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心からの「すき」さえ忘れてしまうけれど、──2018年7月

最初に書いておくと、7月のハイライトはどう考えてもこの記事の公開です。
お二人の温度感が少しでも届くといいな。私の言葉が邪魔していないようにと願うばかり。ぜひどうぞ、よろしくお願いします。


とってもひさしぶりに、私はこれを好きだ、って言えるものをにぎりしめることができた。

誰と比べるわけでもなく、私がうまいかどうかなんてどうでもよくて、うまくなりたいという感情がない。いや、うまくなったほうがいいんだろうけれど、それよりも、一回一回にそのときの全力を注ぎたい。

「次はもっとうまく」なんて口が裂けても言えない、だってそのひととの真剣勝負の時間は、一回きりのことがほとんどだ。

そのひとのことをただひたすらに考える。考えていると、勝手に聞きたいことが出てくる。準備はするけれど、いったんまっさらになる。ただまっすぐに、そのひとと過ごせる時間に臨む。

目の前でつむがれる言葉に耳を傾けるうちに、私はあなたのことを好きになる。大好きになったあなたのことを伝えたい。ただそれだけで筆を走らせる。

大好きなあなたはただそうあるだけで素敵だから、その素敵さが誰かひとりの心に届いたり、それを誰かが広めたいと思ったりしたら、それはあなたがあなただから。

もしも誰にも届かなかったら、それは私がふりかけたトッピングがあなたの素敵さを曇らせてしまったから。あなたは変わらず、あなたがそうあるだけでとっても素敵で、私のトッピングが悪すぎただけなのだ。

だからこそ、心を削り出してふりかけるトッピングに、ほんの少しのトッピングに、もっともっと、ぜんぶの愛を込められますように。そう願いながら、いまの自分のぜんぶをより集めて、言葉をつむぐんだ。

7月の軌跡

さて7月。毎月ふりかえるたびに1ヶ月のことを私は全然覚えていられないんだなと思うのだけれど、7月はおそらく、5月の出張をもとに一本一本つくっていった十和田特集の記事の対応が多かった、ような気がする。

7月も世の中に出せたものから、ふりかえってみましょ。自分の備忘録。

編集。
ほんとに、4時間以上集中できるもんじゃない。

撮影。
これがはじめての料理家さんとの撮影だったのですが、ツチダニエルさまにほめていただけてうれしかったぞ、、、
私は昔から食べ物に興味がわかないのだけれど、それは完成物だけを前にしたときであって、つくられていく過程とつくってくれたひとのストーリーをじっくり知れると食べ物も愛でながら撮影できるのだと知りました。そしてぼくの理論だと愛が原稿にも写真にも反映されるのだ。

ディレクション。
いつもスタイリストの西村さんにとってもとっても助けていただいていて、食べ物と同じように「スタイリストさんがこういうところまでこだわっているんだ…!」って間近で見られるから愛せる。かっこいい記事になった!

というわけでここから十和田特集のはじまりはじまり。小松崎さんと私のレタッチデイズのはじまりはじまり。

インタビュー&執筆。
十和田特集2本目に、もとくらでの初のインタビュー執筆記事が出ました。ちなみに小山内さんがタッグを組んでくれたけれどインタビュー自体もこのときが初のようなもの。

インタビュー直後から主題がスパンと決まり、構成も執筆もまったく迷わずに書け抜けられた、とってもとっても大切な記事。行きの新幹線でぐるぐると考えごとをした後そのままインタビューし、その1時間でお二人のことをあっという間にだいすきになった。びっくりするくらい、心動いた。それをそのまま描きたかった。

感想つぶやいてくださった方々、本当にありがとうございました。だいすきな二人を伝えられることがこんなにもしあわせなのかと思った。特に、「実際に青森に行ってみました」とつぶやいていただけたり、14-54CAFEのお二人からも「記事を読んで来てくださった方がけっこういて」と教えていただけたりして、うっかり気絶するところでした。

この記事はきっとこのときにしか書けなかっただろうから、書いてくれて、あのときの私ありがとう。ずっと大事にする。そしてまた14-54 CAFE行こうね。

そしてこの記事を届けられなければ絶筆するしかないと思っていた私に負けないように、これからも常に、そう思いながらインタビューと向き合っていきたい。

執筆。
私の人生のはじまりだと思える瞬間はぜんぶひととの出会いがきっかけで、その中でも特に「はじまり」だった中3のときの師匠について書きました。

当時「ししょうさん」と呼んでいました。本当です。このひとのことを700人くらい出席する高校礼拝で話しました。本当です。狂気だ!

ししょうさんが文化祭実行委員長やって、私も文化祭実行委員長やって、ししょうさんの文化祭が最高で、その半年後にししょうさんに文化祭すごくよかったって言ってもらえて、しあわせだったなあ。「感染」できる誰かとの出会いから、人生は本当に動き出すんだ。そんなハッピーストーリーです。

撮影。
今月のノマドは同世代の取材でした。好きなことを本業にすべきかはまさに絶賛検討中の命題なので、現状の私と違う手段を選んで頑張っているお話を聞けてよかった。

編集。
最近子育てとか結婚のテーマに仕事で携わることが多くて、人生ふしぎだ。

ディレクション。
これもかわいくないですか!?!?スタイリストさんが用意してくださった静物のパターンがどちらもかわいすぎてどちらも記事に入れちゃったら、どちらも使われていて私は嬉しいです。静物はチャレンジしやすいのでおすすめ。

インタビュー&執筆。
私結婚式にいい思い出がないのです。結婚式場で働いていたときにひたすら怒られながら走り回っていた記憶しかない。のに、伊藤さんのお話を聞いていたら「これは楽しそうだ…」と思えたのでその心の変化を込めました。楽しかった。

執筆。
組写真を考えるときに最初難しく考えていたのだけれど、これは楽しめばそれでいいのでは…?と思って書きました。猫かわいい。私はペンギンの組写真でもしようか…。

撮影。
お二人とても素敵で、愛でした。写真にもちょっとはそれが表れていたらよき、なのですが。

執筆。
写真を絵画風に飾るの、海の写真でやってみたい。あと猫さまのおててが神です。

執筆。
十和田が本当に好きになって、十和田に住むのも考えたくらいなので、愛を込めて。ぜったいまた行くぞ。

ここに載せていない十和田記事の大半の取材に立ち会って、どれも印象深くて、十和田行かせていただけて本当によかったなと思いました。ししょうとしゃちょうに心から感謝です。


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そうなんだよねえ。好きになると、もう得意かどうかとか、本当にどうでもよくなって、ただひたすらに、自分を磨いていくことだけに興味が向くんだよねえ。この感覚、大学卒業してからすっかり忘れていました。

フリーランスになって5か月目でようやく思い出せて、でもそういえば確かにずっと、行動の原点には「ひとの言葉を聞きたい」だったんだ。時に思い出すのも大事やね。

そうです、7月はインタビューすきを発見した月間でした。

というわけで世の中お盆です。8月もよろしくわたし。

言葉をつむぐための時間をよいものにするために、もしくはすきなひとたちを応援するために使わせていただこうと思います!