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smashing! どとうのごとくおいわいを・2

大体昔からこういう堅苦しいの俺苦手だったんよ、でもなんでだか練習はめたくそでも、不思議と本番はうまくいったっていうね。それにしても長い、話長いんよしょうがないんだけどさ。あ話じゃないか発表かごめん、スピーチ?まあなんでもいいけどとにかく。腹減ったねえ腹減っ

「相変わらずこの手の集中力は乏しいな」
「…そっちこそその手元のは何なん」
「見てわからないか?ジャパニーズトラディショナル折り鶴だ」
「うっそカモノハシかと思ったん」
「その発想な」

研究発表も終盤に差し掛かり、当事者以外はそれほど集中できない難解さ。ウン、ウチにラクダはこないだろうし。伊達は麻のスーツのシワを気にしながら、隣席の男性と小声でやり合っている。フォーマルをあえて無視した着流しで現れ、自分の座りたい席に座る。伊達の友人獣医師・見郷賢吾けんごう けんご(略してケンケン)。ケンケンさお前の仲間向こうの席じゃん、俺は座りたいとこに座るんだよ、伊達とはベクトルが少々違うがなかなかの我儘っぷり。

「なあ伊達くん、あとで飯行かないか奢るし」
「ウン、ありがたいけど、今日はいいやあなんか」
「なんだなんだらしくない」
「ウチのと一緒ならねえ」
「おいその話まだ詳しく聞いてないから、行くぞほら奢るし」
「えー…」

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ディナータイムには少し早めの時間。リザーブしたホテルの最上階レストランに入った途端、伊達ともう一人の和服美形を発見した雲母は、設楽の手を引きステルスよろしく衝立必須のカップル席をチョイス。伊達たちは風光明媚な景色を堪能できる窓際席ではなく、中央に近い少し格の高いテーブルに着いていた。

「…さっきロビーにいた、あの和服の男性ですね」
「設楽くん僕こんなワクワクするのって久々で」
「ワクワク…てかギャースってなるかと思いました自分では。でも意外に」
「でしょ?全てはイベントであり必然。あの密会現場(?)がどんな展開をもたらすのか。お仕置きかはたまた…」
「…御意(雲母さん、マジで楽しそうだな)」





続きます
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上中下どころじゃないですね御意。
小出しでいきたいと思います💖

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