興行的に失敗してても、良い作品なんて腐るほどある

興行的に爆死した映画はエグいぐらいに叩かれる。それに比べて、バラエティの特番は失敗しても世間からは何とも言われないからある意味では楽だとも言える。

数字が作品に追いつかなくて「ダメだ」って言われるのはよくあるけど、それは興行的にであって、作品の価値とは別に考えないといけない。

例えば興行的にジョーカーは大成功したけど、その前のバットマンシリーズであるダークナイトは興行的にダメだった。ダメだったけど、レビューは高評価だし、僕も相当好きな作品の一つだ。

なんなら興行的に爆死してる映画のが好きな時もある。興行的に成功できなかった映画が抱えている悲哀っていうのは作品とは別に惹かれたりする。

こんなことエンタメに限らず他でも起きてる。でもエンタメで起きてるこの現象に僕が同情してしまうのは作り手の気持ちが痛いほど分かるからだ。

ただ別に興行的に失敗してもいいから良いものを作りたい!って言ってる人間には醒めてしまう。エンタメだってビジネスで、そこに関わってる人たちは今日も明日もご飯を食べて生きていかないといけない。

興行的な成功を期待しつつも、ダメだった。ダメだったけど、良い作品だった。そういう作品なら全然あり。

一番最悪なのは、色んな問題や葛藤の中で、結局自分のやりたいこともできずに発表した作品。こんなの興行的にも失敗する。そんな作品がこの世から減っていくといい。とりあえず完成させたので世に放ちますとかをやってると客の信頼は落ちていく。そういう意味でテレビは枠を埋めないといけないから、そういうものを作ってしまいがちかもね。

出版業界もそうだけど、何冊本を出さないといけない、って決められていると、とにかく本を出さないといけなくなる。そういう数字のノルマがあると結果的に品質が死んじゃう場合がある。

村上春樹が、「締め切りに追われて書いた小説なんてダメだろ」って発言してたことがある。締め切りがないと僕なんてほとんど仕事をしないから耳が痛い話だけど、言わんとしていることは分かる。

とにかく数字的にダメでも良い作品はある。そういう作品と出会えると幸せな気持ちになる。でも売れなかった理由も考えないといけない。



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