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確定申告の種類|青色申告と白色申告の違いを徹底解説!

確定申告について調べていると、「青色申告」と「白色申告」という単語をよく目にするのではないでしょうか。

「フリーランス薬剤師は確定申告が必要なことはわかったけど、青色申告と白色申告は何が違うの?」と戸惑っている方もいるかもしれません。

本記事では、青色申告と白色申告の違いを解説しています。「自分は青色申告と白色申告のどちらをしたらいいの?」と迷っている方は、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

「そもそも確定申告ってなに?」という方は、まず下記の記事を読んでからこの記事を読むと、より理解が深まるかもしれません。

青色申告と白色申告5つの違い

青色申告と白色申告は、大きく5つの違いがあります。大まかな違いを表にまとめました。

各項目の細かい違いについて、それぞれ詳しく解説します。

1.帳簿の記帳方法

個人事業主は収入や経費を把握するために帳簿をつける必要があり、帳簿の記帳方法には「単式(簡易)簿記」と「複式簿記」の2種類があります。

どちらの方法で記帳しても構いませんが、青色申告の場合は複式簿記で記帳することで、節税につながるのがメリットです。

単式(簡易)簿記と複式簿記には、それぞれ以下のような違いがあります。

単式(簡易)簿記
単式(簡易)簿記は、入金額や出金額、お金の残高を記録する方法で、いわゆる家計簿のようなものです。

簿記の知識がなくても記帳が可能で、会計ソフトを使わずExcelやノートでも管理できるのがメリットです。

様式の指定はとくにありませんが、気になる方は国税庁から様式例が出ているので参考にしてください。(参考:P6.白色申告者の帳簿の様式例

単式(簡易)簿記の場合、たとえば薬局から入った報酬で白衣を購入したら、以下のように記帳します。
※国税庁の様式例を簡略化して記載しています。

単式(簡易)簿記

複式簿記
複式簿記は、取引の記録を「お金の出入り」と「財産の増減」に分けて記録する方法です。

記帳が複雑になるため、一般的には会計ソフトを使って記帳します。基本的な記帳方法がわかれば、難しい知識はなくても管理は可能です。

複式簿記の場合は、薬局から入った報酬で新しい白衣を購入した場合、以下のように記帳します。

複式簿記

「お金が出入りした原因」と「取引した結果お金がどう出入りしたのか」を分けて記録するのが「複式簿記」の基本です。

表の右側に何を書いて左側に何を書くかは理解しておく必要があるため、簿記3級程度の知識があると便利でしょう。

白色申告は単式(簡易)簿記でも複式簿記でも節税としては変わらないため、記帳が簡単な単式(簡易)簿記がおすすめです。

青色申告の場合は、記帳方法で節税できる金額が大幅に変わるため、できれば複式簿記で記帳するのがよいでしょう。

2.事前申請の要否

白色申告は事前の届出が不要ですが、青色申告で確定申告をする場合は、事前に税務署へ届出をする必要があります。

個人事業主の場合、確定申告の年度の区切りは1月1日から12月31日までと決まっていて、基本的にはその年の3月15日までに届出をしなければなりません。

ただし年度の途中で3月15日以降に開業届を提出した場合は、開業日から2か月以内に届出をすれば、その年から青色申告が可能です。

申請書の様式は、国税庁のホームページからダウンロードしてください。税務署へ直接提出する方法のほか、郵送での手続きも可能です。

いずれの期限にも間に合わなかった場合は、その年の確定申告は自動的に白色申告になります。

3.控除の有無

青色申告と白色申告の大きな違いが控除の有無です。控除があることで、収入から控除額を差し引いた金額に税金がかかることになり、節税に役立ちます。

青色申告には3種類の控除がありますが、白色申告には控除はありません。

青色申告の控除は、記帳の様式や確定申告の方法により異なります。各控除額の条件は以下の通りです。

  • 65万円控除(複式簿記+e-Taxで申告or電子帳簿保存)

  • 55万円控除(複式簿記+e-Taxの利用や電子帳簿保存なし)

  • 10万円控除(65万円控除にも55万円控除にも当てはまらない場合)

e-Taxとは、Web上で確定申告を行うサービスのことです。会計ソフトを利用している場合、確定申告の書類をパソコンやスマホで作成し、そのままWeb上で手続きが完了します。

青色申告をするのであれば、会計ソフトを活用して複式簿記で記帳し、e-Taxで申告することをおすすめします。

4.提出・保存書類や保存帳簿の種類

確定申告時に提出する書類の種類や、保管書類の期限なども青色申告と白色申告で異なります。

青色申告では確定申告書と青色申告決算書、白色申告では確定申告書と収支内訳書といった書類が必要です。

各書類は、会計ソフトで記帳を行っていれば、記帳データをもとに作成が可能です。簿記に詳しくなくても、ソフトの指示に従いながら入力することで安心して書類を作成できますよ。

作成した帳簿は、青色申告・白色申告ともに7年間の保管義務があります。

そのほか、決算関係の書類や契約書、請求書など、取引するうえで作成した書類も保管が義務付けられています。

取引に用いた書類は、青色申告は原則7年間、白色申告は5年間が保管期限です。

5.赤字繰越の有無

青色申告の場合、事業が赤字になっても、最長3年間赤字の繰越が可能です。

たとえば1年目が100万円の赤字、2年目が200万円の黒字だった場合、白色申告では200万円に対して税金がかかってしまいます。

青色申告であれば、1年目の赤字を2年目に繰り越して、100万円に対してのみ税金がかかります。控除と合わせて、節税につなげられるのがメリットです。

青色申告が適している人

5つの違いを踏まえ、基本的に青色申告の申請期限に間に合うようであれば、青色申告で確定申告することをおすすめします。

白色申告と大きな手間は変わらないうえに、税金の控除が受けられるためです。

ただし会計ソフトを導入するためにコストがかかるので、あらかじめ導入コストがいくらかかるか知っておくとさらに安心して選択できるでしょう。

会計ソフトの種類や料金の比較については下記の記事で紹介しているので、気になる方は合わせて読んでみてください。

白色申告が適している人

開業届を出さずにフリーランス薬剤師の仕事をしている方や、青色申告の申請手続きに間に合わない方は、その年の確定申告は白色申告で行いましょう。

また、フリーランス薬剤師の収入に対して会計ソフトの導入コストが高いと感じる方も、白色申告で確定申告を行うことがおすすめです。

青色申告の申請手続きは税務署に書類を提出するだけ

青色申告の申請手続きは、管轄の税務署青色申告承認申請書を提出することで完了します。税務署に直接書類を提出するのはもちろん、郵送での提出も受け付けています。

まだ開業届を出していない方は、開業届の提出と同時に青色申告承認申請書も提出するのがおすすめです。

開業届を提出済みで青色申告承認申請書を提出していない方も、なるべく早めに申請しておきましょう。

自分に合った申告方法を選んで確定申告に備えよう

初めての確定申告は、右も左もわからず不安な方も多いことでしょう。青色申告は節税に役立つ控除が受けられるものの、複式簿記での記帳が自分にできるのか心配に思うかもしれません。

SUPPONDでは、毎年税理士による無料の確定申告セミナーを実施しています。

「実際の確定申告は何から準備すればよいのだろう」と疑問に思っている方は、ぜひSUPPONDに会員登録してセミナーを受講してみてくださいね。

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