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“よい施設”とは?そしてその見分け方とは?|老人ホームを使うのって悪いこと?その③

こんにちは。基弘会編集部のikekayoです。
介護/福祉に関してはほぼシロウトな私が、「くらしのふふふ」の運営母体である基弘会の代表、ミスターSKこと川西本部長と、普段は広報室長を努めておられる当メディアの編集部デスク山本さんに「介護ってどうすればいいんでしょう?」というざっくりした不安を投げかけているシリーズ、今回は第3話、ついに最終回です。

これまでのお話はこちら
第1話 ネガティブイメージは老人ホームが背負った十字架なのか?
第2話 みんな大好き「おふくろの味」は呪縛かも?!

最終回では、「じゃあ、そもそも“いい施設”はどうやってみつければいいの?」というお話です。
介護って、なんの準備もしていないときに突然必要になるもの。いざ身内が倒れて、そこで慌てて施設を探すことも少なくないと言いますが、納得いかない施設に決めたくはないですよね。
今回はそんな「見極めポイント」ってあるのでしょうか?ということをお聞きしました。

清潔さは重要ポイント

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川西本部長
「まず、整理整頓はポイントですね。衛生的か、ゴミが落ちていないかとか、匂いとか。
そして、職員がどんな感じかも重要です。笑顔できちんとあいさつがきているかとかね。」

当然といえば当然かも知れませんが、シンプルに「清潔感」は重要ということですね。ふむふむ。

川西本部長
「会社の規模よりも、自分が実際に行ってみてぱっと感じたこととか、直感というのは正しいんじゃないかと思いますね。すごく豪華な施設でも、感じ悪いなと思うところはサービスも良くなかったりしますし。
面接と似ているかもしれませんね。ここで働こうと思ったとき、散らかった職場はいやだし、愛想の悪いスタッフと一緒に働くのは嫌ですもんね。」

なんと!いきなり「直感」というファイナルアンサーが出てしまいました!
しかし「ここで働くと考えたら」という例えはわかりやすかったです。暮らしも仕事も、長時間をそこで過ごすという意味では近しいものはある気がします。
仕事もそうですが、結果的には「ご縁」ということなのでしょうか。

とはいえ、昨今は新型コロナウイルスの蔓延で、高齢者施設への訪問は若干しづらくなっている現状もあるかと思います。それでもやはり、直接足を運んで見学をすべきでしょうか?

川西本部長
「それは絶対そうですね。」

山本デスク
「面談を止めている施設もありますが、こんなときだからこそ、いかに情報発信するかということが大事なんです。ホームページでもSNSでも、一生懸命伝えようとしているところは、いい施設なんじゃないでしょうか。
それって、自分たちのしていることに誇りと信念を持っているからできること。自信をもって運営していると見ることができます。」

なるほど!ホームページやSNSでの広報などは、できる施設とそうでない施設とあるかもしれませんが、それをする努力と労力、企業の体力などから推察することはできそうです。また、そこで垣間見える方針や雰囲気などは、いざ見学をするとなったときに重要なヒントになりそうですよね。

ただ、大阪などの大都市圏であれば老人ホームでもインターネットへの親和性はあるかもしれませんが、地方だとぜんぜんやっていないところもありそう…??
たとえば私の地元は岡山県という典型的な地方都市ですが、老人ホームがインターネットでガンガン情報発信しているとは思えないんですけど、それってやっぱりだめなんですかね??

川西本部長
「しっかりと情報発信していることはもちろんいいけど、そうでない地方都市の施設なんかは、“いい”の基準が違うかもしれませんね。大阪で“いい”とされることを、岡山でやってもそれは“いい”とはならないかもしれない。やはり、入居者さんが水が合うことのほうが大事だろうから、ご本人の望むものを理解しないといけないですよね。」

むむむ〜。やはり、絶対的な基準というのはなかなか示せないものなのですね。だからこそやはり、元気なうちに親と相談……。
とはいえ、「清潔」「感じのいいスタッフ」これらは普遍的なチェックポイントになりそうです!

介護業界のイメージを変えていくことがミッション

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最後に、基弘会さまとしてのこれからについて、お話していただきました。

山本デスク
「基弘会がやろうとしているのは、介護業界のイメージを変えていくことなんです。もちろん目の前の高齢者さんにきちんとした介護を提供していくということも役割ですが、社会に対しては介護業界にある既存の古い印象を変えていくことが役割だと思っています。」

1話、2話とお話をお伺いしてきて、業界の課題をおききすることができましたが、そのためにもきちんと社会も未来も見て運営されていっている姿、素敵です。

山本デスク
「ちゃんとプロにクオリティの高いケアを受けて、楽しいことを楽しいと感じられて、美味しいご飯を美味しいと思える、そう感じられる日が一日でも長いのが、良い老後だと思います。そのために老人ホームはあるんだという、発想の切り替えですよね。」

そうですね。ご本人が幸せなら、家族も安心して暮らしていけると思います。実際、ご家族さんからはどんなお声が寄せられていますか?

川西本部長
「入居者さんが亡くなったあとに、そのご家族がどなたかに『あの施設いいよ』って言ってくださるのがいちばんうれしいですね。後ろめたさも含めて、使ってよかったと。」

山本デスク
「亡くなられたあと、なにも思い残すことないですとご家族が言ってくださるのが一番うれしくて、それが一番の褒め言葉なんですよ。
私たちは仕事としてあたりまえのことをしただけなので『お世話になりました』よりもずっとうれしい。ご本人が大往生して、ご家族が納得・満足してくださること、これが一番うれしいです。」

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最後のお二人のお言葉が沁みました。あえて「よい施設の見分け方は?」という基準を作るとするなら、「入居する本人だけでなく、その家族も含めて、全員が幸せでいられるかどうか」かもしれません。
だれかの犠牲の上に成り立つケアはきっとどこかが間違っているはず。
幸せで、納得できる持続可能な生活こそが、思い残すことのない人生につながっているということを教えていただきました。

川西本部長、山本デスク、どうもありがとうございました!

text by ikekayo(ライター/編集者)

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