企画を練った後に確認する5つのチェック項目
企画者は自分の中で企画の通過基準を作る必要があると思っておりまして、今回は僕が常々確認している「企画のポイント5つ」を公開してみようと思います。
まず何で企画者は自分の中に企画の通過基準を作る必要があるかについて話してみる。
暇さえあれば「なんか、番組に出来ねえかなー」と思考を巡らしてアンテナ張ってるんですが、その時に僕はあまり「良し悪し」を考えてません。
放送作家は無意識のうちに「これは企画にならねえな」とか頭の中で判断して「企画の種」を捨てがちなんですが、僕は大事にとっておきます。少しでも僕が面白いと思ったりビビッと感じたものは必ずパソコンのメモ帳に中に記録。
それを見返しながら別のものと組み合わせたりなんかして企画を作り上げています。だから、正直レベル的には低いものもあるし、これの何が面白いんだよ!的な企画アイデアも当然のように出てくるわけですが、それも大事にとっておきます。
大事なのはそうやって量を作りながらダイヤモンドの原石を掘り当てていくことです。
とはいえ、くだらないアイデアを会議に大量に持っていくのは危険行為です。「こいつ面白くないじゃん!」というレッテルを貼られてしまうと相当やばいです。
だから数あるアイデアの中から自分の中で選別して持っていかないといけませんが、その際に重要になるのは自分の中での企画の通過基準です。この線引きを作っておけば大きなミスを犯すことはありません。ミスしたらどんまい!と開き直れます。
ということで僕の線引きを公開します。
5つのポイント
まず5つのポイントをご覧ください。
線引きのポイントはいくらでも作ることができますが、僕の中では上のように最低限5つだけにしてます。じゃないとチェックする気になれないからです。
それぞれの項目について説明させてください。
①それはシンプルか?
すごいアイデアをつくるために複雑になってしまうケースがありますが、複雑なアイデアが成功した例はほとんどありません。なので、基本的に企画は誰もが想像しやすいシンプルでわかりやすい企画を作るべきです。
小説でも削る作業が重要になりますが、企画においても余分な要素を削っていき、できる限りシンプルにすることが成功の鍵です。シンプルにすれば「企画でやりたいこと」が明確になり、相手に伝わりやすくなるからです。
企画といっても「文脈」なので、言葉にしたときにわかりやすいものでないと受け入れてもらえません。
②前例はないか?
アイデアが浮かんだときに「うっしゃあー!」と興奮状態になると思うんですが、そこで一回冷静になってみて、「このアイデアは前例がないか?」をすぐネットで確認してみましょう。
一瞬で終わるこの作業をしないと、「これ前にやった人いる」の一言でせっかくの企画も台無しです。
この前例を調べる作業は精神的にきついですが、良いことだらけです。前例があるなら、それを元にして少し変えればいいだけの話です。前例の成功ポイント、失敗ポイントを見ながら「今風」にマイナーチェンジすれば新しい企画のように見せることができます。
完璧に新しい企画なんてありえないので、前例のチェックを行い、前例があればそこを元に発展、前例がなければそのままGOです。(似た企画を見つけることができれば、そこから良い所を真似しちゃえば◎です)
③普遍的なテーマはあるか?
グルメ番組が人気な理由、それは人間が食べ物を食べないと生きていけないからです。グルメ番組はそもまま食欲という人間の欲望につながっているので見てもらいやすいです。
恋愛番組が人気な理由も人間は恋愛して結婚して子供を産まないといけないからです。これは人間の性欲につながっています。
と考えていくと人間には興味のある普遍的なテーマというのがあり、テレビ番組もその普遍的なテーマに基づいて作られています。
よって、新しい企画ができたときに、そこに人間が求めている普遍的なテーマや面白さがあるのかを探ってみることが重要です。普遍性が一個もない企画は倒れてしまいがちですし、周りを納得させることができません。
④正義はあるか?
これがなくても良いという人もいますが、僕はあったほうがよいと思っています。企画の正義です。企画をやる意味、この企画をやることで誰が救われるのか、誰を喜ばすことができるのか、ということです。
企画は最終的に誰かにポジティブな結果をもたらすものだと思っています。それがネガティブになってしまっては正義がなく、やる意味がなくなってしまいます。
この企画が今やる意味は?必要性は?を考えていくと「今」ウケやすい要素を拾うこともできるのでオススメです。
⑤ワクワクできるか?
面白い企画に説明はいりません。これはシンプルであるべき、という項目と少しだけかぶりますが、面白い企画は企画を説明する最初の一行を読んだだけで読んだ人をワクワクさせることができます。
つまり、企画を知った人がやる前から「ワクワク」できなければ面白い企画を作り上げることはできないです。企画を作った瞬間に少なくとも自分はワクワクできたのかをまず考えてみてください。企画のための企画になっていないかを考えるのは、忘れがちですが重要なことです。
チェック項目は有用
こういうチェック項目を短くても良いので作っておくと、繰り返しみることになります。ずっと見ていると頭の中に叩き込まれるので、自然とこのチェック項目を元にして企画を作っていくので精度が上がっていきます。
自分の色も出しやすくなるし、このチェック項目が担保になって尖った企画を作ることも可能なのかなと思います。
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