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梅花皮の表情に魅せられたモノづくり。美しく重なるうつわに秘められた物語

vol.02 |「kasane」シリーズ誕生秘話

食にまつわる日常を、KIKIMEらしく過ごすためのうつわのカタチとは何か?たどり着いたのは、異なるカタチのうつわが計算された角度で重なる機能性と、稀少な土を使用した梅花皮模様の表情との掛け合わせでした。

“効き目”をもたらすモノづくり

ー 梅花皮模様との出会いから始まったデザイナーの挑戦
食のカルチャーは多様化が進み、我々の日常の食卓には和食と洋食が一緒に並んだり、さまざまなジャンルの料理を愉しむシーンが増えているのではないでしょうか。そんな時代にモノづくりをするKIKIMEだからこそ、ボーダレスに料理を愉しむ食卓に、粋な“効き目”を発揮できるうつわの在り方を模索していました。そんな中、美濃焼の産地である岐阜県土岐市で出会ったのが、今では希少となった土を使用して生み出される梅花皮(かいらぎ)の表情でした。梅の花が咲いているように見えることから梅花皮と呼ばれる模様の表情に惚れ込んだ私たちは、モダンな雰囲気を現代の食卓に活かすべくプロジェクトをスタートしました。

日常に映える梅花皮の表情

ー とことんこだわったデザインと機能性の両立
梅花皮は焼き上げた際に表面の化粧土と素地の収縮率の違いによって、化粧土にできたひびに、呉須(ごす)で着色を施すことで模様がはっきりと現れます。一方、貫入(かんにゅう)と呼ばれる細かいひび模様は、陶器が焼かれた後に冷えていく過程で、素地と釉薬の収縮率の差によって釉薬がひびのような状態となり固まることで生まれます。非常によく似た2つの模様ですが、模様のできる工程が異なり、呼び方も違うのです。

kasaneは日々のうつわとしての在り方を考え、使い勝手の良さをデザインに落とし込み、機能性との両立にこだわっています。例えば、梅花皮模様を活かした質感もそのひとつ。初期はマットな質感でサンプルを進めていましたが、手触りの良い滑らかな質感を目指して、ひびができた化粧土に着色した上からガラス釉薬でコーティングを施し、梅花皮模様を閉じ込めました。それによって生まれた艶のある滑らかな表面は洗いやすいのが特徴です。

梅花皮模様を際立たせる呉須の色にも苦労がありました。
白地に黒の呉須がミニマルな印象の梅花皮ブラックは、初期の段階からイメージしていた通りの色味に仕上がりましたが、もう1色の梅花皮ブルーについては、特殊な土の成分と反応してしまいイメージする色味が出なかったり、梅花皮の模様が潰れてしまったりと、難航しました。釉薬と土の相性に悩まされ、幾度も試作を重ねた結果、青い呉須が繊細にひびを表現し、食卓を優しく和らげながらも華やかに彩る梅花皮ブルーにたどり着いたのです。

機能的に重なるうつわの秘密

ー 多様なライフスタイルに寄り添うアイデア
日常の食にまつわる時間に重宝するカタチを考える上で、祝い事やおもてなしの際に食卓に並ぶ重箱から“重なり”というアイデアが浮かびました。
お重に料理を詰めて、そのまま食卓に並べ、人が集い囲む。生活時間やライフスタイルが多様になった今の時代に効果的だと感じ、機能的に美しく重なるうつわの設計がはじまりました。

しかし、使いやすさとフォルムの美しさを考慮しながらの設計は難しく、うつわを重ねた時に美しく見えるよう細やかな角度の調整に時間がかかりました。試行錯誤の末、うつわの脚の部分である高台を垂直ではなく斜めにすることで、寸法のブレやすい陶器同士でも心地良く重なり合うカタチに。

それぞれのうつわのサイズも日頃使用している食器からサイズを割り出し、プレートSは取り分け皿に丁度良いサイズ感、ボウルLはカレーやパスタ皿などメインプレートとして使いやすいサイズといったように、日常の使い勝手の良さを目指しました。円錐に重なったフォルムは、食卓のアイコンとして収納時も魅せることができます。贈り物としての選びやすさも考え、2段・3段のセットは木箱に納めました。

おもてなしも、日常も。和洋折衷、あらゆるシーンを紡ぐkasane。
梅花皮の表情と機能性を秘めた心地良く重なるフォルムを贅沢に味わって。

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