ナナフシに自分をみた
ここで言うナナフシとは昆虫のことだ。
いつかに旅した沖縄県の八重山諸島で出会った。細長い体で木の枝に擬態しているタイプのものだった。葉などに、扮している者もいるらしい。
木の枝、とはよく言ったもので、私に出くわした者は、体を揺らし、風で小枝が揺れているのを体現するかのように居た。擬態からより近づくための演技もやるのかと目を見開いた。
その姿は外敵に見つかってしまい、怯え震えているかのようにも見える。身を守るための生死をかけた演技ー?
どこかで見た気がする。
些細なことに動揺し震えている。難から逃れられるかは別として。
私だ。
私も頻繁に揺れている。
たくさん在る生きる道の中で、自分が生きられる隙間を震えながら探るように生きている方だ。決して華やかで、なめらかで、王道とは言えない道ー。
彼らは、今日も震えながら懸命に生きているのだろうかと想うとき、何やら妙に私も生きるのを頑張ろうという気になってくる。
そもそも揺れていることが、彼らにとって懸命かどうかはわからないのだけれど。
この記事が参加している募集
サポートいただくと、いただいたサポートにて、遠出か近場かを行き先にして、旅の絵日記を書きます。