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佐久間イヌネコ病院 luv.27 ユリイカ

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お疲れさんね!
夜は 美味しい物で乾杯しましょう
ハルちゃんにとっておきの
ボジョレーも用意してるよ!

まさむね しだら
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さて送、信、と…。

今日から俺と設楽は連休。大忙しの雲母ハルちゃんも明日久しぶりの休日。そんでハルちゃんのための「数日遅れのボジョレー解禁」の用意を始めたんだけど、昨日調達した設楽用のボウタイとサスペンダーのみのえちなコスが、俺の五感にけっこうキちゃって大変だった。あんな格好が似合うてのは生来えちなのか、なんでも着こなしちゃうガイなのか。どっちでもいいけどこれじゃ毎回体もたんわ。

「伊達さん、赤と白両方なら肴も増やしましょうか?」
「そうね、今ウチお魚しかないから、設楽なんか肉ないかな」
「問題ないです。肉得意なんで行ってきます」

肉得意、うん、よくわかんないけど、設楽が嬉しそうに買い出し?に行っちゃったよ。その間に色々用意しないと。俺らはまず「食」が大事なんよね。ハラペコは敵、苦手なものは出さない、好き嫌いなんてあって当然なんだから。好きな物食わないとだめなのよ。で、俺はもちろんウニ用意したし♡ここだけの話、苦手な物あるのって設楽だけなんだけどね。

リビングの隣の部屋で速やかに着替えられるように用意して、温かいものすぐ出せるようになんとかシェフにもいれといた。設楽のリクでビーフシチュー。って、あれ?なんか玄関から音した?

「戻りました」
「早いねえ。え?まだ15分もたってなくないかぁ?」
「昨日のうちにオーダーしといたんで」

え?え?何が来たの?この子行動が読めないとこあるからいちいち驚くけど、大事な物みたいにそっと手提げ袋を開けて見せてくる。中には丁寧に包まれて、でもすごくいい匂いのする…大きな「丸鶏」。

「あ!フランゴアサード!ブラジル屋さん行ったん?」
「こないだ食って美味かったんで」

商店街にあるブラジル料理店の鶏の丸焼き。実は俺もハルちゃんも大好きなやつ。でもよく売り切れちゃってるから、あまり頻繁には食べられない。これハルちゃん喜ぶやつ。そう言って設楽のほっぺにチューしてやったら、目元がキュッて細められた。笑っ…てるんかなこれは。

「あ、そうだ。伊達さん、オレの着るやつなんですが」
「うん?」
「サスペンダーの金具のとこ、止めづらい気が」
「あら、ちょっとつけてみよか」

さっと下だけ合わせようとしたんだけど、ちゃんと計ろうてことになって。こんな時間から設楽がスポーンて脱いで仁王立ち。堂々とする意味な。金具の様子見るのに床に跪く感じになると、設楽のちょうどヘソあたりに目が。そしたら今まで全然気づかなかったもんが見えたんよ。

「?え?なにこれ、ピアスの穴…」
「あ、10代あたりのですね」
「えお前ヘソにピアス開いてたん !?!?!?!? 」
「ちょうど一個上の兄ちゃんがシルバーアクセ売ってたんで、練習台に」

よっく見ないとだけど、あるわあるわ何箇所も。すげえすげえって撫でてたらこう、棒状のシダラくんが屹立してきた。うっわなにこの角度。伊達さんがそんなところ見てるから。顔色ひとつ変わんないわこいつ。

「…夕方までも少しだから、ヌくだけね?」
「御意」

シワになんないようにパンツとサスペンダー外してやると、ボクサーパンツをあからさまに押し付けてきながら、この年下くんは口の端だけ引き上げて、ニヤッと笑う。

それそれ、俺が一番好きな「顔」。




/伊達雅宗
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佐久間イヌネコ病院
ブラジルのお店は
皆が大好きなところで
特に鶏の丸焼きは
全員の大好物です
(院長)



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