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改めて、「100-100」を理解してもらうことに意識を向ける

 レゴ®︎シリアスプレイ®︎メソッドは、「レゴブロックを使う」手法ということで、楽しそうな(実際、楽しい)、活動的で(実際、夢中になって時間がすぎる)、クリエイティブな(実際思いもかけぬアイデアに至ることが多い)イメージを与えて、「ぜひ実施してみたい」とオファーをいただくことも多い。
 しかし、そのようなイメージをもたれてしまうことは、「楽しさ」や「夢中さ」や「クリエイティビティ」をそれほど重視しない人を遠ざけるという難点もある。

 もちろん、上記のような側面はあるし、それが魅力の一つであるのは間違い無いのだが、レゴ®︎シリアスプレイ®︎メソッドによるワークが提供する中核的な価値を示すものとして「100-100」というコンセプトがあることを忘れてはいけない。

 この「100-100」は、全員(その場100%の人)が自分がこれ以上なく深く場に関わっている(100%の参加感覚)という状態である。開催する組織がこの「100-100」状態から離れるほど、レゴ®︎シリアスプレイ®︎のワークショップを導入する価値があるということになる。
 「100-100」ではないことで、人々は組織にいながら孤独感を感じ、気持ちも組織から離れていき、その人のとっておきの考えや知恵も引き出せず、結果として、組織としての知識創造力はぐんと弱くなってしまう。

 「あなたたちは日々の活動の中で、全員が関わり、かつ全員が最大限のパフォーマンスを発揮できていますか。会議は全員が前のめりに言いたいことを言って終わった時に皆が自分ごととしてすぐに行動に移すような状態になっていますか」と問われれば、ほとんどの人はNoであると心の中で判定するだろう。
 ただし、その「Noである」ことを問題だと認めるかは別の問題である。そもそも、そうでなくても組織が回っているから良しとする人は、100-100でないことをそこまで問題として捉えないだろう。また、100-100から程遠い状態でそれがさまざまな問題を引き起こしていることに気づいたとしても組織をなんとかしたいと思わなければ、レゴ®︎シリアスプレイ®︎の場が設けられることはないだろう。

 つまり、そうした問題を抱えている人たちにしっかりとアクセスすることがまず何よりも重要だということになる。そして、その悩みを共有し、伴走する気持ちで問題解消に向けてお手伝いする気持ちで臨むようにしなければならない。

 これからもレゴ®︎シリアスプレイ®︎メソッドの価値や魅力について、定期的に体験会を実施して理解していただく機会をつくっていくつもりであはあるが、改めてその内容や構成を考えるときにも「100-100からは程遠いことで悩んでいる人々」のことを考えなければならないし、「そのことに気づいてさえいない人」に気づいてもらうことを目指していきたい。

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