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レゴ®︎シリアスプレイ®︎で「考える力」を高めるワークを構想する④「ある世界/ない世界」ワーク

ワークの狙い

 本ワークはある言葉の本質をより深く掴み、理解するためのワークである。
 ある言葉を説明するときには、それがあるカテゴリーの一部であることを知っていれば説明がつくりやすい。例えば「はさみ」なら、それは「道具の一つ」であるとする。次に、その所属カテゴリーの中での特徴をつける。「はさみ」は「道具の一つで2本の刃を挟むようにして切断する道具」という説明になる。
 ただ、抽象度が高い言葉になると、より大きなカテゴリーが見分けにくくなる。「生命」とか「道具」とか「可能性」とか「時間」などである。このとき、より大きなカテゴリーは、それらが無い世界を考えることが一つの手がかりになる。たとえば「生命がない世界」「道具がない世界」「可能性がない世界」を考えることによって、「生命」や「道具」や「可能性」や「時間」の意味が浮かび上がる。
 

「Aのある」世界の外にあるのは「Aがない(Not A)」な世界である

 そして、「〜が無い世界」は想像の世界である。だから、レゴ®︎シリアスプレイ®︎メソッドで想像したものを視覚的に表現することで説明もしやすい。また、「ある世界」「ない世界」の両方を作れば、その2つの世界にみられる共通項が、カテゴリーを見つけ出すヒントになるに違いない。例えば「生命のある世界」「生命のない世界」の共通項として「ある星のなかに存在する」が浮かび上がるかもしれない。そうすると生命の説明は「ある星の中に存在するものの一つで〜」と大きなカテゴリーを定めることができる。

具体的なワークの進め方(構想)

4〜5人でグループを組む。
※以下、レゴ®︎シリアスプレイ®︎の進め方についての練習は行った上でのものとする。

(1)「〇〇が無い世界とは」を問うお題を出して、参加者にそれを説明するモデルをつくらせる。

(2)作ったモデルについて参加者同士で説明しあう。
 ※作ったモデルは壊さない。

(3)「〇〇がある世界とは」を問うお題を出して、参加者にそれを説明させるモデルをつくらせる。その際にはできるだけ(1)と対比できるように表現をすることを参加者によびかける。
 ※省略もできるが、行うことで(5)以降が考えやすくなる。

(4)作ったモデルについて参加者同士で説明しあう。
 ※省略もできるが、行うことで(5)以降が考えやすくなる。

(5)「〇〇がない世界」と「〇〇がある世界」を対比したときに、「〇〇」のもつ私たちにとっての意味は何だと考えられるかについて、意見を出させる。意見はホワイトボードなどに箇条書きに書かせる。
 ※2つの差異性から見えてくるものをまず考えさせたのち、2つの共通性から見えてくるものを考えさせると、深く考えることができるだろう。ただし、後者を考えさせる場合には(3)と(4)が必要である。
 ※できるだけ、作ったモデルを見ながら考えさせるとよい。

(6)ホワイトボードの箇条書きをもとに、グループごとに「〇〇」についての説明文をまとめて発表する。
 ※グループごとのまとめから、さらにブラッシュアップした説明文を考えてもよい。

最後に、このワークはあくまで構想なので実際に試してはいません。試したら別途レポートしてみたいと思います(試してみたのフィードバックも大歓迎です)。


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