文章を味わうこと~

現代の教養のための大学入試小論文 #14 ~文章を味わうこと~

ごきげんよう。小論ラボの菊池です。

三島由紀夫の文章から、「文章を味わうことはどういうことか」をテーマにした課題文を扱います。文学系では意外と昔の文章が出題されることがありますね。

キーワード文章を味わうこと

説明・要約 現代では文章を味わう習慣が少なくなるのは当然である。しかし、昔の人は小説を味わうと言えば、まずは文章を味わったのである。今日の小説の読者にとっては目的地が大切で、その途中の

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現代の教養のための大学入試小論文 #13 ~「人種」概念の虚構性~

現代の教養のための大学入試小論文 #13 ~「人種」概念の虚構性~

ごきげんよう。小論ラボの菊池です。

今回は「人種」を扱います。人種というと、「白色人種」とか「黄色人種」とかが思い浮かびますが、その「分類」は妥当なのでしょうか。

キーワード「人種」概念の虚構性

説明・要約 「人種」という言葉は、生物学上の「種」概念と混同してはならない。「種」概念は個体間の生殖可能性によって定義される。それ以外の単位は客観的基準で定義される概念ではなく、単に学会の慣習によっ

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