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グラグラ乳歯を荒わざで抜かれたわたし

昭和時代の我が家のエピソードです。

小学生のころ、グラグラした乳歯に糸をかけられ、自分でひっぱるように強要された。
でも私には怖くてできなかった。絆創膏を剥がすのさえビビって、お風呂につかって絆創膏をお湯でふやかして、そろりそろりと剥がしていた私にできるわけはない。

それでどうするか。
寝るときに、寝間着に着替えた私のグラグラ乳歯に糸がかけられ、反対側は足の親指に結ばれるのだ。

寝返りをうったときにひっぱられて抜けるって算段だ。

でも、そんなに簡単じゃない。動いたときに親指から糸が抜けたりする。母は「成功した」って言うけど、私にはそれで抜けた記憶はない。

そして次なる荒わざが待っている。
なんと、母と祖母のふたりがかりで眠っている間にグラグラ乳歯をペンチで抜くのだ。

昭和時代に糸をひっかけて抜くのはメジャーだったかもしれないけど、ペンチで抜くのはどうなん。

今になって考えるとなんと恐ろしい。
拷問やないか。
「グラグラゆうよりブラブラやったもん」
「ほとんど取れてる歯やもん、痛くも痒くもなかったはずや」
母はしゃーしゃーと言う。

いやそういうことじゃなくて。
その絵面が怖いねん。


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