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関係人口になる人の共通点とは?

【関係人口コラム】 vol.10

こんにちは!
きっかけ食堂東京メンバーの江上ふくです。ふくちゃんと呼ばれています!
立教大学3年で、観光学部に所属しています。

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(元気で、愛嬌の良さが特徴のふくちゃんです!笑)

実は私、先月メンバーに加わったばかりの新米です!
きっかけ食堂の常連さんにはそれがバレバレで、先日の食堂では
「見かけない顔だね~」「新しく入ったのかい?」と色んな方に声をかけられました。笑

この記事で「関係人口コラム」は10本目になります!

【関係人口コラムとは】
きっかけ食堂に関わる東北好きの皆さんに、東北と関わり続ける理由についてお聞きします。コラムを通じて、多くの人が都市から東北、地域に関わることの「楽しさ」や「関わりしろ」を知るきっかけになれればと思います。


節目の10個目の記事で私が書くのは、
「関係人口になる人の共通点」についてです。

私自身、地域の人と関わることが好きで、自分にとって特別な場所がたくさんあります!
この記事を書くにあたり、これまでの9個の「関係人口コラム」を読み、9人の文章には共通するキーワードやエピソードがあること感じました。

今回は、9人のコラムを引用しながら、私が考えた「関係人口になる人の共通点」について書いていきます!

【関係人口とは?】
「関係人口」とは、移住した「定住人口」でもなく、観光に来た「交流人口」でもない、地域や地域の人々と多様に関わる人々をさします。
(総務省関係人口ポータルサイトより引用)


①人の魅力の虜(とりこ)になった

「これからの宮古について目を輝かせて語ってくれる、宮古でアクションを起こしている人たち。めちゃめちゃかっこいいなこの人たち、、、
憧れと、尊敬と同時に、漠然と、こんな人かっこいい大人たちと一緒に働けたら絶対に楽しい。そんな想いを持ちました。」(入江さくら)

必ず、9人の文章に出てくる言葉は、地域にいる大人への「尊敬」です。
自分もこんな大人になりたい!
この人たちと働きたい!
そう思わせてくれるかっこいい大人が地域にはたくさんいると私も感じます。

もちろん、都市部にもかっこいい大人はたくさんいると思います。
ただ、都市部は地方と比べ、モノやヒト、情報が溢れすぎて、一人一人の存在や活動が知られずに埋もれてしまう傾向にあると感じます。
地域であれば、個人の活動や思いが伝わりやすく、かっこいい大人の存在も見えてきやすい、のだと思います。

そもそも、地域にいる大人が何かの活動をしているからかっこいい、というよりも、一人一人の考え方や生き方に共感したり尊敬したり、のほうが多いかもしれません。
私も、地域で色んな人と出会い、この人たちに恥じない生き方をしたい、自分らしく生きたいと強く思うようになりました。

次の2人の文章に共通する興味深い点は、「お母さん」と「娘」という表現です。

「私の南三陸でのお母さん、漁師さん、本当に尊敬する人ばかりいる町です。まるで娘として接してくれたお母さんたちは、東京に帰る時、バスが見えなくなるまでずっと手を振り続けてくれました。」(那須彩乃)
番台のおかあさんはとてもあったかくて、優しくて素敵な人だった。
「わたしには3人息子で娘がいないから、ができたようでうれしかった」「ここを第二のふるさとだと思いなさい」と言ってくれた。(柏木彩織)

私が観光学部ということもあり、観光と比較しますが、
観光において「人」と関わることがあっても、それはガイドさんや語り部の方、そば打ち体験の先生など、そこには「ホスト」と「ゲスト」という壁があり、個人的な繋がりが生まれることは多くありません。

しかし、2人が書いてくれた「母」「娘」の関係は違います。

その人がいる場所では素の自分でいられ、心が落ち着く、、、
そんな「第二のふるさと」と思える場所を見つけ「家族」のような関係性を築けたときに、
その地域はその人にとって特別なものになり、また行きたい(帰りたい)!と自然に感じるのだと考えます。

番台のお母さんについて書いてくれたさおりん(柏木彩織さん)は、自身のコラムの最後をこのように締めくくっていました。

私が東北と関わり続ける理由
それは、会いたい人守りたい場所があるから。
東北のおかあさんに会いに行くために、
第二のふるさとに帰るために
これからも私は東北と関わり続けます。

この文章には関係人口を語る上で重要なキーワードが多くありますが、
中でも「東北に行く」ではなく「第二のふるさとに帰る」という表現をしていることが、さおりんにとって東北が特別であることを物語っていると感じました。

「人の魅力の虜(とりこ)になった」
これが関係人口になる人の共通点として挙げる一つ目です。

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(地域の人の魅力に惚れていきます!)

②地域に自分が入り込んでいくことに喜びを感じる

関係人口になる人の共通点の2つ目として、
「地域に自分が入り込んでいくことに喜びを感じる」ことを挙げます。

地域のコミュニティが狭いことは、時に「ご近所付き合いが大変」などネガティブに捉えられることもあります。
しかし、この4人の文章からは、地域と関わる中で徐々にそのコミュニティに自分が溶け込んでいくことを嬉しく感じた様子が伝わってきます。

東北に行くと「人」を紹介されることが多く「この人に会ってみなよ。」と必ずと言ってよいほど各地域にキーパーソンを紹介いただけます。そのひとに会って話を聞くと、次は「この人と会うといいよ」とまた紹介をしてくれる。数珠つなぎでどんどん地域の人とつながっていくことが面白いなぁと感じました。(小南理華)
「1ヶ月のインターンで僕はたくさん苦しみ、たくさん成長させていただきました。それは洋野町の町の皆さんのおかげでした。町の方々は神奈川から来た素性も知らない大学生のために時間を使ってくれて、しかも協力するよ!と支えてくれました。神奈川県生まれ神奈川育ちの僕にとって街のみんなが助けてくれることが初めてでした。」(星空之介)
3ヶ月いて感じたことは、「ふとした時に、自分が地域の輪の中にいることに幸せを感じる。」この一言に限ります。自分自身が地域の中に間違いなくいること、それが感じられるのが地方の好きな理由かもしれません。(高梨育臣)

先ほども少し書いたように、現代社会はヒト、モノ、情報で大きく膨れ上がっていると感じます。
私自身、なかなか社会における自分の価値や居場所を見つけることは難しく、社会に対して自分がインパクトを与えられていると感じられることも少ないです。

しかし、社会ではなく、地域という単位であれば、
自分のことを知ってくれている安心感や、アクションを起こしたときに応援してくれる人が周囲に多くいる喜びなど、人の温もりを肌で感じることができます。

この人の温もりや安心感は、自分が住んでいる地域(≒首都圏)で感じることができないからこそ、関係人口として関わる地域に求めてしまうのかも知れません。

通い続けてるからこそ顔を覚えてもらってたり、信頼関係が生まれているのを実感できています。目標としては、顔を忘れられないでいつでも「おかえり」と島の方々に言ってもらいたいです。(安田陸人)

当初は縁もゆかりもなかった地域において、自分の顔を覚えてもらっている嬉しさは、私もすごく共感できます!
それが嬉しいから、大切に守っていきたいからこそ、通い続けたいという気持ちになるのだと思います。

「地域に自分が入り込んでいくことに喜びを感じる」
これが共通点として挙げる2つ目です。

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(地域に入り込むと生産者の方との繋がりも増えます)

③自分のモチベーションの一部になっている

最後、関係人口になる人の共通点の3つ目には、
「自分のモチベーションの一部になっている」ことを挙げます。

以下の2人の文章が私が言いたいことを代弁してくれています。

「東北に行く度、思いを持って行動している人たちに出会い、次会うときにはもっと成長してたい、自分ももっと頑張ろうと感化されます
社会人一年目、今は新しいことだらけで精一杯なところもありますが、この経験を、自分を育ててくれた東北に還元できるよう頑張ります!!」(中村璃久)
「生きていく上で大切なことは、いつも東北を通じてに教わっていると感じています。だからこそ、大切なことを教えてくれた東北に恩返しをしたい。」(弘田光聖)

二人が書いていること、これは私も地域と関わるたびに強く思っていることです。

地域には、あまりにも多くの尊敬できる人がいます。
尊敬できるがゆえに、自分がまだまだ未熟で至らないな、何も社会のことが分かっていないなと感じることもしばしばです。
だからこそ、その人たちに恥じない自分になりたい、もっと成長することで地域に貢献したい、恩返しがしたい、そんな気持ちになります。

地域に行くたびにそう決心し、自分なりに頑張って、また足を運んで、、
そうやって、地域の人からもらうパワーとエネルギーによって、私はこれまでの大学生活を頑張ってこれたと感じています。


この9人のコラムのほとんどは東北(主に三陸地域)との関わりについて書かれています。
特に印象的だったのは、東北に関わったことで改めて受ける震災の衝撃と、それが後の原動力になっているということです。

「震災から7年も経てば復興も人々の傷も癒えているだろう。」何も知らない私は、勝手にこんな事を思っていました。だけど、想像とは全く違う現状がそこにはありました。「大学生になる今まで現状を知らなかった私はなんて無力で、無知だったのだろう」と自分自身後悔?というか悲しい気持ちにもなりました。その南三陸での出来事がわたしにとって今でも原点であり、大切な経験でもありました。(安田陸人)
沢山の被災者からのお話を聞きました。その時の覚えている感情としては、「自分はなんてちっぽけな人間なんだ」ということです。そこからというもの、少しでも自分を変えようと行動したことと、東北のために自分にできることをしようと考えました。(弘田光聖)
被害に合った人たちがこんなに強い想いで頑張っている。関西で暮らす私たちが何も知らなかったことが、なんだか恥ずかしくなりました。そこで、福島のこともっと知りたい、知ろうと強く思いました。(小南理華)

きっかけ食堂のメンバーが東北にこだわるのは、東北には食や自然、人の温かさという魅力だけでなく、震災を通じて生まれた「強さ」があるからではないかと感じました。深く関わるほど考えさせられ、何か自分も貢献したいという原動力になる強さが、東北には風土として根付いているのかもしれない、そう考えました。

「自分のモチベーションの一部になっている」
これを関係人口になる人の共通点の3つ目に挙げたいと思います。

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(きっかけ食堂で活動中のわたし!緑のエプロンです!)

まとめ

ここまで「関係人口になる人の共通点」について書きました。

①人の魅力の虜(とりこ)になった
②地域に自分が入り込んでいくことに喜びを感じる
③自分のモチベーションの一部になっている

これが、私が9つの「関係人口コラム」と、自分の経験から導いた共通点です。

他にも共通点を見つけようと思えば、地理的条件(通いやすさ)や滞在日数、滞在目的などが挙げられたと思います。
ただ、今回9人のコラムを読んで、関係人口というのはそのような客観的に示せる条件があるというよりも、エモーショナルな部分、主観でしか表せないところに共通点があるのではないかと考えました。

ただ、「関係人口」という言葉が指し示す範囲は広いため、一概には言えません。
今回コラムを書いていた9名は、関係人口の中でもかなり深く地域との関係を築いている人ばかりだと思います。
そういう意味で、今回挙げた3つの共通点は、「どっぷり関係人口になってしまった人の共通点」と言ったほうが正確かもしれません。

私はきっかけ食堂のメンバーですが、東北との関わりは強くはありません。
先日、気仙沼で開催したイベントのお手伝いで初めて三陸を訪問しました。
たった1泊でしたが、車窓からの景色、街の様子、人の雰囲気から、これまで他の地域では感じなかったものを感じました。
それが何かまだ言語化できないのですが、これからきっかけ食堂のメンバーして活動する中で、多くのことを学び自分なりの関わり方を模索していきたいと考えています!

編集後記

ここまで読んでくださった方、本当にありがとうございます!

この記事を書くために「関係人口コラム」を何十回も読み、ひたすら関係人口について考えました。
まだまだ考えが至らない点もあると思いますが、ご容赦いただければと思います。

今回の記事を書いたきっかけは、事務局長の光聖さんに、
「関係人口コラムを分析して、関係人口になる人の共通点について記事を書いてみない?」と誘っていただいたことでした。

元々「関係人口」に関心を持っていたため喜んで引き受け、すぐに書こうとしたのですが、
「関係人口コラム」を読めば読むほど、一人一人が選ぶ言葉の温もり、東北への想いの強さが伝わり、9人の大切な思い出を私が「共通点」としてまとめ一般化することに抵抗感を覚え、まったく手が進まないという状況になりました。

コラムとnoteの記事を読んで、何度共感し泣いたか分かりません、、
ようやく、9人の文章を引用するというスタイルを取ることで書き切ることができました!

関係人口になったきっかけや、そこでのエピソードが似ていても、その人だけが感じたことや、その人にしか紡げない言葉があると私は思っています。まだ9人の「関係人口コラム」を読んでいらっしゃらない方は、今から読んでみてほしいです!
お読みいただきありがとうございました!

きっかけ食堂東京メンバー:江上ふく



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