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たっこちゃん、齢ほぼ80歳 #16 ゲキアツ囲碁ボール

たっこちゃんはとある老人会で囲碁ボールを楽しんでいる。
コロナ禍で老人会の全ての活動が休止していたけど感染確認者数が減ってきたこともあり、先月から月に3回の囲碁ボールが再開されている。

囲碁ボールは碁盤に見立てた専用マット上で、白と黒のボールを木製スティックを用いて五目並べを行うスポーツで、体力がないシニアでも、齢ほぼ80歳でも楽しめるらしい。

そんなのんびり穏やかに楽しめるスポーツなのに、はなしを聞いているとシニアたちの試合ははなかなか熱いもののようだ。

同じ色のボールが縦横斜め3つ並ぶと得点が入る囲碁ボール。相手チームの得点を阻止したい局面では
「潰してまえ~!」
「つ・ぶ・せっ!!」
なんて声が飛び交うらしい。

「そんなん言わんかったらいいのに」
なんてしおらしく言ってるけど負けず嫌いなたっこちゃんのことだから、実際現場ではめちゃくちゃ叫んでいそうな気がする。

私はリアルに囲碁ボールを見たことがなく、イラストを描いていたら、ボールを打つときのスティックの向きが違うだの、見学者はもっと多いだのダメ出しを食らってしまった。

イラストやんっ。

たっこちゃんは無駄にリアルを求めるのだ。
登場人物が3回生まれ変わったり、5000年生きたる中国ファンタジー時代劇はなんの文句も言わず見ているのに、現代ドラマで帰宅後に「いただきまーす」なんて食事を始めるシーンがあると必ず
「手は洗わへんのかっ」
「服は着替えへんのか」
って怒りだすのだ。

やれやれ。

老人会の囲碁ボールでは順位を競い、上位だと賞品としてお菓子を少し貰えたりする。

「今日は私1位やってん」
「ほら、あげるわ食べ~」
なんて嬉しそうだ。

思い返してみればしょっちゅうお菓子を持って帰ってきていた。
実はかなり上手いのかもしれない。

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