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「ポワン」と灯る雪

1月28日(木)

雪が降った!

昨日からドンヨリと水分たっぷりの雲に覆われていたから「雨かな〜?」と思っていたら雪だった。

「いつの頃からだろう。雪が疎ましく思うようになったのは…」というテッパンの常套句は社会人の共通認識のようになっているが、僕はアラサーになっても好きだ。ついでにアニメもアイドルも10代の頃と変わらず好きだ。

いまだに雪の降った日は特別な日に思える。

小学生のときは、未踏の真っさらな処女雪の上を長靴でザクザク踏む背徳感がとても好きだった。中学生のときは「部活休みだ〜!」と狂喜乱舞した。高校はシンシンと降る雪を見ながら片想いの女の子の顔を思い出した。

そして社会人。「電車止まるぜ、イェーイ✨」と仕事に遅刻できるオフィシャルな理由をゲットできてテンション上げ上げ〜꒰ ´͈ω`͈꒱ノ

しかし…在宅勤務がデフォになった今では、その喜びはない。むしろ部屋を寒くするだけの雪のメリットが見つけられない😱

全てを諦めて、待っていたよと言わんばかりに社用PCが僕の視界に飛び込んできた。ルーティンのチャット挨拶を済ませて仕事に取り掛かる。そこには四季を感じさせることはない数字とデータとの格闘。同僚との話題は売上げ向上の課題と対策…こうやって心までカラカラの干物になっていくのだな。僕はまさにその渦中にいるのだな…嫌だな。そう思った。

ピロリン♪

…LINEがきた。東北に転勤した兄からだ。東京の感染状況と降雪を心配してくれたらしい。

「ポワン…」

そんな効果音が胸中に響いた気がした。火の焚べ方を忘れた暖炉に灯りがともったみたいに。

1年以上連絡を取っていなかった兄。「雪降ってるよー。でもテレワークだから普通に仕事だよー」そんな当たり障りないやり取り。家族のやり取り。

「兄弟仲良くしろよ」
そんな声を勝手に心の中でこしらえて白い空を眺めた。雪のメリットを垣間見ることができた。

でもなー。せっかくラブラブロマンスな演出をしてくれる雪が降ったのに、お兄ちゃんとしかメールしてないアラサーもなぁ…どうなんかなぁ。。。とも思ったけど、たまにはいいっしょ😊

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