佐久間イヌネコ病院 luv.51 おそろとギャップ

偶然、卓とコーデが被った。アースカラー、オーバーサイズ、ゆるパンツ。焼き肉食べ行こうって話になって、俺の仕事帰りに久しぶりに外で待ち合わせた。一緒に店に入ってコート脱いだらほぼお揃い。一緒に住んでてもこうなったことがないから、逆に新鮮だった。

「…卓、そういうのも持ってたんだ」
「こないだ設楽くんたちとね、バーゲン行って。あの子もこういうの大量に買ってたから、全員お揃いな感じなんだよね！」

すごく似合ってる可愛い。ただ、肉待つ間にこの熱気で焼け焦げそう。今日二人きりでよかった。いつもならピンクやラベンダーに身を包む卓が、なんだか普通の男子みたいだ。や、いたって普通なんだけど。

卓はうんと年上だけど、誰が見ても俺より下か、同い年。普通に見ても女子。俺は卓より可愛い子を見たことがないから、つい服を選ぶ時も「卓の可愛さが引き立つもの」を選んでしまう。卓は意外に服やなんかにはこだわりがない。入ればいい、似合えば何でも。そんなスタンスなもんだから、つい俺はやりすぎてしまうんだろうな。

お待ちかねの肉が運ばれてきて、一緒に七輪に並べる。炭火が時々弾けて煙が上がる。この煙がいい風味出すんだよ。卓はたまにちょっとおっさんぽいことも言ってるけど、肉の焼き上がるタイミング計るのが上手で、食べごろの特上カルビが俺の皿にどんどん載せられる。

ジェンダーレス。タイミングの鬼。どこまでもストレートな愛情表現。
大きな琥珀の目でいろんな場面を見ては自分の立ち位置を瞬時に把握する能力。気を巡らせては空気ごと包み込む。全部が全部、俺がその中心にいる。

「ゆーわ、そろそろビビンバいく？」

女の子みたいなその顔で、片手には焼酎のロック、そしてモツ焼。これだな、皆が言ってる「ギャップ萌」ってやつ。

／小越優羽

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佐久間イヌネコ病院
2/22はネコの日です
夕方、鬼丸と一緒に
焼き肉でも、てことになったんだ
ちょうどその焼肉屋にいた
卓と優羽が
なんとご馳走してくれたんだ！
ご馳走してくれたんだ！（2回）

（魔神先生）