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smashing! こころほぐしてほどこして

佐久間鬼丸獣医師と喜多村千弦動物看護士が働く佐久間イヌネコ病院。そこで週1勤務をしている、大学付属動物病院の理学療法士・伊達雅宗と経理担当である税理士・雲母春己は付き合っている。そして伊達は後輩の設楽泰司とも恋人同士。


数日ある休日の真ん中。朝から晩まで、こうしてただ怠惰に、何もしないでベッドの上で過ごす日がある。伊達さんと設楽くんは出勤、しかも夜勤なので家に戻れるのは明日の夕方。

昨日のうちに家事を一通り終えて、ベッドの上で食べられるご飯を用意した。とはいっても選択肢はおにぎりとかサンドウィッチくらいだけど、今日の僕はちょっと進化して、細かくしたナムルでキンパ、みたいな海苔にはさんだのを作った。この味はきっとロゼに合うのではと思って、ロゼも用意。サイドテーブルに置くのでステムのないグラスで。

ベッドの上で寝転んだままキンパ風のを頬張って、タブレットで配信を観る。いつも皆ともやってることだけど、一人だと選ぶものも違ってくる。しんと落ち着く静かで淡々とした、人の内面にフューチャリングしたような作品。そんなのが観たい。

クレンズする、そんな言葉がしっくりくる。皆といるときに幸せで満たされた僕の心の、外界の些細なことでちょっとだけ疲れてしまったあちこちを、自己修復するように。伊達さんと設楽くんに癒されて、そして自分でもクレンズできれば無敵なんじゃないか、と僕は思っていて、とにかく自己治癒力をフルに活用したい、そんな風に考えるようになった。

映画の中の主人公が自分を取り戻していく様を見ながら僕は、自分の心も一緒に浄化していく、それが感じられる時間。ラヴユアセルフ、相手からの言葉として受け止めれば、自分自身を愛せよ、僕はその意味を理解ろうとして、こうして「何もしない日」を自分に与えているのかもしれない。相手を愛し癒したいと思うならば。

それにしてもあの二人は、ふと気づけばメールを届けてくれて、送られてきた動画の中で手を振る獣医さん二人は、珍しいフェネックと一緒に手を振っている。うわあ可愛いですねこの子、こうして僕の心を解いて甘やかしてくれる、そんなクレンズを施してくれる、僕のナイトとキング。


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