丸世 寅玉TORATAMA

作り話の作り手。 引越し回数13回目。 イキのいい男の子と、おてんばな雌猫と暮らしてい…

丸世 寅玉TORATAMA

作り話の作り手。 引越し回数13回目。 イキのいい男の子と、おてんばな雌猫と暮らしています。

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  • 本とおとも

    本と飲み物、本とお菓子、本とお酒、本と…

  • 山をくらう雲

    6歳の君と二人暮らしになった。 単線のローカル線が走るこの町、アパートの2階の窓からは蓼科山、玄関を出ると浅間山が見える。 小学生になったばかりの君がいつか読むかもしれない、日々の手紙。

  • 鉄道と本ときみと

    小さな鉄道の旅

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サングラスと「向田邦子の恋文」

    • 八重の桜と「双調 平家物語」

      • 君とわたしの新生活

        これから毎週、君に手紙を書こうと思ってます。 君は6歳で、もう字は読めるけど今読んで欲しいから書くと言うよりも、いつか君が孤立した時に呼んでくれればいい。孤立というものは色々な形があるけれど、誰だって必ず体験するものだし、それはそれなりにきつい体験だから、そんな時に役に立てばいいと思う。 とはいえ「孤立に効く薬」というようなものじゃなくて、ただ君が6歳で、私が48歳で二人暮らしになった今のことを記録しておくことが何かしらの役に立つと思って書いていくつもり。 6歳の君と二

        • 「一万年の旅路」とブラジルコーヒー

        サングラスと「向田邦子の恋文」

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        記事

          #006 東急・世田谷線とヴィクトル・ユゴー

          時々、『あんな時代もあったよね』と思い出すことがある。 それはたいてい、もう二度と戻りたくはない時代だったりする。 いや、考えてみればわたしの人生に戻りたい時代なんてない。 今が幸福絶頂ではないし、何なら現状ひどい傷も負ってるんだけど、 それでも。 過去と比べたら今のほうがいい、昔はあんな人こんな人たちに翻弄されてたけど、今はそれほど振り回されてない。 『これでいいのだ』…ビクトル・ユゴーの『レ・ミゼラブル(ああ無常)』のジャン・バルジャンも人生の終わりにそこに行き着いて

          #006 東急・世田谷線とヴィクトル・ユゴー

          #005 流山線と宮沢賢治

          宮沢賢治の小説も詩も好きだけれど、そうしょっちゅう読むわけではない。 でも先日、4歳の彼に誘われて行った流山線の車内でその振動に身を任せた時、ふいに宮沢賢治の詩がふつふつと浮かんできた。 流山線というのは、千葉県にあって、始点から終点までたった5.7キロの短いローカル線で、最初から最後まで乗っても12分しかかからない。そんな小規模鉄道らしく、使われている車両も大手私鉄からの譲渡車両、つまり古い車両をリメイクして使っている。それはレトロ感満載の電車なのです。 そんな流山線

          #005 流山線と宮沢賢治

          #004 常磐線と平田篤胤〜遺骨を運ぶ

          君が生まれるずっと前のこと。 (今回は、番外編のような過去のはなし。) たしか20年くらい前。わたしの父は、実父の遺骨を常磐線で運んだ。 祖父は茨城県の土浦市で暮らしていて、老いて体調を崩して市内の病院に入院した。 医師だったわたしの父は、勤め先ではないその病院の病室に見舞いに行き、 「この状態だったら、たぶんあと一週間だろう」 と予言(?)し、祖父は息子の言葉に合わせたように一週間後に亡くなった。 その骨を、父は自宅のある東京の目白まで胸に抱いて運んだ。常磐線と山手線に

          #004 常磐線と平田篤胤〜遺骨を運ぶ

          #003 湘南モノレールと江ノ電とよしもとばなな

          来た道を戻らなくてもいいのだ。 はじめての場所を通って、しばし立ち止まってしまっても、居場所は見つかるのだ。 たとえ元の場所に戻れなくても。 よしもとばななの『王国』という小説(全4冊!)が好きで、何度か読み返している。分かれ道に差し掛かるとふと思い出して、読む。 この小説、 居場所というものが、場所ではなくて人にあるのだと教えてくれる。語弊を恐れずに言えば、居場所の作り方ノウハウ本のように優しく書いてある。 この小説を久しぶりに思い出したのは、 「湘南モノレー

          #003 湘南モノレールと江ノ電とよしもとばなな

          #002 西武鉄道6路線とクリハラタカシ

          旅とは、ここじゃないどこかへ行くこと。 真の旅人はきっと、永遠にここじゃないどこかへ向かって移動し続け、移動によりその人生の彩りを深めていくのでしょうね。 でもわたしと4歳の彼との旅は、行ったら戻ってこなければならない、なぜならば幼稚園があるし、浮世の義理もありありだ。 そんなことを考えていると、たまに、ふと、いまの自分から逃げたくなる時がある。 そんな時にちょうどいい本がありまして。クリハラタカシの『冬のUFO 夏の怪獣』という漫画です。これは、不思議と読んだ人それ

          #002 西武鉄道6路線とクリハラタカシ

          #001 東京モノレールとフィッツジェラルド

          一緒に暮らしている彼は車が大好きだった。去年の夏までは。 道ゆくトラックがあればその特徴を語りあげ、図鑑を広げては家や新幹線を運ぶ大型トレーラーを眺め、「ベンツのシュナーベル・トレーラー(下写真)は変圧器を運ぶんだよ。」などと説明してはうっとりしていた。そんな彼に異変が起きたのは、夏の終りのことだった。 「きょうは、でんしゃにのりたい。」 と言い出したあの日、わたしは全く想定していなかった。あの彼が毎週末鉄道に乗りたがり、鉄道博物館に行けば閉館時間までねばり、各鉄道会社

          #001 東京モノレールとフィッツジェラルド

          ほんよんであなたの声でねむるから #自由律俳句 #俳句 #詩

          ほんよんであなたの声でねむるから #自由律俳句 #俳句 #詩

          いちにちが終わっちゃうのがさみしいねつぶやく君のいちにちを見たい #短歌 #詩 #恋

          いちにちが終わっちゃうのがさみしいねつぶやく君のいちにちを見たい #短歌 #詩 #恋

          みどりごにまもってあげるとおさなごが言い #自由律俳句 #一点のひねりもなし #俳句 #詩 

          みどりごにまもってあげるとおさなごが言い #自由律俳句 #一点のひねりもなし #俳句 #詩