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佐久間イヌネコ病院 luv.46 ときめきのバイトデー

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佐久間イヌネコ病院、今日は院長と看護士さんがうっかりお休みってことで、俺、伊達雅宗とこの設楽泰司は臨時で入った研修医さんなの(嘘)。

設楽がいるんで俺することないから、データ打ち込んだりフードの在庫の確認したりしてたんだよね。ほんと、俺が担当の日って患畜さん少ないのよ。
本日のアシスタントてかスタッフさんとして、ウチの雲母ハルちゃん、男の娘すぐるんと庭師の優羽くん。いや多。ここの病院けっこう広いんで気にならないけど。
聞けばハルちゃんは、実はバイト経験がほぼないんだって。親代わりだった白河先生の弁護士事務所でちょこっと手伝ってたくらい。だからかな、すんごい生き生き楽しそうに動き回ってんの。千弦のスクラブ借りたんだけど、ちょっとブカッてしててユルくてそれがまたほんとかわ…

「伊達さん、そこのアンプルを」
「はぇ?あ、患畜さんね!オケオケ」

いかんいかん。ひょっとして俺が一番浮ついてるかもね。あのちっちゃいものクラブ二人も実にスクラブ似合ってるん。すぐるんは待合室でずっと大型犬を落ち着かせる感じで一緒に遊んでて、優羽くんは観葉植物を見て回って、病院の外回りを掃除したり。

「伊達さん、これはエコーかけたほうが」
「うん、じゃ毛刈りすっかね」

いつもの俺らの病院と違って、ゆるやかに時間が流れる気がする。人ごとみたいに言ってちゃ失礼だけど、なんだろ、この場所かなあ。佐久間がこだわって探して、すぐるんと会えちゃった不思議な縁。そしてその縁は。

「今だったら写真を撮っても大丈夫ですよね?」

ハルちゃんがいそいそと皆の写真を撮り始めた。あ、そか今ちょうど患畜さん途切れたわ。もうすぐ朝診も終わるからね。俺はハルちゃんに携帯を貸してもらって、カメラを向ける。

「?伊達さん?」
「一番撮らなきゃならないの、ハルちゃんのだから」

ありがとうございます。少し下を向いて照れ…たと思ったら、いきなりポージング発動。アレ?俺が今撮ってるの恥じらいのハルちだったはずなのに?なにこのガチパリコレモデル。横でニヤついて肘でつついてくる設楽とじゃれながら、それこそ三億枚くらい撮って(嘘)ハルちゃんに携帯を返した。

この場所で病院開いてくれて、縁を繋いでくれてありがとね。佐久間、そして千弦。




/伊達雅宗

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佐久間イヌネコ病院

……
………
起きたら昼でした

ナナセマスターが来てて
特製弁当を皆に
振る舞ってくれました
そんでウチの病院には
獣医さん二人に
アシスタントが三人も!
ハルさんは至福の極みな
超笑顔だった!
皆ありがとう!

ほやけど
まーあかんわー俺ら
完徹なんてしたらかんわー
(院長)




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